7月26日、27日、29日、31日の4日間、子ども司書養成講座を開催しました。今年で10回目になるこの講座、毎年大人気で定員を超える応募があり、抽選で選ばれた子どもたちが4日間を通して様々なことを体験しました。講師は大学で司書課程を教えるアンドリュー・デュアー先生、岐阜市立図書館の図書館長と、図書館で働く司書たちです。
まずは館長と行く、図書館探検。図書館の表も裏も、館長に案内してもらいながら存分に味わいました。何度も図書館に来てくれている子どもたちも、知らなかったことがたくさんあったようで熱心にメモを取りながら話に聞き入る姿が印象的です。
4日間を通して、子どもたちは『おはなし会』、調べもののお手伝いをする『レファレンス』、壊れてしまった本の『修理』など、様々なやり方で司書の仕事を体験。どの体験でも積極的に質問したり、発言したりする元気いっぱいの10期生でした。
また、知識を身に着けるだけでなく、感じたこと、考えたことを自分の言葉で表現できる本と人とをつなぐリーダーになることを目標にしている岐阜市立図書館の子ども司書。『ブックトーク』や『共読ワークショップ』では自分の思いを言葉で表現することにもチャレンジしました。そして講座の目玉のひとつである『絵本づくり』は子どもたちがひとりひとり、自分で考えたストーリーに絵と言葉を書き、色を塗って作った世界に一つだけの絵本です。今年は絵本ではなく紙芝居づくりに挑戦した子もいました。きれいな切り絵を貼った絵本、しりとりで構成された絵本、どの絵本も創意工夫が凝らされた見ごたえのある作品ばかり。子どもたちの作った絵本とPOPは岐阜市立図書館の展示グローブで展示していますので、ぜひ見てみて下さい。
初日の自己紹介タイムではまだ知らない同士、顔を見合わせ様子を探り合うみんなの心臓の鼓動が聞こえてくるような緊張感が嘘のように、最終日には元気いっぱいに笑い合い、たくさんの言葉を交わして別れを名残惜しむ姿をみて、4日間このメンバーで楽しく過ごせたことをとても嬉しく思いました。
岐阜市立図書館の子ども司書は、この4日間の講座を受けて終わりではありません。むしろここからがスタート。今回の講座期間中に1期生と4期生、二人の子ども司書が顔を出してくれました。講座を受けたときは小学校4年生だった1期生は、現在大学生に、4期生は高校生になっています。彼らが大学生や高校生になっても養成講座で出会った子と今でもつながり、いろいろな思いを共有していること、子ども司書としての活動が今の自分につながっていることを10期生に語ってくれました。彼女たちの言葉は大人の司書が語るどの言葉よりも実感のこもった言葉として子どもたちにも届いていたように感じ、10年続けてきた意味を感じました。今回新たに加わった10期生も、子ども司書であることを楽しみながら、活動を長く続けてくれると嬉しいです。