米澤穂信さんの講演会を開催しました!

  • 2022年8月 9日

 7月16日(土)に、作家と語ろうin岐阜を開催しました。

 今年は「ミステリの種はすぐ側に」と題し、2022年1月に「黒牢城」で第166回直木賞を受賞された岐阜県出身のミステリ作家、米澤穂信さんをお迎えしました。

 講演前に岐阜市立図書館をご案内した際には「資料の選び方がとてもいいですね」「近ければ通いたい」などの嬉しいお言葉も!書棚を見て回りながら、たまに気になる本を手に取って、図書館を楽しんでいる様子でした。

 講演会では、岐阜市で2,3年ほど生活していた頃のエピソードを聞くことができました。原付でラーメン屋に通っていたこと、岐阜県図書館が近かったので通って本をたくさん読んでいたこと、試験監督や選挙の出口調査のアルバイトをしていたことなどを話され、地名もちらほら出ていたので、改めて親近感が湧いた方もいたのではないでしょうか。

 岐阜にいた頃は浴びるように本を読んでいた時期だった、とのこと。岐阜での生活が、今の米澤さんの執筆活動の一部になっているのかもしれないと思うと、なんだか誇らしい気持ちになります。

 また、直木賞に関する話では、受賞の際は運営側から「おめでとうございます」は言われない、「賞を受けてくれてありがとうございます」と言われる、といった裏話から、「小説とはあるべき道筋を辿っていくもの」「書きたいものと書くべきものが一致したのが黒牢城だった」「書いたものが面白くないと思うときは、文章と小説が噛み合っていない」など小説を書く際の話まで、興味深い内容をたくさん聞くことができました。

 その後は、質問コーナーへ。事前に募集していた質問や、当日Zoomで観覧している方から寄せられた質問に次々とお答えいただきました。

 他の作家さんとの交流、アイデアのメモはどのように?、執筆について、岐阜県のおすすめの場所は、得意料理は、作品の映像化の感想は、一日の過ごし方は...などなど、普段は聞けないような質問にもざっくばらんに答えていただき、貴重な時間になりました。

 途中、米澤さんの水がなくなったことに気づいたスタッフがそっと飲み物を差し入れたところ、ちょうど米澤さんからは死角になっていて近づいていることに気づかず、写し出された影に「誰か来た!?」と驚く一幕も。

 その状況を面白がって、今にも新しくミステリを作り出してしまいそうな米澤さんに、まさしく「ミステリの種」は近くにあるんだなあ、と思った出来事でした。

 終盤には、会場に来ていた方から質問をしていただく時間もあり、和やかな雰囲気の中で講演会は終了しました。

 米澤さんの真面目で暖かい人柄を感じることができた、あっという間の2時間でした。

 今後のさらなるご活躍を期待しつつ、また岐阜市立図書館にお越しいただけるのを楽しみにしています。

作家と語ろう①.JPG
作家と語ろう②.JPG