9月17日(日)、「地域よみきかせボランティア育成講座 ~絵本はきっと、もっと楽しい!~」が開催されました。
今年、講師としてお招きしたのは、夜の路上で大人に絵本を読み始めて以来、親子読み聞かせ、絵本講座、保育者研修会で全国を駆け巡っておられる「聞かせ屋。けいたろう」さん。けいたろうさんは、絵本の文章や翻訳も手掛けていらっしゃいます。
ウクレレを演奏しながら、「はじまるよ。はじまるよから、絵本の時間がはじまるよ♪」とけいたろうさんの軽快な歌声に合わせて、会場は絵本の世界へといざなわれて講座がスタート。
まずは、歌を交えながら絵本や大型絵本5冊の読み聞かせ実演をして、読み聞かせに向いている本の特徴や、おはなし会のどの場面で読むのがよいのかなど、ていねいに紹介してくださいました。その後、読み聞かせで大事な絵本の持ち方(おくり)をみんなで実践。参加者の方からは「ページがめくりやすくなった」「目からうろこ」という意見もありました。
↑実演の様子
↑絵本の持ち方の練習
けいたろうさんが初めて出版された『どうぶつしんちょうそくてい』(高畠純/絵.アリス館)や最新作『ようかいサッカー』(ひろかわさえこ/え.ポプラ社)の誕生秘話、絵本がつくられる過程のお話も聞くことができ、絵本の新たな見方や発見があってワクワク。
最後に話されたのは、読み聞かせを続けるきっかけになったエピソードでした。深夜の東京の街で大人に向けて路上で絵本を読んでいたときのお話。目の前を多くの人が通り過ぎていく中、立ち止まってくれたのはふたりの金髪の女子高生。並んでいる絵本から2人が次々に選んだ何冊かを読んだあと、最後に「これがいい!」と指をさしたのは『かわいそうなぞう』。受け入れてもらえるのか心配しながらも、間違えないように最後まで読むと、二人とも下を向いて泣いていて......。騒がしい雑踏の中、そこだけ切り取られたようにぴーんとした空気が流れていたあの時間が強く印象に残り、それが大人の読み聞かせを続ける原点になったそうです。
参加者からの質問タイムでは、「自分が楽しいと思って読むことが一番大切だ」というお話をされたけいたろうさん。講座が終わったあとも、けいたろうさんと参加者の方々が写真撮影をしたりお話をする姿がたくさんありました。あっという間の1時間半。充実した時間をありがとうございました。