『吉成信夫さんの話を聴いておこう』を開催しました!

  • 2024年5月 2日

 4月20日(土)、シビックプライドライブラリーにて、ぎふライブラリークラブのイベント、「吉成信夫さんの話を聴いておこう」を開催しました。このイベントは、430日で退任するメディアコスモスの総合プロデューサーの吉成信夫さんの話をいま、聞いておきたい!というぎふライブラリークラブの会員さんからの熱い気持ちで立ち上がった企画です。

 イベントでは岐阜市立図書館の館長を5年間、そして総合プロデューサーとして4年間このメディアコスモスに関わってきた吉成さんがどんな思いでここにいたのか、お話をしていただきました。

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 岐阜にゆかりのあったわけではなかった吉成さんが図書館長をすることになったのは3.11、東日本大震災を岩手で体験し、みんなが集まる場所の必要性を実感していたころ、たまたまFacebookで流れてきた岐阜市立図書館長の公募が目に留まったことがきっかけでした。

 2015年4月に赴任して7月にメディアコスモスがオープンするまで、この図書館をどうやったらワクワクする場所にできる?と司書と一緒に考え続けたこと。『子どもの声は未来の声』を、この図書館が大切にしていく言葉として掲げることを決めたこと。岐阜市立図書館を貸本屋ではなく、リビングルームのような、公園のような温度感のある場所にしたかったこと。『みんなの森』と冠のついたこのぎふメディアコスモスですが、『みんなの森』の"みんな"って誰なのかをずっと考えてきたこと。この日集まってくださった30人のお客さんが耳を傾ける中、今まであまりこういった公の場で語ってこなかったことを自分の言葉で伝えてくださいました。

 また、ひとりひとりが自立してつながりあう場を一緒に作っていきたい、わくわくできることを一緒にやりませんかという気持ちで始まったのがぎふライブラリークラブです。ぎふライブラリークラブは今までも市民の『こんなこと図書館でやってみたい!』を受けたくさんの企画を実現してきた、岐阜市立図書館ならではの取り組み。事業よりも先に"人"がある、と吉成さんは言います。担い手を育てていくことに力を注ぎたい、とぎふライブラリークラブをはじめ子ども司書の養成や心の叫びを聴け掲示板などにも力を入れてきました。館長、そしてプロデューサーとして務める中で『次の世代のために子どもたちのための居場所を用意したい』という気持ちがいつも一番のモチベーションだったそうです。今紡いでいる毎日は何年も先を見据えた種まきのようなものなのかもしれません。

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 岐阜は新しいもの、良いものを受け入れてくことを躊躇しない良さ、変えていくことをいとわない良さがある、と吉成さんは言います。メディアコスモスの来館者数は、昨年度、開館8年目にして過去最多を記録しました。公共の施設としては開館して8年間経ってなお、増え続けることはあまりなく、たくさんの人が日々足を運んでくださることを嬉しく思います。イベントでは直接お客さんと言葉を交わし耳を傾け語り合う場面もあり、お客さんの言葉でこの図書館がオープンしてからたくさんの人に愛されてきたことをあらためて実感しました。

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 吉成さんの退任後も変わらずに、ここにいることを多くの利用者の皆さんに楽しんでいただけるよう、"みんな"にとって居心地のいい図書館って、と考え続けたいと思います。今後ともよろしくお願いします。