7月25日、27日、30日、そして8月3日の4日間、第4期子ども司書養成講座が開催されました。
『子ども司書養成講座』とは、子どもたちが図書館で働く人の仕事について学び、読書の素晴らしさを友達や家族に伝えられる、
『本と人とを結ぶリーダー』になることを目的としてはじまりました。
今年で4回目の開催となり、これまでに60名の子ども司書が誕生し、学校で、家庭で、そして図書館で活動しています。
この子ども司書養成講座は毎年大人気で、今年も20名の募集枠に対して応募はなんと61名。
たくさんの応募の中から厳正な抽選で選ばれた小学4年生から中学3年生までの20名が集まりました。
今年も講師は、東海学院大学教授のアンドリュー・デュアー先生と岐阜市立図書館の吉成カンチョ―、そして司書さんたちです。
養成講座初日の朝は、まだみんなの顔も緊張して、ピリッと固い空気が流れています。
これから4日間がどんなものになるのか、私たちもドキドキ、ワクワクしながらこの日を迎えました。
「どうしてこの子ども司書養成講座に参加しようと思ったの?」カンチョ―が聞くと、友達が子ども司書3期生で楽しそうだったから、とか、夏休みの自由研究にするため!とか、お母さんが勝手に・・・とか、自由にみんな答えてくれて、空気がふっと柔らかくなりました。「本が好きで、将来司書さんになりたいから」といううれしい答えもたくさん。
子ども司書養成講座では、利用者の求めている本を探すお手伝いをする「レファレンス」や「おはなし会での絵本の読み聞かせ」、「選書」や「本の修理」など多岐にわたる司書の仕事を、時にはワークショップや体験を通して習っていきました。どの子もしっかりメモを取り、真剣な顔で修理や本の分類などの難しい体験にも取り組みました。
4年生から中学3年生と年齢の幅はありますが、最初こそ固かったもののそんな年齢差は感じさせないやわらかな雰囲気。相談したり助け合ったり楽しくおしゃべりしたりしながら4日間を過ごしました。
また、岐阜市の子ども司書に求められるのは、『自分で考え、自分の言葉で伝える力』。
たくさんの情報があふれる世界で、私たちは何が大切なのかを、選んでいかなければいけません。
そして、考え、たしかめ、自分の言葉にしていく。本と人とを結ぶリーダーになるには欠かせないこの力をつけるために、
養成講座では、ブックトーク、絵本作り、ポップづくりなど、自分の考えを人に伝える練習、形にする練習もたくさんしました。
絵本作りの時間には、一からストーリーとコマ割りを考え、丁寧に下書きをして色を塗って・・・世界に1冊だけの自分の絵本を作りました。絵本作りの講座の前日に「どんなお話にしようか、考えてきてね」といったら、お昼休みにノートにびっしりとストーリーや登場人物のキャラクター設定を書いたものを見せてくれる子が何人もいてびっくり。
悩みながらも丁寧に書き続け、絵本というよりは小説、ショート・ショートに近いような作品を仕上げる子もいました。ポップづくりの講座では、短い言葉でぐっと人を惹きつける言葉選びをしていて、言葉に敏感で感受性の豊かな子どもたちに驚かされました。絵本やポップは会場に展示し、みんなで本屋さんで立ち読みをするように、見せ合いっこをして楽しみ、それぞれのお気に入りを発表したりもしました。
最後に4日間のふりかえりをしてカンチョ-とデュアー先生から子ども司書認定書と認定カードを受け取り、
4期生の子ども司書養成講座は終わりました。でも、カンチョ―も言っていたように、ここからが『始まり』です。
これから、家庭で、学校で、そして小さな司書のラジオ局で、本と人とをつなぐ子ども司書としての彼らの活動が始まるのです。
「ラジオに出てみたい」「もっと長い絵本や物語を書いてみたい」「本が嫌いな友達を振り向かせたい」
みんな4日間の自分の思いを自分の言葉でしっかり最後に語りました。
生まれたばかりの小さな司書たちの姿はとても大きく、頼もしく見え、これからどんなことが始まっていくのか、とても楽しみです。