シビックプライドトークイベント『岐阜で実現するあたらしい暮らし』を開催しました!

  • 2021年3月22日

みれい1_s.jpg 3月14日、文筆家で詩人の服部みれいさんをお迎えして、シビックプライドトークセッション「岐阜で実現するあたらしい暮らし」を開催しました。服部みれいさんは、育児雑誌の編集を経て2008年にマーマーマガジンを創刊。これからの時代を生きるためのホリスティックな知恵やあたらしい意識について発信を続けてこられました。東京から生まれ故郷の岐阜に移住して今年で6年目。移住のきっかけは今年10年の節目となる東日本大震災だったそうです。「移住を経験して変わったこと、変わらなかったこと、どちらもあります」とみれいさん。

 まずはうだつの上がる街並みや花神輿、ご近所さんとの「妖精茶会」など美濃のほのぼのとした暮らしをすてきな写真で、また、友人でイラストレーターの平松モモコさんが紙芝居でユーモアたっぷりに田舎での暮らしを紹介しました。

 みれいさんが「豊かさってなんでしょう?」と会場に問いかけられると、「大事な人がそばにいること」「自分に余裕があること」「一瞬一瞬を自分に正直に生きること」など、皆さんが一言一言、言葉を選びながらそれぞれの『豊かさ』について語る様子が印象的でした。みれいさんにとっての豊かさは、「健康であること」、「自分らしく居られて嘘がないこと」「奪ったり奪われたりしないこと」「感謝を交換できる関係があること」と語ってくださいました。そしてこれからの暮らしのイメージを『よりハイパーな縄文時代』と独特の言葉で表現。人の顔色をうかがって、人を喜ばせることに注力する都市と、「いらんもんはいらん」と飾らない言葉で正直に言ってしまえる田舎。それらを統合した第三のあり方が求められているという言葉に、参加者の方もうなずいておられました。
 そして、「こんな時代になってしまって、これからどうなってしまうんだろうかという不安な気持ちを持っている方もいるかもしれない。でも、300名以上が今このイベントの配信を見ている。これはコロナ禍だからこそと思えば、どんな事柄にもマイナス面ばかりではなくプラスの面もあるんだなって思うんですよね」とみれいさん。今回のイベントは会場で観覧くださった19名に加えて、Zoomでの配信を316名の方が見てくださいました。これだけたくさんの方に見ていただけたイベントは、岐阜市立図書館でも初めてです。できなくなったことばかりに目を向けるのではなく、新しい価値観を見出していかなくてはと改めて実感しました。
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 イベントの後半は、吉成信夫ぎふメディアコスモス総合プロデューサーが聞き手となって話を深堀りしました。6年前、岐阜に移住した共通点を持つ二人が、震災を経て、岐阜に暮らしの拠点を移して思うことを語り合いました。パンでも野菜でも、今までお店で買っていたものを自分で作ってみる経験は、まさに『豊かさ』のひとつです。「自分の手で生み出すこと、作り出すことが自己肯定感を上げることにつながる、そうやって一つ一つ取り戻していく感覚なんだよね」という言葉が印象的でした。
 シビックプライドというと少し固くて、難しい気もするけれど、まずは何でもやってみて、いろいろな人の中でそれぞれのやり方で、『豊かさ』を見つけていけばよいのだなと感じます。春らしい、花神輿色のワンピースを身にまとったみれいさんは、軽やかで鮮やかで、チャーミング。明るい笑顔で語られる「生き生きとした暮らし」はとても素敵で、都会、田舎にかかわらず、また移住するかしないかにかかわらず、何かが始まる予感に満ちたこの春の季節にぴったりのおはなしでした。
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