第4回トークセッション「ゆっくり、のんびり。ぎふで暮らそう。」を開催しました。

  • 2016年3月11日

2月27日(土)、トークセッション「ゆっくり、のんびり。ぎふで暮らそう。」を開催しました。第4回目となる今回のゲストは西願将也さん。メディアコスモスのすぐ近くにあるムレスナ紅茶専門店、annon tea houseの店主さんです。

今回は特別に、西願さんに紅茶を出していただくところからスタート!事前に作ってきてくださったセブンベリーロンドンという水出し紅茶です。おいしい紅茶にみなさんリラックスムードになります。

トークではおふたりの持ち寄ったおすすめ本を紹介しながら、西願さんが岐阜で紅茶のお店を開くまでについて語りました。
岐阜で生まれた西願さんですが、進学のため東京へ。大学在学中から「広告批評」という雑誌が主催する広告学校に通ったり、「SWITCH」という雑誌の編集部で働いたりしていたそうです。スタッフ募集の広告を見た「SWITCH」の現物も紹介本のひとつとしてお持ちいただきました。
卒業後も編集の仕事に携わったり、全く違う業種に就職したりといろいろなことにチャレンジしていたそうですが、ある仕事を辞めたタイミングで大学時代からお好きだったという放浪の旅に出ることを決意。沢木耕太郎著の「深夜特急」などに影響を受けて一年間アジアを横断し、そこで出会ったのがお茶だそうです。
中国の日本料理店でお茶をふるまわれた会が楽しかったことや、南インドで高熱が出て体力が落ちた時、出されたミルクティーを飲んでほっと生き返るような気分を味わったことなどを語ってくださり、その後の人生を変えた転機になったそうです。

第4回トークセッション1

少しお話を聞いただけでもお若いころから広い視野を持ち、それを実行に移す行動力もあったことが感じられ、岐阜でお店を開いていることが不思議にも思えます。ですがお店を持ってから、以前は自分が会いたい人に会いに行く立場だったため、会いたい人にしか会えなかったのが、誰かが会いに来てくれるのを待つ立場になり、それによって思いもよらぬ出会いが増えたことが面白いと語っていらっしゃいました。また、お店に差し込む日の入り方が変わったことなど、日々の小さな変化を感じるようになったそうです。

西願さんの話を聞いた館長は田口ランディ著の「根をもつこと、翼をもつこと」を紹介。ひとつのところに根をおろしながら、心は広い世界を見ているという意味で、一見正反対にも見えるこの二つの両立を目指しており、まさに西願さんはこれを実現していると語りました。

そして最後にもう1杯、今度はニューヨークオレンジという紅茶を入れていただきました。味見を繰り返しながらレモンをしぼったり砂糖を加えたりする真剣な様子は、先ほど朗らかに半生を語っていらっしゃった様子とはまた一味違い、プロの仕事を間近で見せていただくことができました。

第4回トークセッション2 第4回トークセッション3

岐阜で生きる様々な人を紹介するこの講座。また一人、素晴らしい方に出会えました。
参加者の皆さんからのアンケートでは、「いつも通っている紅茶屋さんの知らなかった一面を知ることができました。」「岐阜を意識する機会になりました。」「岐阜でお店を開いている方の話をもっと聞きたいです。」などの声をいただきました。参加してくださったみなさん、ありがとうございました!

【紹介本】
(西願さん)
・雑誌「広告批評」
・雑誌「SWITCH」
・「深夜特急」 沢木耕太郎/著 新潮社
・「表現者」 星野道夫/著 スイッチパブリッシング
・「ART of TEA」 ディヴィッド.K/著 京阪神Lマガジン
・「スパイス完全ガイド」 ジル・ノーマン/著 山と溪谷社
(吉成館長)
・「詩集 たいまつ」 むのたけじ/著 評論社
・「就職しないで生きるには」 レイモンド・マンゴー/著 晶文社
・雑誌「宝島」