「本de子育てカフェ~中高生編~」を開催しました

  • 2018年2月23日

  2018年2月3日(土)に「本de子育てカフェ~中高生編~」を開催しました。
「本de子育てカフェ」は子育てに奮闘中のみなさんのための、図書館講座のシリーズです。
今回は「ヤングアダルト、若者のための小説」と題し、講師に翻訳家の金原瑞人さんをお招きしました。
金原先生はこれまでに500冊を越える本を翻訳し、ご自身もエッセイや書評を執筆されている人気作家です。
イベントには子育て中のみなさんだけでなく中高生、金原先生のファンや文学ファンの方々にも多数ご参加いただきました。

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「ヤングアダルト」または「YA」)とは、文字どおり「若い大人」のことで、13歳~19歳くらいの子どもと大人の間の世代を指します。講師の金原先生はヤングアダルト世代向けのブックリストを多数出版されており、ヤングアダルトという分野を日本に定着させた第一人者でもあります。 ヤングアダルト小説は大人が読んでも楽しめるジャンルですが、金原先生は「今日は、この本が感動する、という話はしません!」と宣言。良いカウンセラーや良い友達が人によって違うように、だれが読んでも面白いという本はないからだとおっしゃいます。そういうわけで、今回の講座では若者のための本がどのようにして生まれたのかをテーマにお話してくださいました。 ヤングアダルト小説の歴史はまだ浅く、1970年代後半頃のアメリカで誕生したジャンルだそうです。そもそも大人と子どもの間に若者という概念が誕生したのが1950年頃のこと。粘土板からはじまる本の歴史の中ではずっと最近のことですね。いろいろな価値観が登場し変動する中で社会が「子ども」「若者」「大人」の3層になり、若い人々が直面している問題を書いていかなくては!という作家が登場しはじめます。この頃アメリカ公共図書館協会の調査により、成人以降に読書をする人は、その習慣を中高生時代に身につけていることもわかったそうです。 金原先生自身も本をよく読むようになったのは中学生くらいからのことで、小学生のころはあまり読まなかったのだとか。うちの子は本が嫌いみたい...という親御さん、子どもさんが読書にはまるタイミングがこの先突然やってくるかもしれませんね。図書館ではこれからも若い人たちの読書を支援していきたいと思います。

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2017年度に3回シリーズで行った「本de子育てカフェ」は、2018年度も引き続き開催する予定です。
随時お知らせしてまいりますのでお楽しみに。