発表!「第7回ぼくのわたしのショートショート発表会」の選考作品!!

  • 2021年10月10日

 さて、10月に入り、今年もいよいよ『ぼくわた』の季節がやってきました。今回のブログは初めてこのイベントを担当することになった司書Tがお送りします。
 中高生たちが自ら書いた、短い小説、『ショートショート』を直木賞作家の朝井リョウさんに読んでもらおうではないかというこの企画。開館当初から続いている我が図書館の人気イベントも、今年で7回目を迎えました。今年集まった作品は、なんと過去最多の162作品!担当もうれしい悲鳴を上げながら1作1作大切に読ませていただきました。
 中高生のみなさんが作品に込める熱量をひしひしと感じながら時に遠い学生時代を思い出してきゅんとしたり、手に汗握る展開にハラハラドキドキしたり。この作業は、毎年大変だけどとても楽しい時間です。
  また、集まった作品はすべて朝井リョウさんにも読んでいただき、当日朗読してもらう8作品を選考していただきました。コロナ禍で緊急事態宣言も出ている中だったため、昨年に続きオンラインミーティングのZoomを使っての選考となりました。

 選考の日の朝はシャツのボタンをかけ間違えるなど、朝井さんとの打ち合わせに緊張していた私こと司書T。もうひとりの担当者Mさんも前日からソワソワ・・・そんな私たちの緊張をよそに、朝井さんはとても気さくに、けれども真剣に選考に臨んでくださいました。
「中高生ならではの視点は、読んでいてやっぱり楽しいですね。」と朝井さん。そして
「私も中学生のときはいろいろ・・・ね」とポツリ。
 そのつぶやきを聞いて、以前読んだ朝井さんのエッセイを思い出しました。 それは、直木賞を受賞されたときに朝井さんが書かれた「ルーレットの目」という作品。このエッセイでは自分が書いた小説を学校の先生に読んでもらってかけてもらった言葉が励みになった話など、朝井さんの子ども~中高生時代の『小説を書く自分』にまつわるエピソードが多数書かれているのです。(こちらのエッセイは「時をかけるゆとり」(文藝春秋)に収録されています。)
 朝井さんもそうであったように、今回応募してくれた162作品の作者のみなさんにとっても、『誰かが自分の作品を読んでくれたこと』、またそれがほかでもない朝井リョウさんであることは今後の大きな原動力、チカラになるのではないでしょうか。
 ショートショート発表会が中高生のみなさんにとってのそんな場になればいいなという願いを込めて、いま準備を進めています。

今回朝井さんに選ばれた作品はこちら!

① 眠りのテクニック
② 報告書
③ 黄色テープ
④ 風鈴農園
⑤ 「好き」は宙に舞う
⑥ マイ・オウン・スペース
⑦ 赤と黒
⑧ カエルグラス

 タイトルを見ただけで、『どんな作品なんだろう?』とわくわくするのではないでしょうか。今年は岐阜市内、県内にとどまらず日本全国から精鋭がそろいました。
 あいにく会場観覧はすでに定員に達してしまったのですが、今回のイベントはZoomで配信しますので、遠方にお住まいの方にも観覧していただくことができます。Zoom観覧は引き続き大募集中です。ぜひ、新しい歴史の1ページをともに見届けてください。
 また、中央図書館エントランスでは過去の作品集を読んでいただける展示も行っています。そちらもあわせてお楽しみください。

★「第7回めざせ直木賞作家! ぼくのわたしのショートショート発表会」観覧募集の詳細は、こちらのページでご確認ください。