岐阜に生まれた美の巨人、原三溪

  • 2020年2月28日

 2月の「おとなの夜学」は岐阜に生まれた美の巨人、原三溪。原三溪は、明治から昭和にかけて生糸貿易で財を成した実業家にして(経営していた富岡製糸場は世界遺産として有名ですね)古美術・近代日本美術のコレクター、新進画家のパトロン、さらに自らも絵筆をとる文人であり茶人です。
 原三溪柳津文化の里構想実行委員会副会長もつとめる林憲和さんと、岐阜県歴史資料館学芸員の入江康太さんにお越しいただき、それぞれの立場から原三溪のさまざまな顔についてお話をしていただきました。
 岐阜で生まれた原三溪は、横浜の原家に婿入りしてからも岐阜のことは故郷としてずっと気にかけていたようです。濃尾震災のときには親族だけでなく近所の人にまで見舞金を配りました。その後、横浜を含む地域が関東大震災によって壊滅的な打撃を受けたときには横浜市復興会会長に就任し、横浜市民の心をまとめ上げて復興に貢献したのでした。
 ビジネスだけではなく、茶や芸術といった文化振興に尽力し、なによりも社会のために力を尽くす姿こそが原三溪の真髄であると感じました。
 岐阜から生まれた明治の偉人原三溪、我々現代の人間も、今一度その精神を学ぶべきときなのかもしれません。

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