12月1日(日)、まちライブラリアン養成講座の選書ワークショップ、「とある一冊の本」をシビックプライドライブラリーで開催しました。講師の市川さんは、2022年よりいままでなかった新しい選書サービス「とある一冊の本」をオンラインでスタートし、新聞・ラジオ・テレビなどのメディアにも多数取り上げられています。今回は普段、市川さんがオンラインでされている「名前だけを手掛かりにする選書」を参加者の皆さんと体験しました。今日という日に偶然同じワークショップに参加したみなさんは会場に入られてすぐ、まず自分の名前を手書きで小さなカードに書いていただきました。手書きには、文字や書き方にその「人」が出るのだと、市川さんは言います。
市川さんから一人ずつ、自分が選書をする方の名前が書いたカードを手渡され、本を選びに館内へ。相手の、生まれてからずっと一緒にいる「名前」だけを手掛かりに30分間で本を選びます。みなさん迷いながら何度も名前が書いたカードを眺めたり、名前の意味を調べてみたり。手に取った本とじっくり見比べながら選ぶことを楽しんでいるようでした。中央図書館の50万冊超の蔵書からなかなか「これ!」という一冊だけを見つけるのは難しかったようで、ほとんどの方が2冊、3冊と選んで戻ってこられました。
全員が戻ってきたところで、円になって「どうやって選んだ本なのか」を共有。
「名前の響きが優しくて暖かいイメージだったので...」
「雪→北海道→シマエナガと連想ゲームのように発想を広げて...」
「字体がカクカクしてまじめな感じ。きっとこの方はコツコツやってきたんだろうなと思った」
などそれぞれ選んだ本への思いを語られ、最後に選んだ相手に本を手渡します。一生懸命思いを巡らせ選んでもらった本を手にした参加者のみなさんのうれしそうな顔が心に残りました。
普段自分ではいかない棚の、新しい本との出会いを楽しまれた方、「自分の名前にそういう意味があったとは!」と驚かれる方、「気になっていた本だったんです!」と喜びをあふれさせる方など会場内には本と名前に引き寄せられた偶然の出会いを楽しんだ方々の静かな興奮が感じられました。本を通じてつながった縁に思いをはせた、濃い時間となりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!