2019年8月25日(日)、「本de子育てカフェ~中高生編~」を開催しました。「本de子育てカフェ」は子育てに奮闘中のみなさんを応援する図書館シリーズです。
今回、お越しいただいたのは児童文学作家のはやみねかおる先生。はやみね先生は「都会のトム&ソーヤ」や「怪盗クイーンシリーズ」など児童のためのミステリーを数多く出版されています。中高生のとき、さらには大人になってからも夢中で読んだという思い出のある人も多いのではないのでしょうか? 今日のお話では、先生の学生時代の悩みや子育てへの考え、創作秘話などについてお伺いしました。
○不思議!ペットボトルから抜けない棒
まず、はやみね先生が見せてくださったのは、ペットボトルに入った木の棒。木の棒の先にはボルトがついていて、ペットボトルの中から引き抜くことができなくなっています。道具を見て「?」となった私たちにはやみね先生は「これがぼくの仕事です。」とおっしゃいました。最初に謎を出し、ここあやしいんちゃうか?というところをにおわせ、そうではないことをばらし、読者にあれっ!と思わせ、探偵がサッと解決し、読者を爽快な気分にする。これが先生のミステリーだとおしゃるのです。一見関係のない道具から自身の創作方法につなげるあざやかな説明でした。
○先生も悩めるYA(ヤングアダルト)だった
そんな先生も学生のころは私たちと同じ悩みを抱えていたというのです。モテなかったこと、勉強がヤバかったこと、応募した賞に落選したこと、自信を持てなかったこと、将来が不安だったこと。よくYA交流掲示板(岐阜市立中央図書館のYAエリアにあります)に投稿される悩みと同じです。児童文学大作家の先生も私たちと同じ悩みを持っていたと思うと心強いですね。
○これからの子どもたちへ
そんな悩みを乗り越えてこられたはやみね先生は「上手なうそがつける子どもを育ててください」とおっしゃいました。海外の劇場の出来事を例に挙げ、上手なうそは人を助ける力があると話してくださいました。また、参加者を巻き込んでのバーベット(bar bet:酒場での賭け)の実演では、「上手なうそ」は人を楽しませてくれることを教えてくださいました。(本当のバーベットは絶対に受けてはいけないと念押しをされて。)では、極上の上手なうそはどこから学ぶのか。それは、ミステリーの中だとおっしゃるのです。「上手なうそ」は読書から生まれ、読書は生きるために必要な「人生を楽しむ力」のひとつとなりえると教えて下さいました。
気さくで聴衆一人ひとりを大切にしてくださったはやみね先生。「はやみね先生を知らなかったけど子どもに誘われてきてよかった」と話してくださった参加者の方もいる、親子で楽しむ会になりました。次回の「本de子育てカフェ」は赤ちゃん編を9月12日に、児童編を来年2月8日に行います。乞うご期待!