8月2日(月)、8月4日(水)の2日間、第7期子ども司書養成講座を開催しました。『子ども司書養成講座』とは、子どもたちが図書館で働く人の仕事について学びながら、本を読んで生まれた気持ちや思いを友達や家族に伝えられる、『本と人とを結ぶリーダー』になることを目的としてはじまりました。これまでに110名の子ども司書が誕生し、学校で、家庭で、そして図書館で活動しています。昨年に続きコロナ禍の影響で例年4日間の講座を半分の2日間にぎゅっと凝縮し、定員も密にならないために小学4年生から6年生までの10人での実施です。10人の定員に52人の応募があり、抽選で今年も参加メンバーが決定しました。講師は開館当初から岐阜市の子ども司書たちを見守ってくださっている東海学院大学教授のアンドリュー・デュアー先生と、吉成信夫ぎふメディアコスモス総合プロデューサー(Pさん)、そして図書館で働く司書さんたちです。
講座では、「おはなし会での絵本の読み聞かせ」や「POPづくり」、利用者が求める情報や資料探しをお手伝いする「レファレンス」など多岐にわたる司書の仕事を、体験やワークショップを通して学んでいきます。子どもたちは楽しみながらも真剣な顔でレファレンスや本の分類など、難しい体験にも取り組みました。
<本の分類体験>
この本はどこにあったら便利かな?みんなで相談して分類しました。
<レファレンス>
司書役と利用者役に分かれて、探し物のお手伝いを体験します。
岐阜市の子ども司書には、『自分で考え、自分の言葉で伝える力』を大切にしてほしいと思っています。たくさんの情報があふれる世界で、何が大切か考え、たしかめ、自分の言葉にしていく。本と人とを結ぶリーダーである子ども司書に欠かせないこの力をつけるために、講座ではブックトーク、POPづくりなど、自分の考えを人に伝えるってどういうことなのか、いろんな方法で体験していきます。 プログラムが始まったばかりのころは表情も固くよそよそしかった7期生のみんなですが、みんなの飾らない『素』が垣間見えたのが1日目の午後、『おはなし会の実践』後の休み時間のことでした。その時間は新聞記者さんが取材に来ていて、みんなの練習の様子や発表を見学した後、「何人かから感想を聞くことはできますか?」と申し出がありました。それを聞いた瞬間、ほとんど10人全員から勢いよく「はいっ!!」と手が挙がったのです。記者さんが話したい子全員の話を順番に聞いてくれることになったのですが、言葉があふれて止まらないといった様子で我先にとおはなし会の体験の感想や今後やっていたいことを語るみんなを見ながら、何かとてもおもしろいことがこれから始まるような、子ども司書の中に新しい風が勢いよく吹いたような、そんな気がしていました。
そのあとの体験でも司書役と利用者役に分かれ、協力して図書館の書架から本を探したり、この本を探すなら、どこにあれば便利かな?と考えながら分類番号をつけてみたり・・・限られた時間の中でどの体験もみんな意欲をもって積極的に取り組んでくれました。
<ブックトーク>
おすすめの1冊の魅力を自分の言葉で語ります。
<図書館探検>
普段は入れないところも、Pさんの案内で探検しました!
2日間の講座は本当に「あっ」という間。司書という仕事の奥深さも、これから子ども司書として活動していくことの面白さも、この短い時間ではなかなか伝えきることはできませんが、今回ちらっとのぞいてみた『図書館』という世界が、7期生のみなさんにとってわくわくするものであったなら、これほどうれしいことはありません。養成講座を終え、子ども司書となったここからが『始まり』です。これから、家庭で、学校で、そして小さな司書のラジオ局で、本と人とをつなぐ子ども司書として、どんなことができるでしょうか。7期生を迎えて総勢120名となった岐阜市の子ども司書たちにご期待ください。