平成29年4月30日(日)今年度第1回目の『子どもと本と遊ぶ日』を開催しました。昨年度も大変好評をいただいたこのイベント、今年度記念すべき1回目のゲストは、ある時はミュージシャン、ある時はマジシャン、そしてまたある時は翻訳家としてアメリカで大人気の絵本、『ねこのピート』などの翻訳と多彩な顔を持つMusic&Magicの大友剛さんです。
とってもいいお天気のゴールデンウイーク2日目、150名もの親子がイベントを楽しみにあつまりました。
まずはマジックショーからスタートです。
黒いレコードに赤いハンカチを通すと赤いレコードに・・・!茶色い袋に入ったピーナツバターと青い袋に入ったブルーベリージャムがいつのまにか入れ替わる瞬間移動・・・!袋に入れたトランプと、白い無地のハンカチ。取り出すと白いハンカチにトランプの模様が・・・!
目の前で次々に起こる不思議に、子ども達は目をくるくるさせながら歓声をあげていました。
会場がすっかり大友さんの空気に染まったところで次に大友さんが取り出したのはピアニカ。会場のピアノを弾きながら、ピアニカの演奏もするという、二刀流の技を披露!
続いての「人間ジュークボックス」では会場でリクエストされた曲を大友さんが即興で演奏するコーナー。ディズニーやジブリの名曲から星野源の「恋」と、大人も子どもも夢中になって聞き入りました。
最後は絵本ライブ。大友さんが翻訳された絵本の中から2冊。『さわってごらん!ふしぎなふしぎなまほうの木』と、『ねこのピート だいすきなしろいくつ』を読んでくださいました。まずはふしぎな魔法の木のおはなし。本のページにやさしく触れると幹と枝しかなかった木に葉っぱが1枚ずつ増えていきます。こすって温めると花が咲き、みんなで木に向かって声をそろえて「好き!!」というとふしぎな木は照れて赤い実をつけました。ページをめくるごとに新しい世界が広がります。
『ねこのピート』はアメリカで大人気のシリーズです。お気に入りの新しいまっしろなくつが赤くなっても、青くなっても、どろんこになっても、濡れてしまってもピートは泣きません。「あかいくつ、かなりさいこう!あおいくつ、かなりさいこう!」と歩き続けます。ピートのようにどんな1日も、「かなりさいこう!」と前を向けたら素敵ですね。大友さんのピアノに合わせて子どもも大人も一緒になって大きな声で「かなりさいこう!」とうたったあとは、なんだかピートに勇気づけられたような、すがすがしい気持ちでした。
絵本ライブで読んでいただいた絵本はどちらも、親子でお話しながら読んだり歌ったりするのにぴったりなお話です。図書館でぜひ手に取ってみてください。
大友さんのショーの後はカンチョーも加わって短いトークショーが行われました。テーマはお互いの子どもの頃好きだった絵本。お気に入りを3冊ずつ持ち寄ります。大友さんが紹介された『よあけ』は、静かな夜明けの湖の穏やかな様子が描かれている絵本です。特別なことが起こるわけではなく、派手さはないけれど、昔から"みんな仲良く一緒に"、"元気よく!"といった空気が苦手だったという大友さんは『よあけ』からにじみ出る穏やかさが好きだったとおっしゃっていました。
また、大友さん自身が大切にしておられるインドの子育てに関する言葉で、「人は迷惑をかけるものなのだから、迷惑をかけられても許してあげなさい」というものがあります。これは岐阜市立図書館が大切にする「子どもの声は未来からの声」にも通じる言葉ですね。15分ほどの短い時間でしたが、大友さんの歩まれてきた人生が垣間見えるような貴重なお話を伺うことができました。
イベントの最後にはサイン会もおこなわれ、たくさんの親子が絵本を手に取って最後まで楽しんでくださっていました。短い時間でしたがマジックに音楽に絵本と盛りだくさん、子どもたちの笑顔があふれる時間となりました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。これからも子どもと本と遊ぶ日では楽しいイベントをたくさん企画していきます。第2回もお楽しみに!
大友さんとカンチョーが紹介した絵本は下記のとおりです。すべて中央図書館に所蔵がありますので、ぜひ読んでみてくださいね。
≪大友さん紹介本≫
① ぼちぼちいこか 作/マイク・セイラー 絵/ロバート・グロスマン 偕成社
② よかったねネッドくん 作・絵/レミー・シャーリップ 偕成社
③ よあけ 作・絵/ユリ・シュルヴィッツ 福音館書店
≪カンチョー紹介本≫
① 馬鹿図鑑 作・絵/五味太郎 筑摩書房
② ごろごろにゃーん 作・絵/長 新太 福音館書店
③ 森の絵本 作/長田 弘 絵/荒井 良二 講談社