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 知らなかった岐阜を知る「みんなの図書館 おとなの夜学」を令和6年3月日に開催しました。令和5年度最後のおとなの夜学は、図書館を飛び出して、岐阜市長良にある護国之寺(ごこくしじ)で開催し、住職の廣瀬良倫さんに護国之寺の由来から、お寺にまつわる貴重な品々について現物やレプリカとともに解説いただきました。

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 奈良時代に作られた国宝金銅獅子唐草文鉢には、聖武天皇が東大寺大仏を作る際に呼んだ腕の立つ仏師が、褒美に受け取った鉢を持ち帰り護国之寺を建てたという由来があります。
 本来ガラスケース越しでしか見られない貴重なお宝をレプリカでじっくりと見ることができました。鉢自体は半球形で、布を敷かないと自立しない形状になっており、間近でまじまじと見ながら参加者それぞれが感じた疑問を住職に答えていただく場面もみられました。

 他にも蓑虫山人の掛け軸(現物)なども紹介したいただきました。イベント終了後も今回紹介された品々を時間の許す限りじっくりと拝見させていただくことができ、ゆかりある場所で住職に解説いただくというとても贅沢な時間を過ごすことができました。

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 今回の会場である護国之寺は高台に建ち、岐阜城や長良川などが普段とは違った角度で楽しむことができる素敵な場所でした。参加されたみなさんも「こんな場所にお寺があったなんて」とイベント終了後に寺院内をゆったり散策するなど思い思いに楽しんでおられました。まさに「知らなかった岐阜を知る」というおとなの夜学の醍醐味を味わえた会になったのではないでしょうか。

 後日おとなの夜学ホームページにてイベントの様子を記録した動画がアップ予定です。気になる方はぜひ動画をチェックしてみてくださいね。
おとなの夜学公式ホームページ(別のページに移動します)

 2024316日(土)午前10時より岐阜市立中央図書館のつながる読書のへやにて、自分史活用アドバイザーの武山康弘氏をお招きし「自分史講座」を開催いたしました。昨今、自叙伝の執筆に興味を持たれている方も多いようで、募集開始後すぐに定員に達する人気ぶりでした。

IMG_5925.JPG まずは参加者同士の自己紹介から始まり、人生のターニングポイントを記した折れ線グラフを見ながらお互いの歩みに耳を傾けたり、気になった部分は質問し合ったりと、和やかな雰囲気で進んでいきました。途中、特に印象的な出来事について、文章に深みを持たせるため時代背景を調べようと、図書館が所蔵する過去の新聞を活用する場面も。

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 その後も、要点をまとめるためのワークシートやこの先の計画書の作成など各々積極的に取り組む姿勢が見られ、時間いっぱいまで講師への質問も多く飛び交いました。
 今回の講座は入門編ということでしたが、今後ご自身で自分史を執筆していくために必要な手順や考え方を学ぶ時間を得られたのではないでしょうか。参加者からも、「興味があったが、始めるきっかけになった」、「書く手が止まっていたが続けられそう」など、前向きなご感想をいただきました。今後も図書館を活用し、ぜひ自分史を完成させていただきたいと思います。




 3月9日(土)、まちライブラリアン養成講座 じぶん本棚をつくろう!を開催しました。このイベントは、「まちライブラリー」に興味がある人や本を通じた活動を行ってみたい人を対象に、本に関わるワークショップを通して新たな本との関わり方を発見する場にしてもらおうというものです。前半はまちライブラリー提唱者の礒井 純充さんをお招きしてまちライブラリーとはなんであるのか、礒井さんが、まちライブラリーをつくろうとしたきっかけや続けてこられた活動の経緯、そこにかける想いなどをお聞きしました。
 必要なのは理想の高い目標や立派な理念ではなく、趣味全開!やってて楽しい!が何より前面に出ているまちライブラリーのほうが息の長い活動が続けられるのだ、という言葉に、実際に今、まちライブラリーを運営している参加者やこれから何かを始めたいと参加してくださった方は大きくうなずく姿がありました。

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 後半は、段ボールを使って自分だけのオリジナル本棚をつくるワークショップです。
それぞれが図書館の書架から選んできた本を自由に装飾した段ボール箱の本棚に飾り、世界に一つだけの本棚を作りました。完成した本棚は『嫌われ者のカラスの子育てに注目した本棚』や、『12月以外のサンタクロースはどうしてる?』『人見知りだよねっていうひとにこっそり見に来てほしい、人見知り倶楽部』などどれもテーマの切り口も、そこに施された装飾もユニークでその人ならではの"マニアックさ"があります。
前半の礒井さんのお話で、「万人を対象にする必要はない、自分の個性を出せば出すほど特定の人に響くのだ」、という言葉がみなさんの完成した本棚をみて実感として分かった気がしました。
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 本棚が完成したら、最後に発表の時間。ひとりひとり、本棚とそこに飾った本にこめた思いを語ります。
1冊の本に思いを込める人、飾られる本から「大好き!」の思いがあふれる人、日々のもやもやを体現する人...。それぞれの本棚にそれぞれの生きざまやドラマがあり、発表を聞いてから改めて本棚を見ると、本の語る言葉が聞こえてくるような気がしました。
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 発表後はお互いの本棚の感想を話し合ったり、本をおすすめしあったりと和やかに参加者同士のおしゃべりがあちこちで続きました。このイベントを通して本が新しい人と人とのつながりを作ってくれたように感じ、うれしく思います。ひとりひとりの小さな"何かしたい!"という思いが誰かのそれとつながり、あたらしいものが生まれていく、今回のイベントがそんな一歩になればいいなと思っています。

 完成した本棚は、図書館の展示グローブにて令和6年3月27日から4月29日まで展示しています。ぜひこの機会に見に来てください。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

3月16日(土)にメディアコスモス1階かんがえるスタジオで、2023年度のボランティア活動を振り返る報告会と交流会を行いました。

 活動報告会では写真などによる各館・各図書室それぞれの活動の様子を紹介しました。また中央図書館の資料修理ボランティアの皆さんに事前アンケートを行い、活動に対する思いなどを答えてもらいました。資料修理ボランティアをしていて楽しかったことは修理が美しくきれいに仕上がった時、ボランティア仲間の方たちと仲良くなれたことなど、参加者も興味深そうに聞いていました。

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 続く交流会では司書も輪に入り、持ち寄ったおすすめ本を紹介しながら自己紹介を行いました。自分の推し作家の本は全部読むようにしているという人や講演会に参加するときは必ずその作家関連の本を読み、予習してから出かけるという人など、おすすめ本の紹介だけでなく、皆さんが日頃どんな風に本と関わっているかも知ることができました。紹介された本は読んでみたいと思う本ばかりで、メモを取りながら聞いている人が多かったです。今回の参加者は中央の書架整理ボランティアのみだったので、書架整理をしていて困っていることやどうしたらいいのか聞いてみたかったことなどを話し合いました。皆さん思っていたことはほとんど同じで、書架整理あるあるだなと感じました。
その後も話題を変えながらにぎやかに楽しく交流をしました。

 今年度は以前のような活動が戻り、中央図書館では書架整理ボランティアの活動日数が300日を超え、資料修理の活動で修理された冊数は4000冊を超えました。
ボランティアの皆さんの力をひしひしと感じ、職員一同とても感謝しています。
来年度も引き続きよろしくお願いします。

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知らなかった岐阜を知る「みんなの図書館 おとなの夜学」。第93回目を令和6219日に開催しました。

戦国から今へ続く岐阜の茶の湯文化をひもとき、現代のまちづくりにどのように活用していけるのかお話をお聞きしました。

 

前半は林さんに、お茶の始まりから岐阜における歴史についてお話いただきました。信長公は武家社会のヒエラルキーをお茶を使って作ったそう。自分が認めた者のみ茶会へ出席させたり、限られた武士のみが自身で茶会を開くことができるなど、今も茶道のしきたりとして続いているものがありますね。それぞれの時代で文化を牽引した人物が岐阜の地で多様な影響を与え、今へ続く茶の湯文化が作られてきたことなどを教えていただきました。

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後半は茶の湯文化をまちづくりに活用している藤丸さんにお話をお聞きしました。伝統ある建造物の一室で茶会を開いたり、普段は見られない貴重な茶器を借りて参加者と一緒に語り合うなど、茶の湯を親しみあるものにと、まちづくりを続けてこられたそう。岐阜においても茶の湯を活用してどのようなことができるのか、参加者とともに考える場面もありました。

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「お茶」と聞くと、ルールが多く敷居が高いイメージがありましたが、ルーツを知り、もっと気軽に楽しみながらそうした文化を活用して現代のまちづくりに繋げていけるのではと、茶の湯文化の新たな可能性を感じる会となりました。

動画はYoutubeでお楽しみいただけます(下記リンクでは新しい画面が開き、別サイトに移動します)
https://www.youtube.com/watch?v=CzQkWUbXCRs

 3月3日(日)、チェリストの山田真吾さんをお迎えして、「みんなのLIVEラリー」をシビックプライドライブラリーにて開催しました。これは、「岐阜で楽しく豊かに暮らす」をコンセプトに本を置いているシビックプライドライブラリーで、岐阜に暮らす人が集い、それぞれのやり方で探してきた、それぞれの"豊かさ"や"生きざま"を交わし合うようなトークイベントになれば、という思いで立ち上げた新企画です。第1回は「読んで、奏でて、生きてきた。」と題してチェリストの山田真吾さんをゲストにお迎えし、本にまつわるトークとチェロの生演奏を楽しみました。
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 前半のトークでは図書館職員を聞き手として、3冊の本を手掛かりに山田さんの人生をひもときます。『だからお前は落ちるんだ、やれ!』には中学生の時と21歳のチェロをもう一度頑張ってみようと思ったタイミングで読み、自分にとっては"原点の1冊"語ります。山田さんは大学の工学部を卒業された後、チェロを学ぶためにハンガリーのリスト音楽院へ留学したという、音楽家としては少し異色の経歴の持ち主。音楽以外にも様々な経験をされた彼だからこそ、「人生は一度だから」と語るポジティブさに説得力がありました。
 また、東野圭吾の『白夜行』は山田さんが初めて読んだ小説で、この本をきっかけに小説をたくさん読むようになったそうです。当時のチェロの先生に、「いろんな引き出しを持っていなさい、論理的なだけでは理解できない、弾くことができない曲が出てくるよ」と言われたことをきっかけに山田さんは当時一番流行っていたというこの本を手に取りました。小説を読むことで、人の弱さや強さに思いを馳せ、弾くことができるようになった、100冊くらい読んで初めて、あの時先生が言いたかったことがわかった気がした、といいます。一見あまりつながりがあるようには思えない、本の世界と音楽の世界が山田さんの言葉で広がりを持ち、つながったように感じました。

 軽妙な語り口で終始笑顔の絶えないトークが終わると、いよいよチェロの生演奏。後半の演奏では、11曲解説をしていただいた後に聴く演奏は情景が目に浮かぶよう。本に囲まれた空間で生演奏を聴く、とても豊かで贅沢な時間でした。
 また、演奏が始まるとすぐに来館者の皆さんも音に引き寄せられたくさん集まってくださいました。コンサートホールではなく図書館で行ったことで、普段はクラシックを聴かない人にも音楽を楽しんでいただくことができたように思います。
山田さん、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

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【紹介していただいた本】

  • だからお前は落ちるんだ、やれ! 

 217日(土)と21日(水)にメディアコスモス1階あつまるスタジオで、令和64月から活動を始められるボランティアに向けて説明会を行いました。今回は31名の方が参加されました。
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 まずは、何はともあれ"岐阜市立図書館ってどんなとこ?"か知ってもらいたいと思い、地図やイラストを使ったり、図書館にまつわる数字を出したりしながら説明。また、ボランティア活動にも色々な種類があるので、それぞれの活動内容について簡単に紹介しました。自分の活動以外にも興味をもっていただけたらいいなと思います。
 次に、これから一緒に活動していくボランティア同士、交流を深めるために「もし私が図書館長になったら!」というテーマで自由に考えたこと(密かな野望?)を発表しあいました。皆さん、とても積極的で、自ら手を挙げて次々に発表してくれたことには少し驚きました。密かな野望?を一部紹介しますと...
 "子どもが読むおはなし会をしたい"
 "本やまんがに出てくる料理やお菓子を作って、食べながら、本について語り合う"
 "物語の主人公になりきれるバーチャル図書館" 
...こんな感じです。
 
 実現できそうものや実現できたら楽しいユニークなものまで、とてもバラエティー豊かでした。私たちも一緒になって、和やかで楽しい時間を過ごせました。
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 初めてのボランティア活動で不安もあるかと思いますが、4月からの活動よろしくお願いします。
いっしょによりよい図書館を作っていきましよう!