11月3日(日)文化の日、当館の秋の名物イベント「第5回ぼくのわたしのショートショート発表会」を開催しました。出演者は朝井リョウさんと8人の中高生(映画のサブタイトルみたいでかっこいい!)です。このイベントは何といっても直木賞作家のお話が聞ける貴重な機会なわけですが、中高生たちの感性あふれるショートショートを楽しむことができるのも醍醐味です。
今年もたいへんに粒ぞろい。中学生3人、高校生5人の作品が朗読発表されました。朝井さん曰く「小説を書くということは世界をどう見つめるか」ということなのだそうです。なるほど確かに今回出演してくれた8人が世界をどう見つめているのか、その作品からうかがい知ることができます。本棚に横たわっている本や弱々しく飛ぶ羽虫を起点に物語が展開する作品、いじめの被害者ではなく加害者の視点で書かれた作品もありました。8人がそれぞれの世界の見つめかたを物語として昇華し、「ぼくわた」を盛り上げてくれました。朝井さんの話術はラジオ番組同様に軽妙で楽しくて、それでいて学生たちに真摯に誠実に向き合ってくださいました。中高生たちの作品のいいところを巧みに解説していただき、朝井さんあっての「ぼくわた」ですね。
朝井さんのお言葉を借りれば、小説は100%自由です。潔白さも、求められているものもありません。図書館としては来年度もこのイベントは実施したいと考えていますので、ぜひ自由な世界を楽しみながら小説を書いて「ぼくわた」に応募してください!