「たくさんのふしぎ」を見つけてみよう!!

  • 2017年8月26日

8月11日(金)、中央図書館の児童のグローブにて、「子どもと本と遊ぶ日 スペシャル! ―数と人間のたくさんのふしぎ―」を開催しました!

ゲストは、数学を研究している、独立研究者の森田真生さんです。
今回は、小学校3年生から高校生までを対象に、「数と人間のふしぎ」についてお話ししてくださいました。

会場となった、メディアコスモス2階の「児童のグローブ」でトークイベントを開催するのは今回が初めてです。大きなグローブの下、丸いオレンジ色の絨毯の上に小学生を中心に約50人の子どもたちが集まりました!その周りには、中高生や保護者の方も集まっています。 さて、どんなお話が始まるのでしょうか?

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最初に森田さんは、スクリーンに映し出された図を見せて「白い丸と黒い丸はどっちが多い?」と質問。
子どもたちが多いと思った方に手を挙げます。 答えはというと...白い丸も黒い丸も同じ数でした。(笑)

人は真ん中にあるものの方が多いと感じるそうです。また、人はぱっと見ただけではそこにあるものの個数がわからないそうです。
言われてみるとそうですね。ローマ数字もただ棒の数だけが増えていったらわからなくなるから形を変えて表現しているのだとか...。

「数というのは、人間が作った約束事です。」 と森田さん。

「『5個』のリンゴはあっても、『5』そのものはどこにもない。」
『1』そのもの『2』そのもの『数』そのものは目には見えません。 それでも、『数』の概念はわたしたちにあります。

「数学とは、この世のどこにも無い「数」について研究することです。―― 数学者はそもそも『数』とは何なのか?を考える仕事で、みんながいつも使っているのに存在しないものについて研究しています。」

もりたさん3_s.JPGそして話はまだまだ続きます。
目に見えないけど確かにあるものは、『数』だけではないようです。
「うれしいとか、かなしいという感情はどこにあるのでしょうか?―― 心はどこにあるのでしょうか?」という森田さんの問いかけに、参加した子から 「心は体のどこにでもあるっ!」という答えが!鋭い感性の答えに森田さんも驚いていました。

「うれしそうにしているお母さんのいるそこで僕もうれしくなる。かなしい人といっしょにいて、自分もかなしくなるからかなしいがわかる。」
心は、移動したり、外からやってきたり、通いあったり、本当は心はすごく大きいのかもしれません。
「僕には僕しか感じることの出来ない世界があってこの世界の見え方も人それぞれ全く違うのではないか。――もし、この世界をアリのからだを通して見たら全然違う「数学」が見えるのではないか? 」

そこで、植物の葉にたまった雫を両手で抱えるアリの写真が映し出されました。

「アリは一度に一個の食べものしか持てない。 アリの概念に『2』や『3』がなかったら『1』もないのではないか? 」
大きな水滴を抱えるアリの体験は、一つの大きな『1』を体験しているようにも見えます。もしかしたら、アリにはアリの世界の『数』があるかもしれません。

森田さんの1時間のトークはあっと言う間で、子どもたちからは自由に声が上がり、森田さんと子どもたちの心の距離はとても近く感じられました。

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森田さんは『数』は心と同じように、ふしぎで美しいものだと考えているのだと伝わりました。

今回は、数の世界のふしぎのお話でしたが、身の回りには、まだまだ「たくさんのふしぎ」があります。子どもたちには「たくさんのふしぎ」を見つけて、興味を持って、楽しんでほしいです。
世界にあるふしぎに目を向けると好奇心でいっぱいになります。 自分を取りまく世界がこんなにもふしぎに満ちているんだと知ると、楽しくなってきちゃいますよね。