6月4日、柳ヶ瀬のロイヤル劇場ビル2FのやながせRテラスにてまちライブラリアン養成講座「本と人とまちをつなぐスペースづくり」が行われました。講師は静岡県焼津市で私設図書館「みんなの図書館さんかく」を
立ち上げた館長の土肥潤也さん。
「みんなの図書館さんかく」は、土肥さんが商店街の人たちと協力して空き物件を借りて一からつくった場所です。館内にはDIYで作られた本棚が並び、まちの人が自分の本で自由に本棚をつくれる「一箱本棚オーナー」制度というユニークな取り組みに使われています。オーナーは現在55人いて、キャンセル待ちも出ているとのことで、オーナーになるとお店番をする権利、休憩スペースにマグカップを置く権利が与えられます。また、「さんかく」内にはチャレンジショップの出店もできるなど、たくさんの人が主体的に関わることで、運営されているのが印象的でした。
土肥さんはご自身の過去の経験から自分を表現し、人生の主人公になることで、結果的にまちにも関わっていけるのではないかと思い、自分を表現できる場所をつくろうとしました。その一つが「一箱本棚オーナー制度」なのだそうです。
後半はぎふメディアコスモスの吉成総合プロデューサーとの対談が行われました。主な話題は本がつなぐ人々のゆるやかなコミュニティの運営について。その中でも印象的な話を1つ紹介します。
「さんかく」には自由に食べることができるお菓子があるのですが、1個お菓子を食べたら、別のお菓子を1個継ぎ足すというゆるやかな決まりがあります。そうした「お菓子を分け合う」人々の動きから見えてくるのは、お金を使ってお客さんとしてサービスを受けるのではなく、他人とゆるやかなつながりを築きながら、1人の個人として主体的に関われるコミュニティの姿です。
本にしても、お菓子にしても、自分の持っているものをシェア出来る場がまちの中にあることの大切さについて、お2人とも言葉を交わされていました。