ブログ

 岐阜市がモデルのテレビアニメ『小市民シリーズ』が7月から9月にかけ、放送されていました。『小市民シリーズ』は岐阜出身の作家、米澤穂信さん原作の小説で、"小市民"として生きていくため互恵関係を結んだ小鳩くんと小佐内さんのコンビが日常で出会う謎を解いていく物語。アニメ化された『春期限定いちごタルト事件』と『夏期限定トロピカルパフェ事件』を見ていると、岐阜市内の風景がたくさんでてきてとっても嬉しくなりました。

 岐阜市全体で、このアニメ化を盛り上げようとこの夏から秋にかけて様々な動きがありました。ARのスタンプラリーなどにチャレンジした方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして図書館でも司書が展示をしていますが、この作品をこよなく愛するぎふライブラリークラブ"TVアニメ『小市民シリーズ』を盛り上げよう会"が、作中に登場する場所と思われる場所をまとめた「聖地巡礼マップ」を作成しました。公式の聖地巡礼マップもありますが、それとは別にメンバーひとりひとりが思い入れのある『ここは載せたい!』と思う場所を自ら訪れて写真を撮り、コメント付きで作成したここにしかない手作りの聖地巡礼マップです。
小市民3.jpg

「地元に住んでいても気が付かなかった風景をきれいに切り取ってくれたのが嬉しかった」
「今まで気にもしなかった風景がアニメでは心象風景として象徴的な使い方がされていた」
「ここが使われるんだ!という意外な場所が登場して驚いた!」など、アニメの話で熱く盛り上がりながら楽しんで作成しました。
小市民1.jpg

メディアコスモス1階のまちライブラリー@メディコスに現在展示中!アニメの登場人物の等身大パネルの横に飾られています。暑い夏が終わり、さわやかな秋晴れが続いています。この秋は小市民シリーズの聖地巡礼、してみませんか。
小市民2.jpg

 岐阜市と一宮市は、市民サービスを向上し、両市の抱える課題を解決するとともに、濃尾地域の活性化を目指し連携していくことを令和51120日に表明しました。連携の愛称を「NOBI(のーび)プロジェクト」と名付け、様々な分野で連携事業を進めています。
 岐阜市立図書館では「子ども司書養成講座」、一宮市立図書館では「子ども司書講座」を毎年開催しています。そこで、図書館の連携事業としてお互いの子ども司書が作成したポップを交換展示していますのでぜひご覧ください!

一宮市立図書館では5階カウンター南側にて同じ期間に岐阜市立図書館の子ども司書が作成したポップを展示しています。

期 間: 令和6108日(火)~20日(日)
場 所: 岐阜市立中央図書館 展示グローブ内
問合せ: 岐阜市立中央図書館 TEL/058-262-2924

画像1.jpg

 急に季節が進んだように朝晩肌寒さを感じるようになってきました。秋の気配を感じたら今年もそろそろ、岐阜市立図書館恒例イベント、「ショートショート発表会」の季節です。

 第10回 めざせ直木賞作家!ぼくのわたしのショートショート発表会。岐阜出身の直木賞作家、朝井リョウさんをお招きして中高生たちが舞台上で自作のショートショート作品を朗読する、という企画で開館からずっと続く岐阜市立図書館の毎年の人気企画となっています。今年は10回の節目ということもあり、朝井リョウさんと同じく岐阜県出身の小説家、中村航さんもご参加くださいます。

 今年の応募総数は過去最多の232作品が全国から届き、嬉しい悲鳴を上げていました。先日図書館の担当者と朝井リョウさん・中村航さんとの打ち合わせで、当日発表会で朗読される8作品の選考が行われました。

 

 今年選ばれた作品は、こちらの8作品!

 1.永遠の二千秒

 2.小春日和

 3.ミュージックミラー

 4.熊の彼氏

 5.オオタニ

 6.りなちゃんの福祉作文

 7.ある断熱材と話した日

 8.イマジナリー公園散歩日記

 

 今日お伝えできるのはタイトルだけです。どんな作品なのかは当日までお楽しみですが、「どんな作品なんだろう?」とワクワクしますね。朝井さんは毎年応募作品すべてに目を通されるのですが、選ばれるのは、王道の「ショートショート」と呼ばれる作風のモノや、精度が高く、整っている作品ばかりではありません。今回の選考作品に対して朝井さんや中村さんから何度も出たのは「この作品の作者に会ってみたい!」「この子聞きたいことがありすぎる!」という言葉。作品として平均点以上だとしても、「おもしろい!」という一行がなければ選ばないかもしれないし、逆にその一文があれば、それだけで選べるのだ、と朝井さんは言います。

 「どうしてこのテーマなんだろう」「ペンネームがまた最高で気になる!」真剣に話し合いながらも1つ、また1つと選考作品が決まるにつれて今年のショートショート発表会本番に向けてのワクワクが高まり、終始笑顔の絶えない選考会でした。選考会のあと、今回初めて参加くださる中村航さんから、「杓子定規じゃない"おもしろさ"がこの発表会のいいところなんですね」とポツリ。10年をかけ朝井さんが作ってくださった、この「ぼくわた」唯一無二のおもしろさを感じに、ぜひ当日は会場にお越しください。

 発表会で朗読されると、文章を読むのとはまたちがった雰囲気をまとい、楽しめます。113日(日・祝)第10回ぼくのわたしのショートショート発表会はただいま会場観覧、Zoom観覧ともに申し込み受付中です。

 知らなかった岐阜を知る「みんなの図書館 おとなの夜学」を令和6年9月14日に開催しました。今年度最初の夜学は、図書館を飛び出して岐阜市美殿町にある喫茶店FIELDで開催しました。

 美殿町は柳ケ瀬の東側に位置し、レンガの石畳とガス灯が今も健在の商店街。メイン通りから少し入ったところにある喫茶店FIELDは1984年に私設貸本喫茶としてこの地で創業。緑多い古民家に一歩入れば時の流れが緩やかな寛ぎの空間と、時代と共に人と街を見てきた多くの本が本棚に並びます。
 柳ケ瀬は美川憲一さんの「柳ケ瀬ブルース」など、昭和最盛期の岐阜の象徴として大きな主語で語られることが多いですが、今回は参加した多様な年代の方たちが語る「柳ケ瀬とわたし」という目線から柳ケ瀬の多面的な魅力(魔力?)を共有しました。会場には黄金時代を知る大先輩から20代までの幅広い方が集まりました。

 最盛期の1970年代は複数の映画館でオールナイト上映を見たり、自由書房と大衆書房の存在が「柳ケ瀬=都会」を印象づけていました。夜はスナックやキャバレーが多く『学校の通学路に柳ケ瀬があったので、普段とは違う大人の文化や世界を見られた』『職場以外のいろんなつながりを持てる場所』と多様な経済やサイクルに触れ経験できる一面が見えました。
 また『大人に叱られたのが新鮮だった』と、若者にさり気なく手助けしてくれる、いい意味でおせっかいなコミュニケーションがいまも健在なエピソードも出ました。
feld_022.jpg
 柳ケ瀬は『90%以上は『自分』が揺らがない人のお店』などキャラが濃く近寄りがたいものの、『昔の柳ケ瀬を知る人と、何の気なしに話せる』と、気さくな面も垣間見えます。あらゆることに柔軟な気質は、 岐阜人らしさの現れではないかな、と思いました。

 後日おとなの夜学ホームページにてイベントの様子を記録した動画がアップ予定です。気になる方はぜひ動画をチェックしてみてくださいね。
おとなの夜Youtubeページ(別のページに移動します)

 915日(日)、「地域よみきかせボランティア育成講座 ~明日につながる読み聞かせ~」が開催されました。
今回の講師としてお招きしたのは、犬山市で「犬山どんぐり文庫」を主宰していらっしゃる、古川よし子さん。
「犬山どんぐり文庫」は古川さんがご自宅を開放し1992年に始められた会員制の図書館で、たくさんの子どもたちへの読み聞かせや貸出を行っていらっしゃいます。およそ100人の子どもたちが登録しており、読み聞かせは毎回7080名ほどが参加する盛況ぶり。2018年には子どもの読書活動への長年の貢献を認められ、文部科学大臣表彰を受けられました。小学校や保育園でも読み聞かせを行うなど、子どもたちと絵本をつなぐ活動を精力的に行っていらっしゃいます。

 今回はそんな古川さんに、古川さんの読み聞かせの原点や子育て、絵本の選び方、ボランティアをするうえでの大切なことなどを教えていただきました。古川さんの子育て体験なども交えたお話に笑いもこぼれる和やかな雰囲気の中、受講された皆様は真剣な様子でメモをとり、お話に聞き入っていました。「上手に読もうとするよりも、良い本を選ぶことが大事」とお話された古川さん。年齢に合っていること、長年読みつがれた絵本であること、物語の主人公に心が揺さぶれるものであること...。選書のポイントについても語ってくださいました。

「美しい日本語で書かれたものを選ぶこと、それが子どもの心に落ちて芽吹く」というお話や、「読んでもらう本の内容より親と一緒にいられる時間が、子どもにとって大切なものになる」といった、心に残るお言葉をたくさんいただいた講座でした。古川さん、素敵な時間をありがとうございました。
地域よみボラ ブログ用01.jpg  地域よみボラ ブログ用02.jpg

 9月7日(土)小松子ども司書クラブのみんなが岐阜市立図書館へ来てくれました。小松子ども司書クラブは、石川県小松市立図書館で子ども司書養成講座を受け、子ども司書として活動している小中学生によるグループです。昨年は岐阜市の子どもたちが小松市へ訪問して図書館の見学と子ども司書同士の交流を行いましたが、今年は小松市のみんなが岐阜へ来てラジオ作りをはじめさまざまな活動をしている子ども司書たちと一緒に交流会を行いました。

 当日一足早く集合していた岐阜の子ども司書のみんな。どうやってお迎えしようか...自分たちで考え、『ようこそ』のウエルカムボードを作成したり入り口に置いたホワイトボードにイラストをたくさん描き、楽しい雰囲気で小松のみんなを迎えることができました。小松子ども司書クラブが到着後、グループにわかれてまずはお昼ご飯を食べました。まだまだ表情が硬い小松の子に対して岐阜市のみんながそれぞれ持ち寄ったお菓子をどんどん開けて配り、「うちらの企画会議いつもお菓子パーティーなんです~」と、いつもと変わらない岐阜市の子ども司書のみんなのゆるい雰囲気が場を温めてくれました。おかしのパワーは偉大ですね。
昼食後は館内の見学。2グル-プにわかれて児童のエリア、YAエリアや川舟型読書スペース、岐阜城が見える金華山テラスなど岐阜ならではのエリアを中心に案内しました。YAの心の叫び掲示板では一緒になって貼りだされている投稿を読む姿が印象的。談話のへやの黒板展示は作成にかかわった子たちが一緒に説明してくれたり、本の蔵のここのくぼんでいる場所が落ち着くんです!とお気に入りの場所での過ごし方を熱く語ってくれたりして、岐阜市の子ども司書それぞれが、小松のみんなへ『わたしの図書館』を語ってくれたことがとても嬉しかったです。
小松①.jpg 小松②.jpg

見学が終わると展示づくりとラジオ作りのチームにわかれてグル-プごとに作業しながら交流会を行いました。ラジオ作りチームは「小松ってどんなところ?」「小松子ども司書クラブの活動について」「岐阜市立図書館を見学した感想」の3つを岐阜市の子ども司書が小松のみんなへインタビュー!小松のみんながしっかり話す内容を準備をしてきてくれて初めてとは思えない堂々としたトークで驚かされました。岐阜市のみんなも今回のような事前録音は初めてでしたがしっかりリードしてくれて無事、原稿づくりから録音までできました。今回録音した内容は10月第1週のFMわっちで聴くことができます。
小松④.jpg

展示チームは中央図書館見学をした中で小松子ども司書クラブのみんなが驚いたことや疑問に思ったところ、すごい!と感心したところなど心が動いた場所を紹介する展示を作りました。こちらも添えるイラストを一緒に書いたりコメントを順番に書き合ったりと一緒になって作業しながら短い時間でたくさん作ってくれました。それぞれのこだわりが詰まったにぎやかな展示になりそうです。近日中に展示グローブに展示しますのでお楽しみに!
小松③.jpg

小松子ども司書クラブでは館内のBGMづくりやショート動画づくりなど岐阜市とはまた違った活動を多岐にわたって行っているようです。岐阜市のみんなも今回聞いた話に刺激を受け、こんなことやってみたい!が広がってくれたらいいなと思いました。来てくれた小松子ども司書クラブのみなさん、ありがとうございました!

 8月2日、7日に小学生を対象とした講座、「君が知りたい謎を解き明かそう!ようこそ図書館探偵団へ」を開催しました。

 いつも不思議に思っていることがある。あんなこと、こんなことが知りたい。皆さんにも"知りたいこと"がありますよね。図書館の司書はそんな皆さんの「知りたい!」をお手伝いする"レファレンス"を行っています。今回はレファレンスのプロである司書たちが"図書館探偵"に扮し、知りたいけど上手く調べられない小学生の探偵見習いに調べもののコツを伝授しました。
図書館探偵団1.jpg

 会場に集まった探偵見習いたち2日間で19人。まずは講師役の図書館探偵から図書館での本の探し方を学びました。本を探す為の機械である"OPAC"の使い方も習得し、探偵見習いたちも調べものをする為の資料を自分で集められるようになりました。

 次に集めた資料から目的の情報を探し出す方法を学びます。図書館探偵からの挑戦状、「シロイルカは子どもの頃は何色」にも適切な資料を使って回答を導き出すことができました。調べもののコツをつかんだ探偵見習いたちは、難しい挑戦状にも次々と挑み、あっという間に答えを見つけ出してしまいました。
図書館探偵団2.jpg
 講座の終わりに"図書館探偵シール"を受け取った探偵見習いたちは、誇らしげにそのシールを探偵マニュアルに貼っていました。講座を受講して "図書館探偵"になった彼らが、これからも図書館を通してたくさんの本に出会い、多くの疑問を解決してくれることを期待しています!参加してくださった皆さん、見守ってくださった保護者の皆様、ありがとうございました!



 8月3日、子ども司書22人と一緒に、長野県塩尻市にある塩尻市立図書館へ行ってきました。岐阜市立図書館と塩尻市立図書館は図書館同盟を締結し、さまざまな交流をこれまでも行ってきましたが、どちらも子ども司書の養成をしているということで今回の交流会が実現しました。出発は図書館が開館する前の早い時間でしたがお天気にも恵まれ、バスに乗り込んだ子どもたちは元気いっぱい!ゲームをしたり、おしゃべりしたり、お菓子を食べたり思い思いに時間を楽しみながら塩尻へ向かいました。

 塩尻市立図書館に到着すると、昨年度1年間岐阜市立図書館に人事交流で来ていた司書さんが待っていてくれて、子どもたちもラジオ作りを一緒にやっていたこともあり久しぶりの再会を喜んでいました。グループに分かれてご飯を食べた後は館長さんや司書さんの案内で塩尻市立図書館を見学。関連するテーマごとに、DVDCDも、小説も一緒に置いてある『混排』という方法で資料が置かれている様子や児童のエリアのかわいい展示、天井まで届くかという高い本棚にびっしりと本が詰まった閉架書庫にも興味津々。初めていく図書館の見学はとっても新鮮で刺激的でした。
塩尻3.jpg塩尻1.jpg
見学後は岐阜市立図書館の子ども司書と塩尻市立図書館の図書館マスターでビブリオトークを行いました。ビブリオトークは本を使ったコミュニケーションゲームで、持ち時間5分で自分のおススメ本の魅力を語ります。全員の発表が終わったら、投票をして、「一番読んでみたくなった1冊」を決めるのです。最初にお昼ご飯を食べたグループごとに予選を行い、そのあと予選を勝ち抜いた6人で決勝戦が行われました。決勝に残ったのは、なんと6人とも岐阜市の子ども司書。ビブリオトークのための原稿づくりの時間などはなく、ほとんどの子はぶっつけ本番でその時感じていることを言葉にして発表してくれましたが、どの本も読んでみたい!と思わせる発表でラジオ作りを通して「自分の言葉で語る」ことを普段からしている子ども司書のみんなの『言葉の力』に驚かされた時間となりました。
塩尻2.jpg塩尻4.jpg

楽しい時間はあっという間。ビブリオトークが終わるとバスに乗り込み帰路につきました。「ビブリオトークで読んでみたい本がたくさん増えた!」「人生で一番長く感じた3分だった...」「利用者のことを考えた資料の置き方がいいなと思った」帰りのバスで聴かせてくれた、みんなの感想を嬉しく思いました。短い時間でしたがたくさんの刺激を受け元気いっぱいメディコスに帰ってくることができました。今回の塩尻市立図書館への旅の様子は、「小さな司書のラジオ局」で子どもたちが報告します!
塩尻5.jpg