いよいよ2020年1月からNHK大河ドラマ"麒麟がくる"の放送が始まります。斉藤道三の国盗りから本能寺の変までを、明智光秀の視点から描く意欲作。2019年度最初の「おとなの夜学」では、ドラマ前半の舞台となった井ノ口(後の岐阜)の状況を岐阜市歴史博物館学芸員の中島さんをゲストに招き、おさらいしました。
司馬遼太郎さんが大河ドラマにもなった「国盗り物語」を描いてから半世紀近くが経とうとしています。前半は「美濃の蝮」と呼ばれた齋藤道三が油売りから美濃国の当主に成り上がるまでが描かれるサクセスストーリー。後半は道三がその才能を見込んだ光秀と信長を主人公に、信長が天下統一を目前に本能寺の変に倒れるまでが描かれます。
私たちが斉藤道三をイメージするときはいつもこの「国盗り物語」で描かれた道三が基になっています。しかし現在分かっている史実によれば、道三は一代で成り上がった訳ではなかったらしいことなど、少々ロマンの無い事実も認めざるを得ないようです。土岐氏や六角氏、浅井氏ら周辺との関係や思惑。そして道三や光秀、信長はもちろん、斉藤義龍や濃姫らとの人間関係など、乱世の中心にあった岐阜が半世紀を経てどんな描かれ方をするのか。大河ドラマ「麒麟がくる」がますます楽しみになってきました。