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第1回 ボランティア茶話会 6月28日(金)14時~15時 協働のへや
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今年度もボランティア茶話会と称して、 お茶やお菓子を摘まみつつ、協働のへやでお喋りする会を2,3回開催します。

名称について、とくに反対意見などは出ませんでしたので、(仮)を外して、正式に「茶話会」になりました!

今回は、前年度のボランティア研修会の反省点などをふまえて、 年度末の活動報告に臨場感を持たせるための、 図書館ボランティア向けアンケートの質問作りをする......予定でした。

が、お喋りが盛り上がって楽しい会になったので、 アンケート作りは後ほど責任とひらめきを持ってボランティア担当が心を込めてお作りします。

1時間では相変わらず物足りないお喋りは、 子どもたちの図書館を楽しむ様子やYAサポーターとの遭遇、書架整理の目線の報告や、 本を選んで使うおはなし会の立場から見た書架の話など、 普段は出会うことの無い書架整理とおはなし会の情報交換会になりました。

次回は未定ですが、少しでも活動促進のきっかけになるように、 引き続きゆるっと茶話会を開催していきます。

 長良川大学講座 朗読教室を令和元年5月13日(月)から6月24日(月)の間、全5回の講座として開催しました。
初心者の方が対象でしたので、題材を読みながら発声の仕方や間の取り方、声の落とし方などの朗読に必要な基本的技術を学ぶことから始まります。
 
 今回の題材は1937年に出版されてから、多くの人に読み継がれてきた、吉野源三郎さんの『君たちはどう生きるか』。
2017年8月に発売された『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)で は、2018年年間総合ランキング、〔BOOK〕の部門で一位になるなど、話題になりました。 主人公のコペル君とおじさんの、二人の会話を通して楽しく、人間としてどのように生きていけばいいのか考えさせられる作品です。そして、講師はフリーアナウンサーの前田幸子先生です。明るくて笑顔がとっても素敵な方です。

 みなさんが講座に申し込まれたきっかけは「講師の先生に惹かれて」「『君たちはどう生きるか』に惹かれて」など様々でした。
自己紹介ではこの講座にかける意気込みが伝わってきます。自己紹介の時間からなごやかな雰囲気でスタートしました。
はじめは人の前で声を出すことに緊張されていましたが、明るく気さくな先生の声かけで場の雰囲気がとても和みます。すると少しずつリラックスでき、声が前に出るようになり、皆さん楽しそうでした。

朗読教室_s.jpg 講座では「間の取り方が勝負」「上手に読もうとせず、心で読む」など朗読において大切なことを、一人一人に合わせてアドバイスをいただきました。
しっかり読んだり、声を落として読んだり、強弱をつけていくことが、なかなか難しそうです。講座の4回目では、いよいよ3つのグループに分かれてのパート決め。チーム名を決めて、本番に向けて準備します。終了時間を過ぎて、練習しているグループも!皆さんの結束がぐっと深まったように感じました。 講座の最終日では、3つのグループに分かれての発表会です。開始時間の30分前からグループごとで集まり、熱心に練習に励まれていて、発表会にかける思いが伝わってきました。リハーサルから笑顔がこぼれます。

 
 本番では、時折顔を見合わせて楽しそうに、生き生きと朗読されています。まるで、コペル君とおじさんがそこでしゃべっているようで、わくわく。皆さん朗読の最後にはやりきった!という達成感と同時にどこか名残惜しそうな様子です。 講座終了後には、「毎回朗読教室の時間が楽しみだった」「楽しく充実した時間だった」といった声が聞かれました。
朗読することの楽しさを知っていただけたようで嬉しかったです。

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参加していただいた皆さん、ありがとうございました! あっという間の5回でしたね。
ブログ読者のみなさんも、朗読する楽しさを味わってみませんか? 次回はぜひご参加を!

 6月のおたよりは手に取っていただけましたでしょうか?
展示グローブの展示は規模が大きく見ごたえのある展示で、中央図書館に来られた方も見てくださる方が多いと思います。

 でも、それだけじゃないのです。図書館をぐるっと一周してみると、いろいろな本棚のスキマに司書の手づくりのポップや飾りがあります。おたよりでとりあげたのは、その中のほんの一部。おたよりでは紹介しきれなかった、展示たちをご紹介します。

 IMG_8113_s.JPG芸術やスポーツの本が置かれている、7類の棚は遊び心がいっぱい。
新しいことを始めたい人や、自分の好きな趣味をとことん追求したい!という人の気持ちを満たしてくれる、素敵な1冊にきっと出会えます。

 ステンドグラスのようなきれいなお花の切り絵やキャラクターものなど、司書が7類の棚にある本を見ながら作ってみた、手作りのこった展示ばかりです。

 





IMG_8139_s.JPG郷土の棚では、鵜飼や鮎など、岐阜ならではの立体作品がたくさん。
本で、展示で、岐阜に触れてみてください。










IMG_5977_s.JPG 【衣食住】という、生活に欠かせない部分についての本が置いてある5類の棚。
この棚に置かれた本たちは、「お金について考えたい」とか、「模様替えしたいけど、お部屋のインテリアどうしよう?」「明日の息子のお弁当、何を入れようかな?」リアルで、身近なあなたの悩みに応えてくれるはず。
どうせなら、こだわりたい!楽しみたい!あなたの毎日の生活を豊かにするかもしれない1冊が、手に取ってもらえるのを静かに待っています。






  IMG_5971_s.JPG医学の本が並ぶ棚は、専門用語別の表記とともに
「いびき」「腰痛」「肩こり」などのわかりやすい言葉とイラストで分類されていて、それぞれの悩みに合わせた1冊を選びやすくなっています。
参考にしてみてください。

 






IMG_8321_s.JPG つい先日、東海地方も梅雨入りしましたね。
雨の日が続いて、ちょっと気分が滅入ってしまうこともあるかもしれません。
そんな雨の日にぴったりな本を集めた展示が、川舟読書スペースで始まりました。













雨の日は、外を思うように歩けない分、図書館に来て本の森を歩いてみませんか。
思わぬ楽しい出会いがあなたを待っているかもしれません。

 4月21日(日)、岐阜市立中央図書館の展示グローブに、新しい本棚が登場しました!
当日は柴橋市長や子ども司書たちによる本棚のお披露目会が行われました。
本棚の全貌は当日まで白い布に包まれてヒミツ。どんな本棚なんだろう?とカウントダウンに期待が膨らみます。
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 お披露目会が始まり、柴橋市長、吉成館長と子ども司書たちによって除幕され本棚が現れると、そこに広がっていた世界に、お披露目を待っていた方々から「わぁ~!」と歓声が上がりました。
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 共読は誰かと分かち合う楽しい読書の合言葉。自分一人でじっくり楽しむのもいいけれど、語り合い、シェアすることで新しいワクワクが見えてくる、そんな想いでこの本棚はできました。 外側は『社会とつながる窓』のような役割を果たす、「みんなでシェアする共読本棚」になっています。今までイベントなどでこの図書館を訪れてくださった、つながりのある作家さんたちの本を置いてあるコーナー、柴橋市長や早川教育長がYA世代におすすめしたいコーナー、そして、子ども司書たちが選んだ"私の大切な一冊"。
面によってそれぞれ違う世界が広がっていて、どの面を見ても『みんな』が持ち寄った1冊が、ワクワクする世界を届けてくれます。

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 黒板に思いを描いて誰かと共有することもできます。
子ども達も、自分にとっての大切な一冊や自分の将来の夢などを
自由に描きました。
   





そしてこの本棚、中に入ることができるのです。

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『ようこそ内的(インナー)宇宙(スペース)へ』の言葉の通り、
靴を脱いで一歩中に入るとそこは別世界。
カンチョーの『内的宇宙』が広がっています。
中ではだれにも邪魔されたくない、
こっそり読みたい1冊を自分だけの世界に浸りながらじっくり楽しめます。





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 中には黒板やヒミツの引き出しなど、仕掛けがたくさん。
何が出てくるかな?
子ども司書たちも、「ここ、1日こもっていられそう!」と楽しそうでした。







 お披露目会では、柴橋市長も子どもたちも、自分たちが選んだ本を紹介しあいました。 市長からは高校生の時に一番心に響いた1冊や、30代になって、政治家として一番苦しかった時代に読んだ1冊など、今の中高生に薦めたい本について語ってくださいました。読書は生きる糧、迷った時の道しるべになってくれるもの。この本棚に並んだたくさんの本を共有し、種をまいていってほしいとの言葉に子ども達も聞き入っていました。また、子ども司書たちも3名の中学生が自分の大切な1冊を紹介。自分の言葉で思いを語りました。

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お披露目会が終わってからも市長と子どもたちは会話を楽しみ、終始やわらかい雰囲気でした。

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 そしてこの本棚にはまだまだ秘密が・・・!
この本棚、なんと3つに分かれ、さらにその一部分を取り外して持ち運ぶことができるモバイル型の本棚なのです。
これからは取り外した本棚を中学校に持って行ってワークショップをしたり、天気のいい日には外に持って行って野外読書会をしたり、なんていう夢も広がります。
 秘密基地のようなワクワクするこの本棚を通じて、多くの人が言葉を交わし、本を通じたたくさんのつながりが生まれていけばいいなと思います。

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【共読本棚の愛称募集中!】
 現在、この「どこにもない本棚」の愛称を募集しています。詳しくはこちらまで。

 数日前から、展示グローブに出現した"あるもの"にお気づきでしょうか?
岐阜市立中央図書館に『共読本棚』という新しい本棚ができました。
『共読』ってなんだろう?どんな本棚なのかな?
今までの本棚とはまるで違う、秘密基地のようなワクワクがいっぱい詰まった本棚になる予定です。

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柴橋市長や子ども司書によるこの本棚のお披露目会を4月21日に行います。
ぜひお気軽に、のぞきに来てください。 お楽しみに!!

【共読本棚お披露目会】
日時:4月21日(日) 午後1時~
場所:展示グローブ

 3月16日(土) メディアコスモス1階みんなのホールで、 平成31年度図書館ボランティアに応募いただいた新規ボランティアの
説明会と、今図書館で活動いただいているボランティアの研修会を行いました。

 午前の説明会ではこれからボランティアとして図書館に関わる皆さんに、まず「岐阜市立図書館」を知ってもらいたいと、
模造紙を使って手作りした「よく分かる岐阜市立図書館」でこの図書館がどんなところか解説しました。
さらに「もしも私が図書館長だったら」と題して自身の野望を語り合い、ほどよくボランティア同士の交流を行いました。

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 午後は平成30年度ボランティア活動の報告とおたのしみ講演会です。
中央、分館、5つの図書室のそれぞれの活動を写真とコメントで報告しました。
手作りの人形劇のセットや季節ごとの飾りなど、それぞれの活動が一目でわかるグッズの展示も行いました。
中には図書室で活動する人がもっと欲しいという報告があり、それに対して「活動しても良いよ」という声を頂きました。
職員・ボランティアともに活動を振り返り、より活発に活動できるようしていきたいなと改めて思いました。

 今回の"おたのしみ講演会"はギフノート編集室の高野直子氏に、「本を編集する」ことについてお話しいただきました。
気安い語り口で始まった聞き手の図書館職員とのトークはあっという間に1時間が過ぎます。
「私の好きなお店しか載せていません」と、楽しそうにページをめくり、「実際に持って歩いて岐阜の街を見てほしいのでノートサイズにしました」など、高野さんの「岐阜が好き!」という気持ちがいっぱい伝わってきました。

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高野さんが編集した「ギフノート」「柳ヶ瀬Book」「EditGIFU」の3冊は、図書館で閲覧することができます。

 3月16日、トークライブ『公共空間はどう変わる?~本と本屋と図書館の逆襲~』が開催されました。
 ジャーナリスト・作家として公共図書館や地方自治などを取材する猪谷千香さん、ビールなどお酒が飲める本屋B&Bを経営されている内沼晋太郎さん、そして先鋭的な図書館を運営する図書館長の代表として県立長野図書館長を務める平賀研也さんをゲストに、多様な人が集うこれからの公共空間をどうつくっていくのか、その可能性と未来を探ります。
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 前半はゲストの3名と岐阜市立図書館からそれぞれの取り組みについて報告です。 猪谷さんは様々な図書館を訪れてきた経験から、図書館だから、出会うはずがなかった人と人が出会って化学反応を起こすことがある、本を読み、モノを調べるだけの機能ではない図書館の可能性についてお話しくださいました。 また、ニューヨークの図書館やブックカフェを訪れた際にコーヒーを飲みながらおしゃべりを楽しみくつろぐ様子に衝撃を受けたこと、日本の図書館には「やってはいけないことが多すぎるのでは」という危機感についても言及されました。

 内沼さんは、書店の経営やプロデュースをする傍ら、韓国や東南アジアの国々の書店や図書館を見てこられた経験から、出版業界の未来について語ってくださいました。出版をするということは、その国の言語人口に関わってくるので、日本のように小さな国でそこに住む人にむけての出版となると大きな困難が伴い、その結果業界が衰退していってしまう現状があるのだそうです。東南アジアの小さな国々の、われわれよりも先にその苦しい部分を体験している中での取り組みや彼らのアイディアから学ぶことはとても重要だとお話しくださいました。

 平賀さんは、図書館がサービスを市民に一方的に提供するのではなく、一緒につくっていく仕組み作りの大切さについて、経験に基づいて語ってくださいました。情報が世の中にあふれ、スマホやパソコンを使えば大抵の情報は手に入れることができます。でも、リアルでローカルな関係性がなければ『モノ』を作り出すことはできない。そしてそれができるのが人の集う『公共空間』なのだと力強く語られました。だからこそ、「図書館てなんだ!?」を再定義するときが来ている、図書館は自分たちが考えたことが実現できる、可能性のある場所なんだという言葉が印象的でした。

 岐阜市立図書館からは、岐阜市立図書館が掲げる「子どもの声は未来の声」という言葉について。図書館には「いろんな人が来るおもしろさ」があります。そのため、「迷惑のライン」を図書館と利用者で一緒に考えていこうと取り組んできたことなどについて館長から報告しました。

 後半は4名がざっくばらんに語り合うクロストークです。
 内沼さんによれば、「書店」というのは場所のこと、一方「本屋」は人、そこで仕事をしている人、本に関わることをしている人、本のおもしろさを伝える人、のこと。これはボランティアで読み聞かせをする人や図書館で本と人とをつなぐ司書も含まれます。『書店』というビジネスの土壌ではひとりの人のために何かをする、ということが難しいけれども、『本屋』ならそれができるかもしれません。
 読者のための図書館から、表現者のための図書館へ、という言葉もありました。ただ本を借りて読んだり、調べ物をしたりするだけでなく、そこで得たものを生かして自分の言葉で表現することを生み出す場に図書館はなっていける、と熱く語られるゲストのかたがたの言葉に参加者も大きくうなずいておられました。

 また、多くの図書館で導入されている、読書通帳について。図書館の評価は、来館者数や貸出冊数に左右されがちです。来館者数や貸出冊数がおおければ、それは「いい図書館」なのでしょうか。本をたくさん読む人が「偉い」のでしょうか。たくさん読みたい人は読めばいいし、それはすごいことではあるけれど、そろそろ功利主義的な評価とは異なる価値的な評価軸で見ていかなければいけない、子どもの「読みたい」という意欲を掻き立てる方法はほかにもあるのではないか、と議論が交わされました。

 トークライブが終わっても多くの図書館関係者や書店関係者、たくさんの参加者が残ってお茶やお菓子を楽しみながら話に花が咲きました。『図書館』という場所についての新たな価値観が示され、未来を感じる一日となりました。

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岐阜市立中央図書館では、日々この図書館に来てくださるひとりひとりの利用者のみなさんに、本を通じて言葉や想いを交わす居心地のいい居場所、そんな場所にこの図書館がなりたい。その願いをかなえる道具のひとつとして、今回「みんなとつながるバッグ」を作りました。
※バッグ作りへの思いや制作については、こちらの記事をご覧ください。

完成したバッグを、中央図書館2Fのレファレンスカウンターにて、3月21日(木・祝)から1個千円で販売いたします。(限定500個)
みんなのバッグ、ぜひ手に取って見てください。
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 昨年度から新しく始まったイベント「作家と語ろうin岐阜」。

 普段なかなか岐阜でお会いできない作家を招いて、本のこと、本棚のこと、作家になるにあたって影響を受けたものなどを話していただくイベントです。今回は大学在学中に『日蝕』で芥川賞を受賞し、最新作『ある男』が読売文学賞を受賞したほか、現在本屋大賞にもノミネートされている小説家平野啓一郎さんをお招きして、「わたしのライブラリー-綴る・読む・集める-」と題して、吉成館長が聞き手となって、お話いただきました。

 最初に子どもの頃の読書について、吉成館長から平野さんに尋ねました。
平野さんは愛知県で生まれ、幼い時に父親を亡くされた後、母親の実家がある北九州市に移り、そこで高校時代まで過ごされました。どちらかというと本を読むのが嫌いだった少年時代でしたが、小学6年生くらいから学級文庫のベーブルースやエジソンなどのアメリカの偉人の伝記や図鑑、江戸川乱歩の「少年探偵シリーズ」などを読み始めます。この「アメリカの偉人の伝記」というキーワードに平野さんと吉成館長の間で通じるものがあり、会場も盛り上がりました。

 本を読むのは嫌いだったけど、作文は得意だった平野さん。作文を書くのに話を「盛る」こともあり、それで一大事になりかけたエピソードも披露してくれるなど、吉成館長の質問をきっかけに子どもの頃の平野さんが徐々に明らかになるにつれ、会場も沸きました。ちなみに、母親が資格取得の勉強のために図書館に通っていて、その間に図書館の本を読んでいたのが、少年時代の平野さんと図書館との繋がりだったそうです。
 「小さい頃になりたかったものは?」という吉成館長の質問に対し、平野さんは小学1年生の頃はプロレスラーに憧れ、その後は野球やサッカーに興味を持ち、そして中学時代にはバンドを組んだので、ミュージシャンになりたいと思っていたそうです。また、三島由紀夫との出会いについて話が及ぶと、学校の先生が三島由紀夫を紹介したことがきっかけで、三島由紀夫の作品を読み始めていきます。ちょうどその頃は通学に1時間を要し、読む時間には困っていなかったとのこと。三島由紀夫の『金閣寺』は寝食を忘れて読み耽った1冊で、その後エッセーなどで紹介する三島由紀夫が好きな作家の本も読み進めていきます。岩波文庫の本を読む際に巻末の紹介本を消していくのが楽しかった、という平野さん。このあたりで、現在の平野さんを構成する要素が徐々に加わっていきます。
  小説家を目指すようになったきっかけについて吉成館長が質問すると、平野さんは中学生になって日記用ノートを買い、いろいろ書き留める日々の中で、部活帰りで遅くなったある日、駅でレールを眺めていた時に月明かりが照らされていた光景を書き留めたこと、17歳の頃には書きたい衝動にかられて70~80枚の小説を書き、お姉さんと国語の先生、友人に見せたことなどを明かしてくれました。その後、周りが大学の受験勉強を始め、それに合わせるように受験勉強を始めた平野さん。京都大学法学部に進学した平野さんは、北九州では目にしなかった本を大学時代に目にすることで、小説家になりたい気持ちが芽生え始めます。当時の世相を交えながら吉成館長がその頃の平野さんについてうかがうと、インターネットが今ほど普及しておらず、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などが起き、世間では世紀末思想や神秘主義なども流行っていました。大学生活そのものは楽しかったものの、どこかモヤモヤする気持ちもあり、そうした気持ちを解消する術がなかったそうです。
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 「自分が何をしたいのか、何をしていったらよいのか」という、今の若者が抱く悩みや気持ちに共感すると言う平野さん。
SNSが当たり前にある現在、周囲とさまざまな方法でコミュニケーションを行い、その力を求められながら、「自分らしく生きなさい、個性を伸ばしなさい」と言われる昨今、「どの自分が本当の自分なのか」が曖昧であることを忌避する風潮があります。それに対し自分を相対化し、どの自分も本当の自分であるということを受け入れても良いのではないか、また職業選択の際に「1つに決めることが求められる職業で、自分が何をしたいのか?」という重い課題が10代・20代の若者に課せられる状況、などを踏まえ、2009年に『ドーン』を描くあたりから平野さんは「分人主義」という概念を主張されるようになりました。90年代頃から見られ始めた「自分探し」のような風潮、図書館における多様性と絡めながら、吉成館長もこの考え方に同調しました。

 本棚の話にも及ぶと、現在の平野さんの本棚には膨大な本があり、しかも毎日たくさんの本が送られてくるため、所持する本の冊数はわからないそうです。仕事部屋のほかに3か所ほど倉庫を借りているほか、ご実家にも保管しており、さらにもう1ヶ所部屋を借りているそうです。本の整理が追い付かず、部屋の中でボーっとしている時に空いているスペースを見つけて本を置いてみることもするとか。膨大な本の中から探すのが難しいので、ついamazonで買ってしまうらしいです。

 その後の参加者との質問の時間では、IT化が日本より進んでいる隣国中国の杭州図書館への出張で体感してきたことを踏まえて吉成館長が触れた電子書籍の是非や、田舎と東京で住んでいる時では大人からいろいろなきっかけを与えられることに違いがあるのか、作品を生み出すエネルギーの源は何か、小説を書くことをやめたいと思ったことはないか、など参加者からの幅広い質問に答えてくれた平野さん。

  自身の今後の予定なども話してくださり、最後に図書館で所蔵している本で、平野さんがお薦めする本を紹介いただきました。1冊目は三島由紀夫『仮面の告白』。初版本を完全復刻したもので、古い文体のままの本です。もう1冊は遠藤正敬『戸籍と無戸籍』。最新作『ある男』を描くときに参考にされた本です。貸出可能なので、気になる方は是非手に取ってみてください。
 参加された方々は20~80代と非常に幅広く、あらゆる世代に平野さんの作品が支持されていることがうかがえたイベントでした。質問された方も平野さんより若い方が多かったにもかかわらず、そうした若い方の感性に響くような回答をし、他の参加者からもそのやりとりに好感を抱いたというアンケート結果が印象的でした。  本屋大賞の発表も含め、今後の平野さんの動向に図書館も注目していきます!

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 2月27日(水) メディアコスモス1階みんなのホールで、平成31年度図書館ボランティアに応募いただいた新規ボランティアの説明会と、今図書館で活動いただいているボランティアの研修会を行いました。

 3月16日にも同じ説明会と研修会があってネタバレになってしまうので、詳しい内容はまた今度UPしますね。

 今回だけの内容は研修会の後半、14:15からのおたのしみ講演会です。 ボランティア研修の一部ですが、せっかくなので「たくさんの方に見てもらいたい!」と思い 「図書館で本の話を聞きませんか?」と、ボランティア以外の方にも公開しました。

 今回は図書用品と製本のタナカの田中稔氏から、「本」について「ボランティア」について、自由にお話しいただきました。

 物を作る人は日常で物を見る時、私たちとは見るところが違いますね。
「製本屋のオッサンたちは時刻表を開いて背の糊付け具合に0.5ミリのズレがあるのは分かるけど、中身は老眼でよく見えてない!」とユーモアたっぷりに語ってくださいました。

 ボランティアと図書館が守っていく最も大切な存在は「子ども」。
子どもを図書館に連れて行く習慣が、大人になった子どもが、さらに自分の子どもを連れてくるという繰り返しで図書館も街もにぎやかになっていくなど、ご自身のお子さんの図書館デビューにはりきった親バカエピソードも交え、図書館の未来をお話してくださって本の中身だけではなく、外身も気になってくる賑やかなお話が聞けました。

 製本とボランティアの話は2月27日だけですが、
3月16日(土) 14:15から、「EditGIFU」という岐阜の本を作ったギフノート編集室の高野直子氏をお招きして、情報を編集し、本を作る過程や裏話などをお聞きします。

事前予約不要、当日参加OK、無料ですのでぜひ興味のある方は、ぎふメディアコスモス みんなのホールへお越しください。

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