ブログ - 2021年度ブログ一覧

小説家・大島真寿美さんのトークイベントを開催しました!

ブログ2021/04/06

 2021年3月27日(土)に作家と語ろう?岐阜を開催しました。今回は、「物語を紡ぎ続けること」と題して、愛知県名古屋市出身の大島真寿美さんをお迎えしました。  今回のイベントは参加者のみなさんだけでなく、図書館に来館されたみなさまからも質問を事前に募集しました。ご協力いただいたみなさまありがとうございました。

 2019年に『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』で直木賞を受賞されたことは記憶に新しいと思います。この本は文楽の作者、近松半二を主人公にした小説です。 書くきっかけは、大島さんの歌舞伎好きを知る担当編集者さんが、好きなら書いてみたらいかがですか?と言ったこと。「好きと書けるは違いますから...。もともと書く気がなかった」そうです。でも、「その担当者さんが私の知らないところでみんなに、大島さんの次回作、歌舞伎がテーマらしいですよともう言ってしまってて...」書くしかなくなったそうです。そんな秘話があったとは!その敏腕(?)担当編集者さんがいなければ生まれなかった作品ですね。実は、構想中は「妹背山団子」と呼ばれていたそうですよ。妹背山婦女庭訓を題材にした短編を重ねた作品になる予定だったんです。 でも、この話、歌舞伎ではなく文楽のお話です。歌舞伎の演目として見ていた「妹背山婦女庭訓」、 元は文楽作品です。作品を知るために見た文楽で、ずぼっと沼にはまったそうです。そしてこれなら「書ける!」と思った大島さんは連載に取り組むことになるのです。
 
 大島さんは「書ける」と思って1行目を書き始めたら、一文一文を重ねていって最後の一文に向かって書き進めると言います。この物語がどのように進んでいくのか読みたくて書いているとおっしゃいます。物語が進めなくなったときは、積み重ねた文章のどこかが誤っているのだそうです。そして、最後の一文を書くと、その世界は終わりになるそうで、自分の作品のキャラクターになれるとしたら誰になりたいかとの質問もよくあるそうですが、「私、作品を書いたらもう忘れるというか干渉しないので...」とのこと。 そんな大島さんですが、『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』の世界はまだ終わりになっていない、まだ江戸時代から帰ってきていないとのこと。次回作は続編が今年の夏に刊行されるそうです。今からとっても楽しみです。

 この他にも小説家になるまでのこと、本屋大賞3位になった『ピエタ』やその他の作品のこと、本の装丁のことなどたくさんお話くださいました。大島さんの明るく優しい雰囲気に包まれたイベントとなり、2時間があっという間でもっと聞いていたいと思いました。岐阜市立中央図書館を気に入ってくださった大島さん、「また来ます」と言葉を残してくださいました。 大島さん、またのご来館をお待ちしております!

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岐阜の聖地巡礼しませんか?

ブログ2021/04/28

 岐阜市立図書館では、4月28日よりフロア中央の展示グローブにて『岐阜の作家がすごい!』と題したテーマ展示を開催しています。

朝井リョウさん、中山七里さんなどの有名どころから、入間人間さん、白鳥士郎さんなどティーンズに人気な作家と、県の大きさに比例して幅広いジャンルで活躍している岐阜県出身の作家たちを取り上げています。

そして、岐阜市を舞台にした漫画『僕らはみんな河合荘』(宮川るり/著)の聖地を司書が歩いて巡ってきたフォトレポートでは、インスタ映えする素敵なスポットがいっぱい!ぜひ、ぎふメディアコスモス2階の中央図書館に見に来てくださいね。

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岐阜のいきものを知っていますか?

ブログ2021/04/30

 岐阜市立中央図書館では、4月28日よりフロア中央の展示グローブにて『岐阜でみつけた絶滅危惧種の生きものたち』と題したテーマ展示を開催しています。

岐阜と言えば名前に「岐阜」を冠した「ギフチョウ」がすぐ思い浮かびますが、実は絶滅の恐れのある野生生物を示すレッドリストに入っているのをご存知でしたか?

この展示ではギフチョウの他にライチョウ、オオサンショウウオ、ウシモツゴなど、岐阜に生息しているけれども絶滅が危ぶまれている生きものたちを紹介しています。岐阜に住んでいるけれども、知らなかった生きものたちのことを、ぜひこの機会に注目してみてくださいね。

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シビックプライドライブラリーに新着図書が入りました!

ブログ2021/05/18

新しくシビックプライドライブラリーに入った本たちをご紹介します。
[1970年代からの日本をたどる]には、コロナ禍前後で「これまで」と「これから」で見方がどのように変わったのかを、暮らしや体験を通して綴られた本を中心に選書しました。
[岐阜で生きることの意味]には、近年再注目されている『ローカル』をテーマにしたフリーペーパー、独自の視点で日常を見直すテーマを扱ったZINE(自主制作雑誌)などを入れました。

いまこの状況だからこそ、様々な視点を積極的に取り入れて「なにができるか」を考える足がかりにしていただけたら、と思います。

※シビックプライドライブラリーについては、コチラの記事もご覧ください。
 シビックプライドについては、シビックプライドプレイスのホームページも合わせてご覧ください。

【シビックプライドライブラリー 新着図書リスト】

書名 著者名/ほか 出版社 棚の場所
1 情報の歴史21 松岡正剛/監修 編集工学研究所 青02歴史的現在を知るために
2 7袋のポテトチップス 食べるを語る、胃袋の戦後史 湯澤規子/著 晶文社 青03 1970年代からの日本をたどる
3 千夜千冊エディション サブカルズ 松岡正剛/著 KADOKAWA 青04若者たちのカウンターカルチャー
4 震災復興の地域社会学 大熊町の10年 吉原直樹/著 白水社 青08 3.11後の世界観
5 歌集 前線 犬養 楓/著 書肆侃侃房 青09 3.11後の世界観
6 ひび割れた日常 人類学・文学・美学から考える 奥野克巳、吉村萬壱、伊藤亜紗/著 亜紀書房 青09 3.11後の世界観
7 テロと産廃 御嵩町騒動の顛末とその波紋 杉本裕明/著 花伝社 青09大量生産・大量消費がもたらしたもの
8 新プロパガンダ論 辻田真佐憲、西田亮介/著 ゲンロン 青10 3.11後の世界観
9 花屋的映画の見方 puhara/著・選 Penguin Boots/絵 ZINE 橙20岐阜で生きることの意味
10 metromin. LOCALRHYTHM No.218 特集:日本ワインの現在地 スターツ出版 橙21岐阜で生きることの意味
11 metromin. LOCALRHYTHM No.219 特集:リトルプレスで旅するローカル スターツ出版 橙21岐阜で生きることの意味
12 metromin. LOCALRHYTHM No.220 特集:ステイケーション スターツ出版 橙21岐阜で生きることの意味
13 metromin. LOCALRHYTHM No.221 特集:未来のためのオーガニック スターツ出版 橙21岐阜で生きることの意味
14 d design travel 28 岡山 D&DEPARTMENT PROJECT 緑21岐阜で生きることの意味
15 d design travel 29 茨城 D&DEPARTMENT PROJECT 緑21岐阜で生きることの意味
16 愛国心と愛郷心 新しい農本主義の可能性 宇根 豊/著 農文協 緑21岐阜で生きることの意味
17 蓑虫放浪 望月昭秀/文  田附 勝/写真 国書刊行会 緑21岐阜で生きることの意味
18 料理旅からただいま ふるさとからのお土産レシピ minokamo/著 風土社 緑21岐阜で生きることの意味
19 岐阜人 1992年8月号 特集:岐阜の在住外国人 編集考房 緑21岐阜で生きることの意味
20 岐阜人 1992年9月号 特集:岐阜市の将来性はなぜ最下位なのか 編集考房 緑21岐阜で生きることの意味
21 岐阜人 1993年2月号 特集:岐阜弁白書 編集考房 緑21岐阜で生きることの意味
22 岐阜人 1993年3月号 特集:逆境の文人 小木曽旭晃 編集考房 緑21岐阜で生きることの意味
23 岐阜人 1993年4月号 特集:岐阜のノスタルジア25選 編集考房 緑21岐阜で生きることの意味
24 岐阜人 1993年12月号 特集:ぎふ祭時記 編集考房 緑21岐阜で生きることの意味
25 岐阜人 1996年2月号 特集:平成の岐阜職人群像 編集考房 緑21岐阜で生きることの意味
26 岐阜人 1996年6月号 特集:コボたちへのメッセージ 岸武雄の「心」。 編集考房 緑21岐阜で生きることの意味
27 好きに食べたい 服部みれい/著 毎日新聞社 緑25自分らしく暮らす
28 縄文ZINE 1 特集:芹澤銈介さんの縄文コレクション ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
29 縄文ZINE 2 特集:土器は燃えているか ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
30 縄文ZINE 3 特集:貝塚はアルカリ性の夢 ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
31 縄文ZINE 4 特集:アイヌに会いに ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
32 縄文ZINE 5 特集:ポシェットの中の物語 ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
33 縄文ZINE 6 特集:1951年の岡本太郎 ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
34 縄文ZINE 7 特集:星糞のディスタンス ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
35 縄文ZINE 8 特集:恋する縄文 ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
36 縄文ZINE 9 特集:勝坂46 ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
37 縄文ZINE 10 特集:わけのわからないものばかりの縄文時代で、とびきりわけのわからないもの。 ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
38 縄文ZINE 11 特集:土器はセクシーを目指す。 ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
39 縄文ZINE 12 特集:縄文のテーマカラー ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
40 縄文ZINE 土 No1?4の合本 ニルソンデザイン 橙29なつかしい未来
41 BIOCITY 84 特集:富士山から持続可能な未来へ ブックエンド 橙30セルフビルド
42 BIOCITY 85 特集:福島の記憶・記録 ブックエンド 橙30セルフビルド

【展示紹介】色の世界

ブログ2021/06/11

図書館はただいま臨時休館中ですが、5月末には展示の入れ替えを行いました。せっかく作った展示を休館中で見ていただけないのはもったいない!ということで、開館に先駆けてブログで展示を紹介します。
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ステンドグラスのような装飾が施されたタイトルが印象的!
街を歩いていてふと目を惹かれる建物や風景。ファッションやインテリア。私たちの日常はさまざまな『色』であふれています。
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使い方次第で様々な効果を発揮する色。
洋服を選ぶ時や料理の盛り付けなど、それぞれの色の持つ特性を生かすことで私たちの生活はちょっとだけ今より豊かになるかもしれない。そんなすてきな『色の使い方、活かし方』のヒントがたくさんつまった展示です。
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日本の色文化の変遷や、古代から現代まで、ひとびとがどのように「色」をとらえてきたかがわかる色の歴史も興味深い!
美しい色の世界にあなたも魅了されるはず。ぜひご注目ください。
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【展示している本はこちらからリストをご覧いただけます。予約もできますのでぜひご利用ください。】


開館6周年記念 メディコス市が開催されます!

ブログ2021/07/03

 岐阜市立図書館がぎふメディアコスモスに開館して、まもなく6年になります。 屋根のついたみんなの広場「みんなの森ぎふメディアコスモス」。メディコス前のカオカオ広場は5月に新庁舎が開庁してから新たな人の流れが生まれ、たくさんの人が集い、くつろげる空間となっています。 このカオカオ広場を中心にメディコス全体で7月17日、18日の土日に楽しいイベントを開催します。キッチンカーの出店やジャズバンドの演奏などで盛りだくさんな2日間のうち、図書館のイベントが多く行われる17日についてご紹介いたします!

① 作家と語ろうin岐阜 ことばのちから -歌人・穂村弘さんが紡ぐ世界-
  短歌という限られた字数で創作を続ける傍ら、エッセイや対談集、絵本や翻訳など多彩な執筆活動を行っている歌人の穂村弘さん。常にさまざまな『ことば』と向き合う穂村さんに、ご自身の創作やこれからの「ことば」について、お話しをお聞きします。
展示グローブでは関連展示を実施中!穂村さんへの質問も受け付けています。

場所:みんなのホール
時間:14:00~16:00
定員:Zoom観覧400名 申込み:6月26日(土)~先着順で受付中。 会場観覧はすでに満席となっております。
詳細はこちらをご覧ください。

② わんこカートのおはなし会
  吉成プロデューサーと図書館司書による、楽しい絵本の読み聞かせを全2回開催!
わんこと一緒に親子で楽しい時間を過ごしませんか? 先着順で各回親子10組限定での募集となります。

場所:かんがえるスタジオ
時間:①10:30~10:50/②11:30~11:50 【全2回開催】
申し込み:6月28日(月)~先着順で受付中 。電話または図書館児童とレファレンス窓口までお問い合わせください。

③ なぞ解きラリー@図書館 「まいごの仔犬を探して!」
 中央図書館を舞台に、隠された謎を解いて仔犬を見つけよう。ゴールできた人にはメディコスグッズのプレゼントもあります♪
 時間:10:00~15:00(最終受付は14:30)  受付:ぎふメディアコスモス1階 「ぶっくらぼ」
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④ まちライブラリー@メディコス
  あなたのおすすめ本をメディコスに置きませんか?
まちライブラリー@メディコスに置く本を大募集!あなたの大事な1冊が、あなたと誰かをつないでくれます。
本には1冊ずつメッセージカードを書いてもらいます。本が傷んだり、紛失した場合の保障はできません。

 ひとりで来ても、誰かと来てもゆるっと楽しめる、手作りの楽しいマルシェです。木陰で本を読んだり、ジャズの演奏を聴いたり、親子で謎解きに挑戦したり。それぞれの楽しみ方で、ぎふメディアコスモスと図書館の6周年を楽しんでいただければ嬉しいです。


7月のYAブログ

ブログ2021/07/08

7月のYAブログ

7月になりました。
本格的な夏の到来です。
自粛ムードで夏休みもいまいち楽しみが少なく感じるかも...。
というわけで、今月は、ちょっとでもみなさんが楽しいを見つけられるヒントになるような投稿を目指しました。


開館6周年記念イベントを開催しました

ブログ2021/07/25

 7月17日(土)、ぎふメディアコスモス開館6周年を記念したイベント「みんなの森のマルシェ in メディコス」にて、図書館のイベントを開催しました。

当日の模様をレポートします♪

 長かった梅雨が明けた真夏日。じりじりと太陽が照り付けるなか家族連れやお友達同士、カップルなど朝からたくさんの方がメディアコスモスに足を運んでくださいました。新庁舎とメディコスの前の広場にはワークショップのテントやキッチンカー。パラソルの下でクラフトビールを飲み談笑する人。おはなし会やなぞ解きラリーを楽しむ親子。それぞれのやり方で、その『場』を楽しむ姿がそこにはありました。

〇わんこカートのおはなし会
 吉成プロデューサーと司書による久しぶりの開催となったおはなし会には、2回20組の親子が参加してくれました。
最初は少し緊張している様子でしたが、演目が進むにつれ、寝転んだりする子も出てくるなど、リラックスして聴いてくれたようです。大人も子どもも一緒になって体を揺らしながら「だるまさんシリーズ」(かがくいひろし/さく ブロンズ新社)などの大型絵本や紙芝居を楽しむことができ、一体感のあるおはなし会となりました。
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〇<作家と語ろうin岐阜> ことばのちから -歌人・穂村弘さんが紡ぐ世界-   
 歌人の穂村弘さんを招いた講演会。新型コロナウイルス感染防止のために一度中止になったこのイベント、『やっと来れました』という穂村さんの言葉が印象的でした。短歌や俳句というと少し難しいもののように感じてしまうかもしれません。でも穂村さんの言葉はとてもフランクで講演中は何度も笑いが起こりました。老若男女問わずみんなで言葉のおもしろさを楽しむ時間となりました。講演については詳細なレポートが後日ありますのでお楽しみに。
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〇なぞ解きラリー@図書館 「まいごの仔犬を探して!」  
 
図書館のわんこカート『きらら』の迷子になった子どもを探すなぞ解きラリー。家族連れなど117人に参加していただけました。チェックポイントが書かれた地図を片手に図書館内を歩き回り、最後のチェックポイントでわんこをみつけた子どもからは「みつけた!」と歓声が上がりました。普段図書館を利用されない方も楽しめたイベントになったのではないでしょうか。

 これ以外にもワークショップで工作を親子で楽しむ姿やドキドキテラスで行われた書のワークショップなど、それぞれの訪れた目的や楽しみ方はちがってもみんなが「ここにいること」を楽しんでいる。そんな感じがしてうれしくなりました。6周年の記念すべき一日を共に過ごしてくださり、ありがとうございました。



穂村弘さんの講演会を開催しました!

ブログ2021/07/28

 2021年7月17日(土)に、作家と語ろうin岐阜を開催しました。
 今回は「ことばのちから」と題し、歌人の穂村弘さんをお招きして、質問コーナーも含め2時間じっくりお話しいただきました。 実は2020年3月にお呼びする予定でしたが、新型コロナウイルスの蔓延で中止になってしまった講演会でした。1年以上空いてしまいましたが、今回無事にお招きしてお話を伺うことができ、本当に嬉しく思っています。

 講演前には中央図書館も見学され、展示グローブで行っている穂村さんの作品の展示も見ていただきました。ずっと来てみたかった図書館なので去年の中止が残念だったとおっしゃっていて、興味深く館内を回られていました。中でも、金華山テラスから見える岐阜城の風景が気に入っていただけたようです。
 講演会は、穂村さんご自身が作られた資料を元にお話が進みました。 結婚相手のことを何と呼ぶか、自分のことを「小生」と呼ぶ人へのイメージ、「がんばってネ」の「ネ」がカタカナだったために振られてしまった男性...などなど、分かる分かる、とうなずいたり、つい笑みがこぼれてしまったりと、お話しを聞きながら終始和やかな雰囲気に包まれていました。
 穂村さんの選んだ「コロナ関連の歌」と「家族の歌」の短歌を紹介しつつ、その歌の解説や関連するお話し、「家族の歌」の際には穂村さんのご家族の話も多く、あっという間に1時間半の講演が終了しました。 その後の質問コーナーでは、事前に募集した穂村さんへの質問に答えていただきました。「穂村さんは手がキレイだと伺いました。自分ではどう思いますか?」という質問には、実は手と足が小さいことがコンプレックスなので褒められたときは嬉しかった、というお答え、「お庭に遊びにきてくれる猫さんのお名前をお聞きしたいです。」という質問は、じろちゃん・ちゅうちゃん・もでちゃん、というお答えでした。地域猫が5年通っていますが、全くなついてくれないそうです。 質問に回答していただいている中で、メディアコスモスに泊まれたらいいのに、というお話が出ました。終了後のアンケートにも、希望する声がいくつもありましたので、いつか実現するかもしれません!?
 
 穂村さんの柔らかな語り口で話される言葉の世界は、今まで見ていた側面とは違う部分があらわれるようで、よく知っているはずなのに新しい言葉を知ったような新鮮な気持ちになった2時間でした。 「とても楽しかった」とおっしゃってくださった穂村さん。また来ていただけることを、楽しみにしています。

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【展示紹介】FC岐阜を応援しよう!

ブログ2021/08/01

中央図書館の展示グローブにて、FC岐阜を応援する展示が今年も始まりました!
今年の目玉はカッコいいユニフォーム! 夏季限定のユニフォーム(写真右)には、岐阜城と鵜飼の写真がプリントされていて岐阜感が満載です。
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全国にたくさんあるJリーグチームの紹介と、FC岐阜の試合結果も一覧になっているので、これを見れば詳しくなること間違いなし。
ちびっこにもオススメのユニフォームクイズもあります。ぜひチャレンジしてみてください。
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実際に応援にも行きました。川西選手がゴールをきめる姿を見ることができましたよ!
はやりのスタジアムグルメ(通称スタグル)も満喫。美味しかったな~。
そして、メディコスからFC岐阜のホームグラウンドである「長良川競技場」へのおすすめウオーキングコースも紹介!
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実際にみんなで歩いてみました。長良橋を通って行くと、景色が良くて見るところがたくさん。とても楽しかったです。
おすすめのカフェもありますよ。ぜひ家族や、友達と一緒に歩いてみてください。
ただし・・暑すぎる日にはオススメできません・・・。

今年のFC岐阜は強い!ますます勢いをつけてがんばってください! J2昇格にはみなさんの応援が不可欠!これからも一丸となってFC岐阜を応援しましょう!


図書館ボランティア 活動中!

ブログ2021/08/08

 現在図書館では、書架整理、資料修理などを中心に、ボランティア活動を行っています。

 新型コロナウィルス感染症対策として、一時間という活動制限がありますが、多くの方が活動してくださっています。 久しぶりに活動される方の中には、活動する日を楽しみに待っていた方も多くいらっしゃいます。

 7月には、ボランティア活動を新しく始められる方と基礎研修を行いました。 昨年同様、少人数グループでの研修となりました。 以前から図書館を利用されている方が多く、熱心に研修を受けてくださいました。 みなさん熱意がいっぱいで、研修後には多くの方がボランティア活動に参加していくださっています。

活動時間に制限がありご不便をおかけしますが、共にボランティア活動を盛り上げていきましょう!
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子ども司書養成講座を開催しました!

ブログ2021/08/13

 8月2日(月)、8月4日(水)の2日間、第7期子ども司書養成講座を開催しました。『子ども司書養成講座』とは、子どもたちが図書館で働く人の仕事について学びながら、本を読んで生まれた気持ちや思いを友達や家族に伝えられる、『本と人とを結ぶリーダー』になることを目的としてはじまりました。これまでに110名の子ども司書が誕生し、学校で、家庭で、そして図書館で活動しています。昨年に続きコロナ禍の影響で例年4日間の講座を半分の2日間にぎゅっと凝縮し、定員も密にならないために小学4年生から6年生までの10人での実施です。10人の定員に52人の応募があり、抽選で今年も参加メンバーが決定しました。講師は開館当初から岐阜市の子ども司書たちを見守ってくださっている東海学院大学教授のアンドリュー・デュアー先生と、吉成信夫ぎふメディアコスモス総合プロデューサー(Pさん)、そして図書館で働く司書さんたちです。

 講座では、「おはなし会での絵本の読み聞かせ」や「POPづくり」、利用者が求める情報や資料探しをお手伝いする「レファレンス」など多岐にわたる司書の仕事を、体験やワークショップを通して学んでいきます。子どもたちは楽しみながらも真剣な顔でレファレンスや本の分類など、難しい体験にも取り組みました。
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<本の分類体験>
この本はどこにあったら便利かな?みんなで相談して分類しました。
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<レファレンス>
司書役と利用者役に分かれて、探し物のお手伝いを体験します。

 岐阜市の子ども司書には、『自分で考え、自分の言葉で伝える力』を大切にしてほしいと思っています。たくさんの情報があふれる世界で、何が大切か考え、たしかめ、自分の言葉にしていく。本と人とを結ぶリーダーである子ども司書に欠かせないこの力をつけるために、講座ではブックトーク、POPづくりなど、自分の考えを人に伝えるってどういうことなのか、いろんな方法で体験していきます。 プログラムが始まったばかりのころは表情も固くよそよそしかった7期生のみんなですが、みんなの飾らない『素』が垣間見えたのが1日目の午後、『おはなし会の実践』後の休み時間のことでした。その時間は新聞記者さんが取材に来ていて、みんなの練習の様子や発表を見学した後、「何人かから感想を聞くことはできますか?」と申し出がありました。それを聞いた瞬間、ほとんど10人全員から勢いよく「はいっ!!」と手が挙がったのです。記者さんが話したい子全員の話を順番に聞いてくれることになったのですが、言葉があふれて止まらないといった様子で我先にとおはなし会の体験の感想や今後やっていたいことを語るみんなを見ながら、何かとてもおもしろいことがこれから始まるような、子ども司書の中に新しい風が勢いよく吹いたような、そんな気がしていました。
 そのあとの体験でも司書役と利用者役に分かれ、協力して図書館の書架から本を探したり、この本を探すなら、どこにあれば便利かな?と考えながら分類番号をつけてみたり・・・限られた時間の中でどの体験もみんな意欲をもって積極的に取り組んでくれました。

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<ブックトーク>
おすすめの1冊の魅力を自分の言葉で語ります。
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<図書館探検>
普段は入れないところも、Pさんの案内で探検しました!

 2日間の講座は本当に「あっ」という間。司書という仕事の奥深さも、これから子ども司書として活動していくことの面白さも、この短い時間ではなかなか伝えきることはできませんが、今回ちらっとのぞいてみた『図書館』という世界が、7期生のみなさんにとってわくわくするものであったなら、これほどうれしいことはありません。養成講座を終え、子ども司書となったここからが『始まり』です。これから、家庭で、学校で、そして小さな司書のラジオ局で、本と人とをつなぐ子ども司書として、どんなことができるでしょうか。7期生を迎えて総勢120名となった岐阜市の子ども司書たちにご期待ください。


はやみね先生、夢の入り口ってどこですか?~本de子育てカフェ 児童編~開催しました

ブログ2021/08/22

 今年も、子育てに奮闘するみなさんを応援するイベント「本de子育てカフェ」児童編を2021年8月8日(日)に開催しました。コロナ禍でなかなかイベントが出来ない中、無事に開催できたこと嬉しく思います。
 講師は2019年以来2年ぶりのはやみねかおる先生。はやみね先生は、最近映画化された 「都会(まち)のトム&ソーヤ」など、児童向けのミステリーを書いている、子どもから大人まで魅了し続ける作家の1人です。今回、はやみね先生がお話しされた中でいちばん印象的だった『夢』のはなしを紹介します!

 はやみね先生は「夢が見つからない場合どうすればよいか」という質問に「夢がないということにプレッシャーを感じることはない」と回答。まずは、面白いことを探すと良いそう。先生の場合は「洗濯物」「草刈り」「マラソン」で、例えば、洗濯物はどこに何を干したら乾くのがはやいか考えながら干すと楽しいんだとか。このようにどんなことでもやり方を考えながら工夫すると面白くなるそうです。ただし、ひとつだけ考えちゃいけないことは、やらない言い訳を考える事。この言葉は、今回の講演で一番ハッとさせられる一言でした。

 また、はやみね先生は教員時代の話にも触れました。教師になったら、小説は書かないと決めていたのに、授業の余り時間に、子どもたちに物語を黒板に書いて聞かせるようになったそうです。物語の展開は子どもの反応をみて決めていたんだとか。今も子どもに話すように書いているとおっしゃっていたので、教員時代の経験は、先生や子どもたちにとって大事な思い出なんでしょうね。

 講演の終わりには、参加者からの質問に、時間が許す限り回答をして頂きました。ある学生からの「将来が不安な高校時代の今、読むべき本・つけるべき力は?」という質問に対し、「不安を紛らせる為なにかをするのはいいこと。書店や図書館に並んでいる本を手当たり次第読むといい」と力強いお言葉をいただきました。

 今が一番幸せだとおっしゃったはやみね先生。そんな先生が書くからこそ、小説のキャラクターが生き生きと見え、ファンをより夢中にさせているのかもしれません。はやみね先生、未来が明るくなるようなお話をありがとうございました。また、お話を聞ける日を楽しみにしております。

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夏休み調べもの講座 「君の読みたい本はどこ?めざせ図書館マスター!」を開催しました。

ブログ2021/08/24

 8月6日、11日に小学生を対象とした夏休み調べもの講座、「君の読みたい本はどこ?めざせ図書館マスター!」を開催しました。
 自由研究など夏休みは何かと図書館を使う機会が増える小学生も多いのではないでしょうか?「○○について知りたい!」と思ったとき、図書館に来てみたけどどこに知りたいことが書いてある本があるかわからない・・・と困ってしまった経験のある人もいるかもしれません。そんなときどうしたらいいのかを知り、図書館を使える「図書館マスター」になってもらうことを目的に毎年夏休みに実施しているのがこの調べもの講座です。
 今年も2日間で11人の小学生が参加してくれました。参加者は普段、図書館に訪れる方の調べもののお手伝いをする係の司書から図書館マスターになるための"調べものの極意"を学びます。
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 約50万冊にもおよぶ中央図書館の蔵書。どの本がどこに置いてあるのか分からなければ、目当ての本を探すのは至難の業です。そこで、図書館では本に1冊ずつ、「住所」をつけることにしました。それが「分類記号」といわれる本の背に貼られた000~999までの数字です。講座では同じスポーツでも、「ボールを使う競技」「マラソン」「水泳」など競技の種類によってつけられる番号が変わってくることも実際に本を見比べながら学んでいきます。
 また、検索機を使うと出てくるレシートの読み方も教わりました。習った知識は早速実践!事前に配られたテキストには、一人ずつに与えられた「課題」が封筒に入れられ、貼ってありました。封筒を開けると、レシートが出てきます。そのレシートに書いてある本を、書架図を手にそれぞれ探しに図書館内の書架へ。中にはあっという間に課題をクリアして2冊目に挑戦する人もいて、驚きました。
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 講座を終え、晴れて『図書館マスター』に認定された11人。この講座をきっかけに、図書館がもっと便利でもっとおもしろい場所になるといいなと思っています。


「小さな司書のラジオ局」企画会議の様子をご紹介!

ブログ2021/08/27

  岐阜市立図書館の子ども司書がメディアコスモスで作る、子ども司書による、ラジオ番組をご存知ですか?開館当初から毎月2回図書館に集まって有志が番組作りと収録をしています。この、「小さな司書のラジオ局」という番組では子ども司書が自由に楽しいことを考えたり、 図書館の本を紹介したり、取材したイベントのレポートをしたりしています。市民ラジオ「てにておラジオ」の中の1つのコーナーとして、13分間の番組がFMわっち(FM78.5MHz)でも放送!
 
 8月15日(日)、お盆休み真っただ中のこの日に、子ども司書6人が集まって今月の放送に向けた企画会議を行いました。ここで話し合った内容を翌週22日(日)にメディアコスモスから公開収録で放送する予定でしたが、残念ながらコロナウイルス感染拡大防止のためメディアコスモスが臨時休館となってしまい、放送することがかないませんでした。  大いに盛り上がった企画会議の様子と、放送する予定だったラジオ番組の中身を、紹介いたします。

 企画会議の日はまず、「今月のラジオ、何を話そう?!」を相談するところから始まります。思い思いに、ホワイトボードにテーマとしてとりあげたいことを挙げていき、出た案の中から「これは!」というテーマを1つか2つ選びます。今月のテーマは『学校あるある』。
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 テーマが決まったら、より具体的に中身を詰めていきます。それぞれが思う「学校あるある」を挙げてもらったら、「文科系の部活は何かと下に見られがち!?」や、「帰宅部やたらと足が速い説」など部活に関するものやクラスではやっている遊びについて、それから先生についてのあるあるや、「授業が終わると眠気が覚める説」などなどなんとその数30個!一人が話し出すと「たしかに!うちの学校では~~」とみんな大盛り上がりで笑いの絶えないネタ出しの時間でした。

子どもラジオ2_s.jpg←それぞれが出した「学校あるある」・・・
なるほど!ほんとに?など声が上がりました。








 
 話のネタを出しきったら、原稿にまとめていきます。今回出たたくさんのネタの中から、「授業系」「先生系」「部活系」などおおまかに分類をして、それぞれさらにエピソードを肉付けし、ラジオ原稿を作っていきました。
 「じゃあここでこういう質問するね!」「この話の後、自分の部活の話いれるわ!」など、自分たちで相談しながら細かい部分まで決めていき原稿のおおまかな部分が完成。
 必要であればテーマによっては図書館やメディアコスモスに来ている人にインタビュー取材をしたり、図書館の本を使って調べものをしながら原稿づくりをしていきます。この日の企画会議はここまでで、本来であれば翌週に練習と収録を行う予定でした。
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 収録をしてラジオ番組にすることはかないませんでしたが、休館が明けたら図書館の展示グローブにて企画会議での子どもたちの様子を紹介する展示をする予定です。また、今月は収録ができなかったため、今までの「小さな司書のラジオ局」の総集編が放送されます。そちらもお楽しみに!


【展示紹介】子ども司書7期生POP展示

ブログ2021/09/20

 8月に実施した子ども司書養成講座では10人の7期生が生まれました。養成講座には司書の仕事や図書館の仕組みを知るための様々なプログラムが用意されていますが、その中でも毎年POPづくりは子どもたちの熱量が感じられる時間です。
 自分のおススメの1冊の中の『これは!』というキーワードをレタリングしてみたり、イラストを描いてみたり、夢中で製作するみんなの顔が印象的でした。 現在休館中でまじかに見ていただくことができませんが、できあがったポップは展示グローブにて展示しています。

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 どのポップも子どもたちの工夫が施されているので思わず本を手に取ってしまいたくなることまちがいなし!
ぜひ子どもたちが誘う本の世界をお楽しみください。
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7期生のおすすめ本はこちらからご予約いただくこともできます。


【展示紹介】川端康成来岐百年~文豪の初恋と岐阜~

ブログ2021/09/22

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。」(『雪国』)でおなじみの川端康成。初恋の女性、伊藤初代を訪ねて東京から三度も岐阜にやってきたとのこと。今から百年前、まだ新幹線もない時代の話です。とても想いの強い方だったんですね。

現在、展示グローブでは『川端康成来岐百年~文豪の初恋と岐阜~』を展示しています。川端がノーベル文学賞を受賞するまでのヒストリー、川端が小説のモデルにした人物たちが紹介されている他、彼の作品と"初恋"に関する関連本や岐阜公園名水パークにある銅像「篝火」のレプリカ像(個人蔵)も展示。「篝火」像の建立にあたってその経緯を紹介した本も展示されています。多くの人の文学と郷土・岐阜への熱い思いが込められているところに心打たれます。
川端は初代への初恋経験を元に岐阜市に関わる短編作品を数多く残しています。『篝火』『非常』『南方の火』『新晴』といった作品には、私たちにとって馴染みのある名和昆虫博物館、岐阜駅、柳ヶ瀬といった名前が登場し、「川端康成の足跡を辿る」の地図では実際の作品の描写と共にご確認いただけます。百年前の岐阜を川端の淡い恋心と共に追体験してみるのも楽しそうですね。

展示されている本はこちらからご予約いただくこともできます。

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【展示紹介】カガクノセカイ

ブログ2021/09/25

 わたしたちのまわりには、まだまだ知らないたくさんの不思議、たくさんの『カガク』がかくれています。
カガクノセカイを一緒にのぞいてみませんか。 現在児童グローブで展開しているカガクノセカイの展示では、「身近な科学」「宇宙」「実験・発明」の3つの切り口で、子どもたちを科学の世界に誘います。
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 かつての天才と呼ばれた科学者たちの大発明や、まだまだ分からないことがたくさんある「宇宙」について。
難しく感じるかもしれないけれど、子どもから大人まで誰でもわかりやすく書かれた本が図書館にはたくさんあります。
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子ども向けの科学雑誌もこんなにあるんですよ!きっとあなたをわくわくさせてくれる1冊に出会えるはず。

また、グローブの内側には科学に関するクイズが! 例えばこんな問題・・・わかりますか?
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答えはこの本の中にあるかも!?問題は全部で6問あります。
開館したらほかのクイズにもチャレンジしてみてくださいね。
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展示されている本はこちらからご予約いただくことができます。


【展示紹介】1日1笑

ブログ2021/09/29

 展示グローブは様々な展示で彩られていますが、いま図書館の中でひときわ明るい雰囲気を醸し出しているのが、「一日一笑で元気をチャージ!」の展示です。
 コロナ禍で私たちの生活は大きく変わってしまいました。だれもまだ経験していないことが続き、ともすれば"よくわからないことへの不安"に負けそうになったり、大人も子どもも我慢を強いられ窮屈な思いをすることが増えたのではないでしょうか。そんな毎日の中、笑顔になれる瞬間が少しでもあればと、『笑い』をテーマに展示を作りました。  
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とにかく"笑える"本をたくさん集めました。「あははは」と大笑いしたり、「くすっ」と思わず笑ってしまう・・・図書館の本を開いてそんなふうに笑顔になれる人がいるなら、とてもうれしく思います。
あなたを笑顔にしてくれる1冊との出会いがありますように!
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展示されている本はこちらからご予約いただくこともできます。


発表!「第7回ぼくのわたしのショートショート発表会」の選考作品!!

ブログ2021/10/10

 さて、10月に入り、今年もいよいよ『ぼくわた』の季節がやってきました。今回のブログは初めてこのイベントを担当することになった司書Tがお送りします。
 中高生たちが自ら書いた、短い小説、『ショートショート』を直木賞作家の朝井リョウさんに読んでもらおうではないかというこの企画。開館当初から続いている我が図書館の人気イベントも、今年で7回目を迎えました。今年集まった作品は、なんと過去最多の162作品!担当もうれしい悲鳴を上げながら1作1作大切に読ませていただきました。
 中高生のみなさんが作品に込める熱量をひしひしと感じながら時に遠い学生時代を思い出してきゅんとしたり、手に汗握る展開にハラハラドキドキしたり。この作業は、毎年大変だけどとても楽しい時間です。
  また、集まった作品はすべて朝井リョウさんにも読んでいただき、当日朗読してもらう8作品を選考していただきました。コロナ禍で緊急事態宣言も出ている中だったため、昨年に続きオンラインミーティングのZoomを使っての選考となりました。

 選考の日の朝はシャツのボタンをかけ間違えるなど、朝井さんとの打ち合わせに緊張していた私こと司書T。もうひとりの担当者Mさんも前日からソワソワ・・・そんな私たちの緊張をよそに、朝井さんはとても気さくに、けれども真剣に選考に臨んでくださいました。
「中高生ならではの視点は、読んでいてやっぱり楽しいですね。」と朝井さん。そして
「私も中学生のときはいろいろ・・・ね」とポツリ。
 そのつぶやきを聞いて、以前読んだ朝井さんのエッセイを思い出しました。 それは、直木賞を受賞されたときに朝井さんが書かれた「ルーレットの目」という作品。このエッセイでは自分が書いた小説を学校の先生に読んでもらってかけてもらった言葉が励みになった話など、朝井さんの子ども~中高生時代の『小説を書く自分』にまつわるエピソードが多数書かれているのです。(こちらのエッセイは「時をかけるゆとり」(文藝春秋)に収録されています。)
 朝井さんもそうであったように、今回応募してくれた162作品の作者のみなさんにとっても、『誰かが自分の作品を読んでくれたこと』、またそれがほかでもない朝井リョウさんであることは今後の大きな原動力、チカラになるのではないでしょうか。
 ショートショート発表会が中高生のみなさんにとってのそんな場になればいいなという願いを込めて、いま準備を進めています。

今回朝井さんに選ばれた作品はこちら!

① 眠りのテクニック
② 報告書
③ 黄色テープ
④ 風鈴農園
⑤ 「好き」は宙に舞う
⑥ マイ・オウン・スペース
⑦ 赤と黒
⑧ カエルグラス

 タイトルを見ただけで、『どんな作品なんだろう?』とわくわくするのではないでしょうか。今年は岐阜市内、県内にとどまらず日本全国から精鋭がそろいました。
 あいにく会場観覧はすでに定員に達してしまったのですが、今回のイベントはZoomで配信しますので、遠方にお住まいの方にも観覧していただくことができます。Zoom観覧は引き続き大募集中です。ぜひ、新しい歴史の1ページをともに見届けてください。
 また、中央図書館エントランスでは過去の作品集を読んでいただける展示も行っています。そちらもあわせてお楽しみください。

★「第7回めざせ直木賞作家! ぼくのわたしのショートショート発表会」観覧募集の詳細は、こちらのページでご確認ください。


【展示紹介】美術家からの招待状~20世紀美術編~

ブログ2021/10/12

岐阜市立中央図書館内、展示グローブの前にある川舟型の読書スペースでは芸術の秋にちなみ、岐阜県美術館で行われている『20世紀の美術』展とコラボして関連本を展示しています。
題して、「美術家からの招待状~20世紀美術編~」

展示では印象派としても名高いルノワールや影を追求したルドンをはじめとする多種多様な顔ぶれを図書館の所蔵する画集を中心に集めています。どこから手を出していいか分からない!そんな時の助けになれば幸いです。
20世紀美術を本の世界からたどってみる芸術の秋。あなただけの素敵な作家が見つかりますように......

展示の本はこちらからご予約いただくこともできます
『20世紀の美術』展の詳細についてはこちらをご覧ください。また、岐阜県美術館ホームページもあわせてご覧ください。

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【展示紹介】快眠のススメ

ブログ2021/10/16

睡眠について何かお困りのことはありませんか?一日の大部分を占める睡眠。こちらの展示では「眠りとは?」「気持ちよく眠るためには?」「睡眠の悩みを解決するには?」といったテーマごとに睡眠の悩みにアプローチしたものから、アロマやハーブ、お香などのリラックスアイテムについての本などを集めています。

展示の中で特に注目していただきたいのは、「昼寝はしてもいいの?」「夜勤明けの睡眠方法は?」そんな疑問が書かれた吊り下げ式のPOP。こちらのPOPをクルッと裏返してみると......なんと、その答えが書いてあります!是非ご確認ください。

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睡眠について特に困っていることはないんだけどな......そんなあなたには、睡眠にまつわるお話を集めた「睡眠エトセトラ」もオススメです。夜のお供にいかがですか?
自分に適した「眠り」が見つかりますように。

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展示されている本はこちらからご予約いただくこともできます。


シビックプライドライブラリーに新着図書が入りました!

ブログ2021/10/19

 新しくシビックプライドライブラリーに入った本たちをご紹介します。
[若者たちのカウンターカルチャー]には、雑誌スペクテイターの最新号「パソコンとヒッピー」が入りました。パーソナルコンピューターという無限の可能性を秘めた箱にはヒッピーたちの伸びやかな自由が詰まっている!?
 他には「ブックフェスタ 本の磁力で地域を変える」は、2020年に開催されたまちライブラリーの祭典・ブックフェスタ・ジャパンの模様が収録されています。マイクロライブラリーは、本と人と街がつながる地域のハブ・居場所としてますます全国に広がっています。

 いまこの状況だからこそ、様々な視点を積極的に取り入れて「なにができるか」を考える足がかりにしていただけたら、と思います。

※シビックプライドライブラリーについては、コチラの記事もご覧ください。  

 シビックプライドについては、シビックプライドプレイスのホームページも合わせてご覧ください。

【シビックプライドライブラリー 新着図書リスト】

書名 著者名/ほか 出版社 棚の場所
1 季刊誌BIOCITY86 特集:Nbs自然に根差した解決策 生物多様性の新たな地平 ブックエンド 橙30セルフビルド
2 季刊誌BIOCITY87 特集:オーストリアのエネルギー自立と持続可能な地域づくり ブックエンド 橙30セルフビルド
3 スペクテイター 48号 特集:パソコンとヒッピー エディトリアル・デパートメント 青04若者たちのカウンターカルチャー
4 第四次海士町総合振興計画 島の幸福論 ─海士ならではの笑顔の追求─ 2009-2018 海士町/著 海士町 緑27みんなでつくる未来のカタチSDGs
5 SDGs白書 2020-2021 コロナ禍の先の世界を拓くSX戦略 SDGs白書編集委員会/編 インプレス 緑27みんなでつくる未来のカタチSDGs
6 ブックフェスタ 本の磁力で地域を変える 礒井純充、橋爪紳也、吉成信夫ほか/著 まちライブラリー 緑22コミュニティデザイン
7 市民がつくる、わがまちの誇り シビック・プライド政策の理論と実際 松下啓一/著 水曜社 緑22コミュニティデザイン
8 共生の大地 新しい経済がはじまる 内橋克人/著 岩波書店(岩波新書) 緑18お金=経済じゃない!

 


地域よみきかせボランティア育成講座 ~子どもと絵本と大人~ を開催しました!

ブログ2021/10/22

 10月9日(土)、「地域よみきかせボランティア育成講座 ~子どもと絵本と大人~」が開催されました。 この講座は平成30年度から毎年開催されていましたが、昨年は新型コロナウイルス感染症対策のため残念ながら中止に。やっと今年、無事に開催することができました。

今回、講師としてお招きしたのは、名古屋で子どもの本専門店「メルヘンハウス」の2代目店長をしていらっしゃる三輪丈太郎さん。 実は三輪さん、2019年1月にも講師として来てくださっています。当時はメルヘンハウスを閉店されていましたが、「子どもたちに良い本を!」というメルヘンハウスの基本理念を胸に、講演会やイベントの企画運営などの活動をされながら店舗再開に向け歩んでいらっしゃる道中でした。 そして今回、ついに2021年8月に店舗を再開され、再び岐阜市立図書館にお越しくださった三輪さん。講演では絵本に対する熱く深い想いを、楽しくお話してくださいました。

 講座では、「大人が本を楽しむこと」が大切だという三輪さんの言葉が印象的でした。子どもに本を読もうとすると、「子どものために良い本を選ばなくては」「学びのある内容にしなくては」と肩に力が入ってしまいがち。でも、子どもは大人が一緒に本を楽しんでくれることを望んでいます。まずは力をぬいて、一緒に楽しい時間を過ごすこと。読み聞かせは、子どもに「本は楽しいかもしれない」と思ってもらうためのきっかけ作りであり、その先につなげるためのもの、というお話に、参加者の皆さんもうなずいていました。
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 本屋に生まれて、身の回りに絵本があることが普通だと思っていた、という三輪さん。大人になって、それが特別な環境で、世の中では絵本が身近にあるほうが珍しいことなのだと気付いたそうです。だからこそ、子どもたちに絵本を届ける活動をしている"読み聞かせボランティア"や、その活動をしてみようと思ってくれている人たちは、マイノリティだけど無くてはならない存在なのだとおっしゃっていました。

 笑い声がこぼれ、ときに深いうなずきの声も響く、とても楽しい講座をしてくださった三輪さん。ありがとうございました。参加してくださった方々も、講座が終わってからも名残惜しそうに三輪さんにお話をきかれていて、大変充実した講座となりました。
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第7回 ショートショート発表会を開催しました!

ブログ2021/11/16

 10月31日(日)、最新作「正欲」が話題の岐阜県出身の直木賞作家、朝井リョウさんをお招きして『めざせ直木賞作家!ぼくのわたしのショートショート発表会』をぎふメディアコスモスみんなのホールにて開催しました。7回目となる今年は過去最多の162作品が集まり、たくさんの応募作品から朝井リョウさん自ら選んだ8作品を、作者の中高生自らが朗読し、朝井さんから1人ずつコメントをいただきました。今回は感染防止対策を行いながら、会場観覧とオンラインミーティングアプリZoomの2つの観覧方法でさまざまな人にイベントを楽しんでいただくことができました。発表者に選ばれた8人も半数以上が公募サイトなどからこのイベントを知った岐阜県外(東京や福岡、熊本からも!)からの参加者。7年たってこのイベントも全国で知られるようになったのだなと実感しました。

 8作品の選出と当日発表する順番は朝井さんが決めています。"ショートショートらしい"作品、コメディ、怪談要素のある作品、「好き」の気持ちがテーマの恋物語にファンタジー。8作品の中にバランスよくいろんなジャンルが入っていてまるで全体を通して1つの長編小説か長いドラマを見終わったような充足感がありました。たくさんの応募があったので、大半は「選ばれなかった」わけですが、それはイコール実力がない、というわけではなく、今回の8作品の持つ〈流れ〉を考えたとき、入らなかっただけなんですよ、と応募してくれたすべての学生たちに向けた言葉もありました。

 そしてこのイベントの醍醐味は、学生たちが自らの作品を朗読すること。作者自身が声に出して読むことで一つ一つの作品に命が吹き込まれ、唯一無二の世界観が完成します。
 朗読が終わると、「真面目に不真面目なテーマを書いているのがいいな」「普通の日常が淡々と描かれている感じが、これから怖いことが起こる予感がして逆に怖い」「自分と向き合わざるを得ない感じがヒリヒリする。読んでいて気持ちがいい作品だけが、〈いい作品〉じゃないからね」と、一人ひとりの発表に対して、丁寧に彼らの想いを聞き出し、コメントしてくださる朝井さん。「謎が解けないまま終わる感じがよかったです」「登場人物の名前が印象的!」とZoomアプリのQ&A機能を使って、リアルタイムで届く視聴者の感想に、発表者の学生たちも励まされたのではないでしょうか。また、それに対する朝井さんのコメントに会場ではたびたび笑いが起こり、会場もオンラインもいい具合に混ざり合って、大舞台での発表に緊張感はありつつも終始和やかな雰囲気でした。
 学生たちの朗読に聞き入り、朝井さんのお話も楽しくて発表会はあっという間でした。例えば《コロナ》や《動画配信》のような時代を反映した作品がもっと多くなるのかなと思っていたら、意外とそういった作品は少なかった、と印象を語られた朝井さん。小説を読んで味わいたいものは、時代に左右されるものではないのかもしれません。

 イベント終了後、発表者の学生たちと朝井さんがお菓子を食べながらざっくばらんに語り合いました。「理解できない!」といわれたときの心の保ち方、「どうしても合わない」人との付き合い方、創作のアイディアってどうやって思い浮かぶの?学生時代にやっておいたほうがいいことは?・・・時には創作に悩む同じ「書き手」として、また、時には悩める学生時代を過ごした同士として。常に学生たちと同じ目線で「そうだよねえ」「やだよね~」と共感を示してくださる朝井さんと、その言葉に夢中で聞き入り、何かをつかもうとする、みんなの姿が印象的でした。
 一生懸命に作品を書き、選ばれたこと。自分の作品を大きな舞台の上で、たくさんの人の前で朗読したこと。朝井さんが作品にコメントしてくださったこと。朝井さんや同じ趣味、志を持つ同世代の学生たち同士で語り合えたこと。長く続くコロナ禍でなかなか思い出を作ることが難しい状況はありますが、これから自らの言葉を武器にいろいろなものに立ち向かい生きていくうえでの原動力になる、何物にも代えがたい経験になったのではないでしょうか。
 今年も無事にショートショート発表会を終えることができました。このようなYA世代のイベントを、図書館の目玉イベントとして長く続けてこられたことをうれしく思います。発表者の皆さん、また、彼らの勇姿を会場やオンラインで見守ってくださった観覧者の皆様、ありがとうございました!

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ボランティア茶話会を開催しました!

ブログ2021/11/27

ボランティア茶話会 を11月10日(水)14:00~15:00に協働のへやにて開催しました。
 緊急事態宣言で臨時休館になり、予定していた日からだいぶ遅れての開催となりましたが、今年は4名の方が参加してくださいました。コロナ禍の開催で、今年もお茶をお出しすることができず、お話だけの場になってしまったのが残念でした。来年こそ、お茶を飲みながら楽しくお喋りしたいですね!
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 CDジャケットやメッセージカードを切ったり、おすすめ本の話などをしたりと、有意義な時間を過ごせたと思います。ボランティア活動時の苦労話など、皆さんが「うんうん」とうなずく場面が多くあり、活動日時が違えど感じていることは同じなんだなぁと思いました。
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最後に。
ボランティアの皆さんの活動のおかげで、心地よい図書館の空気ができあがっています。
これからも活動や交流会への参加をお待ちしています!!


「秋の読書推進トークイベント 人生を切り拓く」を開催しました!

ブログ2021/12/01

 11月23日(火)、勤労感謝の日に俳優のサヘル・ローズさんをお迎えして、秋の読書推進トークイベント、「人生を切り拓く」を開催しました。困難とともに在りながら今を生きるサヘルさんの体験と、そこから彼女が見出してきた「人生の切り拓き方」についてお話をうかがいました。司会の紹介でサヘルさんが登場されるとパッとその場が華やぎ、明るくなります。華やかな印象のサヘルさんが語り始めたお話は、想像できないほど過酷なものもありましたが、彼女の優しい語り口に会場内は終始なごやかな雰囲気に包まれていました。

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○サヘルさんの半生

 7歳の時の養母との出会い、そしてその出会いによってもう一度「生まれた」ように感じたこと。日本に来てから中東の国々へのネガティブな印象のためにいじめを受けたこと。そして、自殺を決意した日にお母さんと交わした言葉。その半生は想像を絶するものでしたが、サヘルさんは淡々と、ひとつひとつのエピソードを丁寧に、時にユーモアを交えながら優しく語られる姿が印象的でした。
 トーク中はサヘルさんが自らのことを語りながら、常に、観客としてお話を聴いている私たちひとりひとりの「辛さ」にやさしく寄り添ってくださっているように感じていました。人は弱いもの。「笑顔」という名の"仮面"、「大丈夫」という名の"仮面"をつけながら日々を生きているだけで頑張っているのだから、強くならなくていいのだという言葉に勇気づけられた方はたくさんいたのではないでしょうか。また、サヘルさんの著書、「あなたと、わたし」という詩集に、「下を向いて歩く」ことについて書かれたものがあります。サヘルさんは、「上を向いて歩こう」「前を向こう」とよく言うけれど、それってしんどいよなあ、と感じていた時期があったそうです。そんなとき、下をふと見ると自分の影があり、それが生きている実感につながった。苦しい場所で耐えなくてもいい、自分に合う靴を見つけて下を向き、地に足をつけ歩いていけばいい、といわれ心が軽くなりました。
 幼少期より図書館っ子で、本は時に自分の感情の受け皿になるものであり、本がいつも自分を見つけてくれていたように感じていた、本や図書館は自分にとって大切な存在だったと語る、サヘルさん。そうやって本を読んで身に着けてきた言葉は人を傷つけることも、殺すこともできる。だから投げ捨てるのではなく、大切に渡していかなければとおっしゃいます。そんなサヘルさんの言葉だから、すっと胸に入ってきてじんわりとしみわたるのだなと感じました。
 
○おせっかいについて
 ひとは一人で生きることはできませんが、なかなか自分の辛さや弱い部分というのは人に見せるのが難しいものです。サヘルさんも、いじめられていたときや生活が苦しかったとき、「辛いから助けてほしい」とはなかなか言えなかったそうです。お母さんにすら、「勉強ができて友達がいて学校が楽しいサヘルちゃん」を演じていた、と語られました。子どもはSOSを出せません、お子さんがいる方、子どもとかかわる機会がある方は子どもの様子がいつもと違うなと思われたら、「どうしたの?」と声をかけ、彼らの目を見てあげてください。誰かの目に映ることで、人は初めて生きることができます、どうぞ"おせっかい"をしてあげてください、と強いメッセージをくださいました。日本には他人に気配りをしたり、相手を敬う気持ちをもつ余白がある、それはとても素晴らしいことだとサヘルさんはいいます。かつてと比べるとご近所づきあいなども少なくなって他人に干渉することはよくないことではないかなと思ってしまうことがあります。また、なんでも自分で解決しなくちゃ、私が頑張らなくちゃと考えがちで、時間ができたらついスマホに目を落としてしまいますが、その"余白"をみんなが少しずつ互いを思いやる「おせっかい」に使えたら、よいのかなと感じました。

○「支援」すること
 ご自身がいまライフワークとして取り組まれている活動についてもお話しくださいました。その中で、「支援」に対する考え方が印象的でした。私たちは、「支援する」というとき、金銭的な支援や、モノを渡すことで支援しようと考えがちです。でも、お金はなくなればまた貧しい元の生活に戻ってしまう。そういった一時しのぎの支援ではなく、これからその人が長い人生を「生きていく」ための支援が必要だと語られました。それは学び方や働き方、自身で人生の舵を取る方法を伝えること。支援者が去った後もその人が自ら道を切り開いていけるようにしなければならないと話されたのです。そして、私たちがすぐにでも始めることのできる支援としては、「知る」ことがあります。「知らないこと」は悪いことではないけれど、「知ろうとしないこと」はよくない。今回サヘルさんが「忘れ去られがちなひとたちの姿」や中東の国の歴史を代弁してくださって初めて知ったことがたくさんあり、まずは私も関心をもつことから始めたいと感じました。
 また、「自分の人生の舵を切っているのは自分」だから、ご自身も自分のやりたいことやかなえたい夢は必ず口に出すようにしているそうです。言葉にだすことで誰かに伝っていく、かなわないこともあるけれどアクションを起こした自分に誇りを持つことができる、自分を信じることが自分の土台を作っていく、という言葉にサヘルさんの生き方が投影されているような気がしました。

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 サヘルさんの、「サヘル・ローズ」というお名前は孤児院から新しい家族のもとへいってからつけられたそうですが、「砂漠の中のバラ」という意味だそうです。その名前のように凛とした彼女の生き方に魅了された濃密な時間でした。観覧された方からも、サヘルさんの生き方や言葉に感銘を受けられ勇気づけられたという声がたくさんアンケートに残されていて、このようなイベントを開催できたことを図書館としてもうれしく思います。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 また、図書館では年内いっぱい、サヘルさんが日々発信されているメッセージから感じた、「あなた」へ伝えたいメッセージを抱えた本を展示グローブにて展示しています。「自分」ってなんなのか、「普通」ってなんなのか、年末の慌ただしい時期だからこそ少し立ち止まって振り返るきっかけになればと思っています。ぜひそちらもご注目ください。


子ども司書7期生のヒミツ会議!

ブログ2021/12/03

 11月28日(日)、この夏に養成講座を受講した子ども司書7期生と吉成信夫ぎふメディアコスモス総合プロデューサー(Pさん)との<ヒミツ会議>が行われました。その名の通り、詳細は7期生とPさんだけの「ヒミツ」なのですが、今日はその様子を少しだけご紹介いたします。

 子ども司書の主な活動のひとつに、「小さな司書のラジオ局」でのラジオ番組作りがあります。市民ラジオ<てにておラジオ>のなかに子ども司書の番組があり、2016年から毎月番組作りをしてきました。来月から、7期生もいよいよラジオ作りに加わるのです。ヒミツ会議では集まった7期生7人がPさんからラジオづくりをしていくことについてのお話を聞きました。養成講座が終わってからこの日が来るのをずっとずっと楽しみにしていました!といってくれる子もいて、7期生のわくわくする気持ちが伝わりうれしくなりました。からだをつかったワークショップでは一緒になってたくさん笑い、みんなの「こんなことやってみたい!」もいろいろ聞くことができました。

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 そして十分に期待が高まったところでこの日行われていたラジオ収録の見学へ。この日の収録では2期生から6期生までの子ども司書たち6名が21日に美殿町で行われたブックマーケットの取材レポートをしてくれました。写真やブックマーケットで出会ったおもしろそうな本の紹介・・・盛りだくさんな聴きごたえのある番組を、みんなで協力して作り上げました。7期生は見学をしてどんなことを感じたでしょうか。

"遊ぶように学び、学ぶように遊ぶ"が子ども司書のテーマ。来月から、7期生も一緒になってわくわくするような体験をしていけたらいいなと思っています。

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シビックプライドライブラリーに新着図書が入りました!

ブログ2021/12/13

 新しくシビックプライドライブラリーに入った本たちをご紹介します。

[若者たちのカウンターカルチャー]には、雑誌ACROSSが1980年から東京のファッションの移り変わりを定点観測してきた記録をまとめた『ストリートファッション1980-2020』が入りました。ファッションからは時代の空気感、若者たちの暮らしや生き方の移り変わりを感じ取れます。

[みんなでつくる未来のカタチSDGs]には、まちづくりと建物の関係を「建物の使い方・循環」から捉える新たな視点と実践を提案する『まち建築』が入りました。まちづくりでは新たな建物をつくることに注目が集まりやすいですが、既にある建物を使いこなす「営み」として考えていく切り口は、岐阜市のリノベーションスクールなどでも活かされています。

[岐阜で生きることの意味]には『社会科でまちを育てる』が入りました。小・中学校の社会科学習の中に、自分が住んでいる街を学ぶことを積極的に取り入れてきた岐阜県出身の著者による実践集です。子どもたちが「自分ごと」として街と向き合うことは「自分の街」としてシビックプライドを育みやすくなります。

 いまこの状況だからこそ、様々な視点を積極的に取り入れて「なにができるか」を考える足がかりにしていただけたら、と思います。

 ※シビックプライドライブラリーについては、コチラの記事もご覧ください。  
 シビックプライドについては、シビックプライドプレイスのホームページも合わせてご覧ください。

【シビックプライドライブラリー 新着図書リスト】

書名 著者名/ほか 出版社 棚の場所
1 オン・ザ・ロード
書物からみるカウンターカルチャーの系譜
ビートジェネレーション・ブック・カタログ
山路和広/監修・資料提供 マシュー・セアドー/執筆 ほか トゥーヴァージンズ 青02若者たちのカウンターカルチャー
2 ストリートファッション1980-2020 ACROSS編集室/編著 パルコ 青05若者たちのカウンターカルチャー
3 ニッポンの芸術のゆくえ 平田オリザ、津田大介/著 青幻舎 青08 3.11後の世界観
4 まち建築
まちを生かす36のモノづくりコトづくり
日本建築学会/編 彰国社 緑17みんなでつくる未来のカタチSDGs
5 リメイクしたらオンリーワンができました
その服捨てるのちょっと待った!
津田蘭子/著 JTBパブリッシング 緑18みんなでつくる未来のカタチSDGs
6 「お繕い」で服を育てる
ダメージは味方
堀内春美/著 主婦の友社 緑18みんなでつくる未来のカタチSDGs
7 社会科でまちを育てる 長瀬拓也/著 東洋館出版社 緑21岐阜で生きることの意味
8 d design travel11 富山2   D&DEPARTMENT PROJECT 緑21岐阜で生きることの意味
9 対岸の家事 朱野帰子/著 講談社 緑24自分らしく暮らす
10 ガールズ・メディア・スタディーズ 田中東子/編著 竹田恵子ほか/著 北樹出版 緑24誰のための社会
11 経営コンサルタントでワーキングマザーの私がガンにかかったら
─仕事と人生にプラスになる闘病記─
山添真喜子/著 東洋経済新報社 緑25自分らしく暮らす
12 イドコロをつくる
乱世で正気を失わないための暮らし方
伊藤洋志/著 東京書籍 緑25誰のための社会
13 食と農のプチ起業 小野 淳/著 イカロス出版 緑25なりわいを持つ
14 シェア空間の設計手法
49事例の空間構成
猪熊 純、成瀬友梨/責任編集 ほか 学芸出版社 緑27コミュニティデザイン
15 DIY MAGAZINE 日々をつくる DIY MAGAZINE se-chi/著 玄光社 緑34セルフビルド
16 メディアをつくる
「小さな声」を伝えるために
白石 草/著 岩波書店(岩波ブックレット) 緑35セルフビルド
17 野中モモの「ZINE」
小さなわたしのメディアをつくる
野中モモ/著 晶文社 緑35セルフビルド

 


今日からはじめられる、SすぐにDできるG岐阜をS好きになるための一歩

ブログ2022/01/20

SDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))はそれぞれ関連しあった17のゴールが、2030年までに達成を目指す世界共通の目標として設定されています。世界共通の目標、と聞くとあまりに壮大で、「わたしという1人の人間」には直接関係がないことのように感じるかもしれません。でもそうではないと思うのです。今、地球とそこに住む私たちは深刻な問題に直面していて、なかでも気候変動は最大の課題。世界は想像以上につながっていて、私たちは同じ『地球』という船に乗る乗組員のようなもの。SDGsは、遠い国の困っている誰かのために「国」が行う取り組みではなく、「あなた」や「私」がよりよい世界を子どもたちに残していくために、今日からできる取り組みです。

 新しく、展示グローブで始まった展示では岐阜市が取り組むSDGsについて取り上げています。『SDGs未来都市(※1)』に選定された岐阜市にいまどんな課題があり、どのように市としてSDGsに向き合っていくのか、さらにそこから司書が暮らしの中で実践するなら?という視点で身近なSDGsについてもご紹介しています。
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飢餓や貧困に苦しむ開発途上国の状況をニュースで見て「大変だなあ」と思う。そこで終わってしまうのではなく、1歩その先へ。難しく考えなくても、普段の暮らしに少し意識をプラスするだけでできることがたくさんあります。SDGsを「自分ゴト」にしてみませんか。
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「いま、わたしたちができることを  SすぐにDできるGぎふをs好きになるための一歩」
(岐阜県公共図書館協議会 共通テーマ資料展示)

日 時:令和4年1月18日(火)~3月末(1月31日(月)~2月4日(金)は蔵書点検のため休館)

場 所:岐阜市立中央図書館 展示グローブ(みんなの森ぎふメディアコスモス2階)

※1:内閣府は平成30年度から地方自治体のSDGs達成に向けた優れた取り組みを提案した都市を「SDGs未来都市」、その中でも特に先導的な取り組みを「自治体SDGsモデル事業」として選定しています。岐阜市の提案した《ぎふシビックプライドとWell-beingに満ちたSDGs未来都市》は令和3年度の「SDGs未来都市」、「自治体SDGsモデル事業」に選定されました。


ほんまるけ編集委員会を開催しました!

ブログ2022/01/23

YAの、YAによる、YAのためのおすすめ本リスト「別冊ほんまるけ」!

YAのみなさんに協力してもらいながら毎年発行しているこの冊子ですが、「Power of book~本の力~」をテーマとした
Vol.9の発行を計画中です。

1月15日(土)に、その編集をしてみたい!と応募してくれた5名のみなさんと私たち図書館の職員4名の計9名で、編集委員会を実施しました。なんだか見かけたことのある顔ぶれ!と思ったら、それもそのはず。
昨年度も参加してくれた子や、YAサポーターとして書架整理などの活動をしてくれている子など、図書館を日頃から愛してやまないであろうみなさんが集まってくれていました。ありがたい限りです。

まず、「最近読んでおもしろかった本を紹介する」というお題のもと、自己紹介!各々の本に対する愛があふれていて、このお題だけで1時間は話せるかもしれない......なんて思いました。しかし、残念なことに時間は限られていますので、熱く語るのもほどほどにして、次に編集の作業に取り掛かります。事前に選んできてもらった1冊についての紹介のページをひとり1枚手書きで作成してもらいました。集中して原稿の作成に挑む編集委員のみなさんの姿には胸を打たれるものがありました。

しかし、ここで黙って見ていられないのが私たちYA担当の性。絶好の機会とばかりに「YA世代の間ではなにが流行っているの?」と根掘り葉掘り聞いてみたり、はたまた「私の好きなこの本のことを世代の違うみなさんは知っているのかな......」と相談してみたり。原稿を作りながらも、編集委員のみなさんは相槌を打ってくれたり、尋ねたことに笑顔で答えてくれたりして、とてもうれしかったです。
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編集委員の募集は締め切っていますが、表紙のイラストはまだまだ募集中です。
ほんまるけの表紙をあなたのイラストで彩ってみませんか?詳細はこちらをご覧ください。

ほんまるけVol.9は今年6月に発行予定。編集委員のみなさんの思いが詰まった冊子の完成を楽しみにしていてくださいね!


長良川大学講座「読み聞かせ教室」を開催しました!

ブログ2022/03/11

 2月25日(金)、長良川大学講座「読み聞かせ教室」を開催しました。
ご家庭での読み聞かせについて、講義と実践で学ぶ二回連続講座が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染症対策のため、残念ではありますが日程を変更し、Zoomによるオンライン講座のみの開催となりました。

 今回、講師としてお招きしたのは、東海学院大学短期大学部教授・杉山喜美恵先生です。これまでに開催された「読み聞かせ教室」でも、講師としてぎふメディアコスモスにお越しくださっている杉山先生ですが、今回はZoomでの開催ということで、モニターの向こうからお話を聞かせてくださいました。講師の先生も参加者の方々も皆が画面上に集う、オンライン講座ならではの光景が広がる中、読み聞かせのあるべき姿やもたらす作用、おすすめの絵本などについていきいきと語る杉山先生。参加された皆さんも、一生懸命に耳を傾けていらっしゃいました。

 お話の中で印象的だったのは、絵本と関わる上での大原則として挙げられた「絵本と関わる時間を楽しいものにする」という言葉です。幼い子どもは特に、楽しいこと、やりたいことに興味が向きがちです。ひるがえって、一度「いやなこと」だと印象づくと、その対象にさわらなくなってしまう可能性があるとのこと。そのため、絵本とふれあうときは子どもの探求心や興味を大切にすること、また大人の方も、絵本を通じて子どもとの対話を楽しんだり、何度も読んでいる絵本から新たな発見をしたりと、親子で絵本との関わりを楽しむことが大切であるとのお話を聞き、なるほどと腑に落ちる思いでした。

 オンライン講座という変則的な環境ではありましたが、参加者の方々からは好意的なご意見も多くいただき、ホッとしています。楽しく、ためになる講座をしてくださった杉山先生、参加してくださった皆さん、ありがとうございました。


人権イベント「きいてみよう!外国人とのつきあい方」を開催しました。

ブログ2022/03/17

令和4年3月12日(土)人権イベントを開催しました。
今年度のテーマは岐阜に住んでいる外国人!

岐阜に住んでいる外国人の中からスペインとシリアの方が来てくれました。
国際交流団体協会の市來さんにインタビュアーをしてもらって、
日本に来たのはどうして?
日本語の好きな言葉は何?
教育は違うの?
岐阜のことどう思ってる?など
岐阜に住んでいる外国の方の声をお聞きしました。

良かれと思って「日本ではこう......」「日本ではこう......」と言ってくれるのはわかる。
日本のことはまだ知らないけれど、祖国で一人前の大人になって、
1人できちんとできている外国人にはあまりうれしくないアドバイスとのこと。
外国人でも、宇宙人でも、分かりあいたいと思うことが大事。
言葉が通じなくても、仲良くしたいんだよと思って声かけていることは伝わるはず。

日本語で話ができても、日本語は読めないという方も多いそうで、
お知らせひとつにも、もしかしたらと思うことは大事なのではと思いました。

今回イベントは終わってしまいましたが、多文化共生をテーマにエントランスグローブにて、
本の展示を3月末まで行っています。気になる方はぜひお越しください。

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