7月28日、31日、8月2日、3日の4日間、第3期子ども司書養成講座が開催されました。『子ども司書養成講座』とは、子どもたちが図書館で働く人の仕事について学び、読書の素晴らしさを友達や家族に伝えられる、『本と人とを結ぶリーダー』になることを目的としてはじまり、3回目。これまで1期2期それぞれ20名ずつ計40名の子ども司書が生まれています。この子ども司書養成講座は大人気で、今年も20名の募集に対して応募はなんと82名。3期生の中には、1期も2期も応募したけど抽選に外れてしまって、3回目でやっと!と嬉しそうに話してくれる子もいました。今年も講師は、東海学院大学教授のアンドリュー・デュアー先生と図書館の吉成カンチョ―です。
初日の朝、初めて顔を合わせる人ばかりで、緊張感もありましたが、図書館が好きでメディアコスモスに何度も通ってきてくれている子も多く、養成講座を楽しみにしてくれていたそうです。
図書館司書というとカウンターで本の貸し出しや、返却をしている姿を思い浮かべる人が多いと思いますが、利用者の求めている本を探すお手伝いをする「レファレンス」や「おはなし会での絵本の読み聞かせ」、「選書」や「本の修理」などその仕事は多岐にわたります。子どもたちはこれら一つ一つをデュアー先生や実際に働く司書さんから習いました。
みんなの顔は真剣そのもの。本の分類や修理は難しい作業になりましたが、昼休みになっても分類表と解答を見比べている子がいるなど一生懸命取り組む様子が印象的でした。講座の中で心を込めて修理して生き返らせてくれた本は書架に戻され、また利用者が手に取ることができます。
また、最終日にカンチョ―からおはなしもありましたが、岐阜市の子ども司書に求められるのは、『自分で考え、自分の言葉で伝える力』。本と人とを結ぶリーダーになるには欠かせないこの力をつけるために、養成講座では、ブックトーク、絵本作り、ポップづくりなど、自分の考えを伝える練習、形にする練習もたくさんしました。
本を読むのが好きな人でも、自分の大好きな本がどれだけすてきか、「読んでみたい!」と思わせるように上手に伝えられる人は少ないのではないでしょうか。トークを終えた人が次の人を指名する指名制にドキドキしながらも、指名されるとみんな自分の言葉できちんと語ることができていました。中には「登場人物は桜色の女の子とねずみ色の男の子で・・・」など、本を読んだイメージを素敵に表現している子もいて、子どもたちの感性の豊かさに感心させられました。
絵本の製作では、3期生の子ども司書たちの集中力にも驚きました。いちからストーリーとコマ割を考え、1ページずつ丁寧に下絵を描いていました。最終日に一人ひとり発表してもらいましたが、練られたストーリーと丁寧に描かれた絵は本当に短い講座の中で作ったとは思えない完成度。「絵本作りは難しかったけど楽しかった!」「これからは本を書いた人の気持ちも考えながら本を読みたい」という感想も多く、『本の作り手』の苦労を垣間見た子どもたちはきっと子ども司書として今まで以上に本に親しみ、たくさんの言葉を発信してくれると思います。
最終日、全員で4日間の全16講座のふりかえりを行い、これから子ども司書としてどんなことをしていきたいか、決意表明をしてもらいました。「エプロンをつけてカウンターに立ちたい!」「ラジオをがんばりたい」「もっと長い絵本や物語を書いてみたい」「学校の図書室を盛り上げたい」それぞれ自分の思いを自分の言葉でしっかり語ります。小さな司書たちの姿はとても大きく、頼もしく見え、これからどんなことを彼らとやっていけるか、とても楽しみになりました。
図書館を大切に思ってくれている彼らのような子どもたちが、おとなになっても来たいと思える図書館を作っていきたい、子ども達といつもわくわくを共有していきたいと3期生の彼らと一緒に過ごして改めて感じた4日間でした。
3期生をむかえ、子ども司書は60名に。3年目を迎え今までできなかった新しいことも、できるようになるかもしれません。子ども司書たちの活動の今後にご期待ください!