12月8日、9日にまちライブラリアン養成講座を開催しました。講師はまちライブラリー提唱者の礒井純充さんです。
参加者がそれぞれの「まちライブラリーを始めてみたい!」、「本を通じて人と人とのつながりを生み出したい!」という思いを持ち寄り集まりました。
1日目は、礒井さんからまちライブラリー発足の経緯や、まちライブラリーにかける思い、全国の事例などをお聞きしました。
まちライブラリーはひとりひとりが「育てていく図書館」。並ぶのは、売り文句ではなく純粋に一人一人が読んでほしいと思って選んだ本と、本を読んでつづった「伝えたい言葉」です。日本全国、どこへ行っても同じ商品を手にすることができ、同じ"いらっしゃいませ"と"ありがとうございました"が聞けるコンビニは確かに便利だけれど、感想カードでのやりとりという「めんどうくささ」のなかにこそコミュニティができ、そこから生まれる人間関係があると礒井さんはいいます。
たくさんの本がなくてもいい。「まちおこし」とか大きな野望や目的がなくてもいい。むしろ、「自分がこうしたいからするのだ」というモチベーションから創出される行動力こそがまちライブラリーには欠かせないのだそうです。「本が好き」という気持ちや「我が事」を追求することがやがて誰かの「我が事」と重なり、息の長い活動につながるのだと感じました。
2日目は、まちライブラリアンとしての第一歩。いよいよ自分だけの本棚づくりのワークショップです。
テーマを決めて本を集め、段ボール箱で自分だけの本棚を作ります。それぞれ熱い思いを持って参加された参加者のみなさんは、細部にまでこだわった個性的な本棚を、時間いっぱい使って思い思いに作成していました。作業中はそれぞれが作業に没頭、会場には静かな熱気を感じます。中には自宅からたくさんの大切な本を持参されて完成した本棚に飾る方もいて、ひとりひとりの経験と想いがあふれる、「こころ」が垣間見える本棚が完成しました。
全員の本棚が完成したところで、それぞれどんな本を置く、どんな本棚を作りたいのか、どんな空間にしていきたいのか発表します。参加者の中にはすでにまちライブラリーを始める準備を進めている方もいて、明確な想いを持って参加されたことがよくわかりました。
最後に、まちライブラリアンの認定証を吉成館長から授与、2日間の講座が終わりました。
参加者の皆さんは晴れてまちライブラリアンに!今日やったことがそのまま、まちライブラリーになっていくし、次に行動を起こそうとする方の勇気につながるので、ぜひ形にしてほしいと礒井さんもおっしゃっています。
この2日間が、今後、まちのなかに本を通じて人と人がつながる場所がたくさん生まれる、「種」となることを願っています。