さて、今年もいよいよ『ぼくわた』の季節がやってきました!今回のブログは、去年に引き続きこの『ぼくのわたしのショートショート発表会』を担当するYA担当の司書Tがお送りします。
『ショートショート』、その名が表す通り、『短い小説』のことをそう呼びます。最近では10分で読める!とか5分後にまさか!とか、そうタイトルに冠されたショートショートの作品集も増えてきました。(中央図書館のYA書架には9類(文学)やF(日本の小説)のコーナーにありますので、興味が湧いたらぜひ手に取ってみてくださいね!)
スキマ時間や通学時間にも読むことができて、中高生世代のみなさんにも人気のショートショート。そんなショートショートを中高生世代のみなさん自身に書き上げてもらい、直木賞作家の朝井リョウさんに読んでもらう――、岐阜市立図書館の人気イベントもついに今年で8回目。今年集まった作品は、なんと過去最多の171作品!それまで最多だった去年を超えて集まった作品たちに、私たち担当もうれしい気持ちでいっぱいです。
集まった作品はすべて朝井さんにも読んでいただき、オンラインミーティングのZoomを使った打ち合わせで、当日朗読してもらう作品を選考していただきました。打ち合わせ当日は落ち着いた雰囲気を醸し出せるように努めていた私含め担当2人でしたが、やはり緊張しました。毎年驚かされることなのですが、緊張しっぱなしのそんな私たちに対しても、朝井さんは驚くほど気さくに話してくださいます。
そうして今年も、8作品が朝井さんに選ばれました。ここで、その作品のタイトルを紹介したいと思います。
①きっと左利きでAB型で2月29日生まれな君へ
②丸眼鏡
③嫌いなこの子
④メダカ町
⑤五百文字タイムトラベラー
⑥朝のグラウンドは優しい
⑦宇宙人
⑧山蛍
タイトルを見ただけでも、いったいどんな話なんだろう?と想像が膨らみますね!
「あってはならない感情なんて、この世にないんだから」
こちらは朝井さんの著作、「正欲」(新潮社刊)の一節です。清々しい感情も鬱々とした感情も、すべての感情を肯定してくれるようなこの言葉。自分が感じたことを伝えること・表現することの難しさと、それを分かち合う大切さをこの一節を読んだときに感じました。今回作品を応募してくれたみなさんにも、それぞれにいろいろな思いがあっただろうなと思います。応募してくれたひとりひとりに感謝しています。本当にありがとうございました!
中高生世代がたくさん悩んだり考えたりして生み出した作品にこめられた、色とりどりの感情たち。そんな感情の結晶をみなさんも見届けませんか?選考された作品の作者本人による作品の朗読と朝井さんの講評を聞くことのできる「ぼくのわたしのショートショート発表会」は 10月30日(日)に開催。会場観覧とZoom観覧、どちらもまだ募集中ですので、興味のある方はぜひ申し込みをお願いします!