12月19日、トークセッション「ゆっくり、のんびり。ぎふで暮らそう」の第3回目を開催しました。今回は柳ケ瀬商店街で「ミツバチ食堂」や「ツバメヤ」を経営していらっしゃる岡田さや加さんと、三重県を拠点に出張料理教室「桂樹庵」を展開する岡田桂織さんと図書館長の3人によるトークです。テーマは「食と農のある暮らしを考える」でした。
まず、それぞれのおすすめ本を紹介しました。
岡田さや加さんの紹介した「覚悟さえ決めれば、たいていのことはできる」という本は経営危機に陥った無印良品を救った方の著書です。岐路に立たされた時、AとBどちらを選ぶかは大きな問題ではなく、自分が選んだ方にどれだけ覚悟をもって心血を注げるかが重要だという言葉が印象的だったとのこと。お店を複数経営しながら、柳商連(岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会)の副理事長も務めていらっしゃる岡田さんからは、普段から「覚悟」という言葉を感じると館長も返します。
次にゲストが今に至るまでの道のりを聞き、3人でトークします。
岡田さや加さんは23歳の時、柳ケ瀬でワッフル専門店をオープン。テレビに紹介されフランチャイズを展開するなど若くして成功しますが、次第に経営が苦しくなります。そんなある日、お店のスタッフが作ってくれた穀物菜食のお弁当を食べた時に体の中に大きなエネルギーが湧くのを感じ大変な衝撃受けたそうです。このことが「ミツバチ食堂」誕生のきっかけになりました。
岡田桂織さんは学生時代から環境保護の活動に積極的に参加してきたそうです。その中で有機農業を営んでいらっしゃる方々に出会ったことをきっかけに三重県でオーガニックレストラン「月の庭」を営んでいらっしゃいましたが、震災を機に閉店。現在は出張料理教室「桂樹庵」を展開することで環境の大切さを伝えていきたいとのことです。
3人のお話の中で印象的だったのが、3人とも鶏や鹿など、自ら食べる動物を絞めたことがあり、食べる人間の責任としてその感覚を知っておくこと、命をいただくということを実感することが重要だというお話です。
また、岡田桂織さんがおっしゃっていた、毎日おいしくご飯を食べることが、世界平和につながると考えていて、これからもおいしいごはんで笑顔を作っていきたいという言葉が心に残りました。
それぞれのゲストの生き方や考え方がとても興味深く、また普段当たり前になってしまい意識しなかった「食べる」という行為を改めて見つめ直すきっかけになりました。
参加していただいたみなさん、ありがとうございました!
【おすすめ本一覧】
(岡田さや加さん)
・「覚悟さえ決めれば、たいていのことはできる」 松井忠三/著 サンマーク出版
・「ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~」
影山知明/著 大和書房
(岡田桂織さん)
「メメント・モリ」 藤原 新也/著 三五館出版
「ココペリ」 ナナオサカキ/著 スタジオリーフ
(図書館長)
「ミミズのおっさん」長新太/著 童心社
「みみず物語―循環農場への道のり」小泉 英政/著 コモンズ