日  時:令和2年2月21日(金) 午後2時から(開場:午後1時30分)

場  所:みんなの森 ぎふメディアコスモス 1階 みんなのホール

定  員:200名(先着順)

申込み:不要       

入 場 料:無料

問合せ:中央図書館
TEL/058-262-2924

YAのYAなカンジ!?

  • 2020年2月 8日

毎月8日更新のYAブログ【YAなカンジ!?】

2月になりました。
今日も寒いですね。家から出たくありませんが、頑張っていきましょう。
というわけで、今月は、ちょっとでもみなさんの心がホットになるような投稿を
セレクトしました。

 2020年最初のおとなの夜学は、岐阜人にとって喉に引っかかる小骨のように気になる「名古屋」との関係と岐阜人の気質について、「岐阜は名古屋の植民地!?」の著者・松尾一(まつお いち)さんと、岐阜の街の達人・ブラトガシこと岐阜大学地域科学部学部長・富樫幸一(とがし こういち)さんが語り合いました。

 博報堂が2014年に行った都道府県別ブランド力調査によると、岐阜県は外部評価は50%近くと高いけれど内部評価は約30%と低い結果でした。岐阜の人はあまり岐阜を好きでないのかしら? 県外出身のワタシは「?」を頭に乗せての夜学スタートです。

 松尾さんは酒場や喫茶店などでの聞き取りを中心にした「内側から見た岐阜」を、富樫さんは大学の研究で集めたデータからの「外側から見た岐阜」を、交通・人柄・方言などいろんな角度から見えてきた岐阜の長所短所を紹介し、岐阜の「ほどほど」な気質が見えてきました。

 岐阜市は名古屋・大阪などの都市圏に近く、水が美味しく金華山と長良川といった自然が身近にあるので、生活で困ることはない「ぬるま湯」な環境が岐阜人を「井の中の蛙」にし、「岐阜には何もない」と自己評価を低くしている要因ではないかとの分析には、思わず唸りました。身の丈にあう良い意味の「ほどほど」は、裏を返すと「発展性がない」悪い意味にもなります。

 観光地や産業の振興をブランドとして売り出すのもいいけれど、経済に寄りすぎていいのでしょうか。地域にブランド志向が薄れフラットに見えてきている中、高校・大学生らが「地元をもっと知りたい」と自ら学ぶ動きが出てきています。生まれ育った土地の文化や歴史を教科書からだけでなく、土地の人や地元紙などから吸収することが、自分の存在への自信にもつながるアイデンティティを育み、岐阜人自らが岐阜の良さを周囲に広める宣伝マンになるのではないでしょうか。

 誰かに話したくてウズウズする「愛する岐阜」をたっぷり吸収する時間となりました。

夜学.jpg

 普段なかなか岐阜でお会いできない作家を招いてお話しいただくこのイベントも3年目迎えました。今回は、岩手県在住の絵本作家澤口たまみさんをお招きし『「賢治」と「自然」と「生きること」‐絵本作家・澤口たまみさんと語る‐』」と題して、お話しいただきました。聞き手の吉成館長が岩手にいる時から親交のあるお二人。事前の打ち合わせから話が止まりません。なぜか今まで宮沢賢治について語り合うことは少なかったというお二人ですが、どんなお話が聞けるのかワクワクします。

 今回の「作家と語ろうin岐阜」ではゲストがもう一人。ベーシストの石澤由男さんです。石澤さんはドリフターズの番組で生演奏されていたベーシスト。すごい方にお越しいただきました。(私、「8時だヨ!全員集合」で育ちました!)

 石澤さんのウッドベースの伴奏に乗せて澤口さんが「注文の多い料理店」の序文を朗読されイベント開始です。(この後講演が終了するまでの2時間、澤口さんのお話の伴奏をずっと続けてくださいました。やさしい澤口さんの語りに石澤さんのベースの音楽。とても素敵な心地よい時間でした。)


IMG_1104_s.JPG

 澤口たまみさんの著作「それぞれの賢治」が東京から岩手に移住するきっかけだったという吉成館長の話から始まります。「賢治さんは立派な人と思われているけどそうではない。」後輩だという澤口さんは宮沢賢治のことを「賢治さん」と呼びます。賢治さんはお茶目な一面もあるし、中学校の通信簿には皮肉屋で不満家で内向的と書かれているし、恋もしてます。聖人君子で生涯独身と思われているけれど、作品を読めば読むほど賢治は恋愛していたとわかると澤口さんはおっしゃいます。澤口さんがその意見を発表したところ、昭和50年代にすでに恋人がいるといたと発表していた人がいたそうです。私たちが「これが賢治だ」と思っている賢治像は、賢治の作品を守り、世に出すために情報が取捨選択されていることがあったり、賢治研究家の先生たちが賢治像を立派な人にしているところもあったりするようです。あの作品のこの山は〇〇山だろうと偉い研究家が言うけど、岩手で実際見れば、その山ではなくてこの山ってすぐにわかる。岩手という賢治が作品を生み出したその土地だからわかることや感じることがあるというのは納得です。

IMG_1093_s.JPG

 人によっては苦手意識をもってしまう虫たちのことを伝えることを仕事とした澤口さん。私にしかわからない虫のいいところを伝えていこうという思いを後押ししてくれたのは賢治の文学だったといいます。宮沢賢治の作品が近くに感じられる環境で、賢治は読んで当たり前だったといいます。今では、「賢治さんだったらどうかな」と賢治作品を参考書にされています。

 作品の中で、虫・自然・いのちを伝えることを大切にしている澤口さんは、賢治さんが伝えたかったことは「自然」なのではないかと思っていらっしゃいます。教え子に詩の書き方を教えるといった賢治さんは教え子と野原をひたすら歩いて、書き方そのものではなく自然観察することを教えたそうです。「シグナルとシグナレス」という最新型信号機と旧式信号機の恋を描いた作品ではつまらないところが尊いといいます。「どんぐりと山猫」ではこの世につまらないものはないといいます。みんなに素敵なところがあって、あるがままでいいと言ってくれているのですね。

 賢治さんは火山灰質であるため農作物の育ちが悪い地域のために、石灰工場でも働いていました。賢治さんは貧しい岩手のみんなのために、自分の命を削ってまで工場労働を行っていました。澤口さんは、みんなのために何かをしたいと頑張っている人々の中にそれぞれの「賢治さん」がいるといいます。そう考えると、賢治さんはもうこの世にいない人ですが、たくさんの「賢治さん」が私たちの周りにいますね。

 そして話は、東日本大震災の日の話になります。

 初めての震災の体験に自然はこわいと感じたとおっしゃいます。でも、電気のない真っ暗な夜の星空や翌日の青空がとても美しいと感じたとお話されます。どちらも素直な気持ちだと感じました。そして、すぐには支援に立ち上がれなかったこと、人を助けるためには自分が元気でいることが大切という澤口さんの言葉には、こころの栄養の前に体の栄養と地質の改善に努めた賢治さんの姿が重なります。

 質問コーナーでは、一番好きな賢治作品は?と質問されました。吉成館長は、以前は「グスコーブドリの伝記」だったけど震災後の今は「セロ弾きのゴーシュ」と答えます。澤口さんにとってたった一つを選ぶことは非常に難しそうです。「シグナルとシグナレス」も好きなんだけど、一番というと「カイロ団長」「鹿踊りのはじまり」・・・。やはり一つには絞れないようです。

 今回の講演、いのちといのちの間に線を引くことはしないほうがいい。虫と人の間に線を引くことに慣れてしまうと、それは人と人の間に線を引くことにつながってしまう。とお話されたことが私にはとても心に残りました。みんな等しく「いのち」なんですよね。

 イベントの最後は館長からのリクエストに応えて、澤口さんによる朗読と石澤さんの演奏です。澤口さんが選ばれたのは「永訣の朝」。澤口さんが語る賢治さんの話にすっかり偉人・宮沢賢治からすぐそこにいる賢治さんと身近に感じ始めている私の耳には、知っているはずの文章が違うものに感じます。

 あめゆじゅとてちてけんじゃ
 岩手在住の澤口さんがつむぐ言葉が心にしみて、思わず涙しそうでした。

 作家と語ろうin岐阜は3月にも開催予定です。
 次回はどなたのどんな言葉が聞けるのか、今から楽しみです。

2作家と語ろう_s.jpg

岐阜市立図書館だより2月号を発行しました。

岐阜市立図書館の各館・室で配布中ですので、ぜひ手に取ってご覧ください。

岐阜市立図書館だより2月号
ダウンロード用PDFはこちら

児童版 岐阜市立図書館だより2月号
ダウンロード用PDFはこちら

一般2月_s.jpg 児童2月号_s.jpg

中高生向け ライブラリーレター2月号
ダウンロード用PDFはこちら

ファッションライブラリー通信2月号
ダウンロード用PDFはこちら

YA2月_s.jpg FL2月_s.jpg

★新型コロナウイルス感染拡大に伴い、イベントを中止いたします。詳しくはこちらをご覧ください。★

日 時:令和2年3月8日(日)午後2時~4時(開場:午後1時30分)

講 師: 穂村 弘さん(歌人)

会 場:みんなの森 ぎふメディアコスモス 1階 かんがえるスタジオ

定 員:先着100名(要申込、先着順)

参加料:無料

申込み:2月9日(日)午前9時より、中央図書館の窓口および電話・Eメー ルにて受付開始。

問合せ:中央図書館
TEL/058-262-2924
Eメール/moushikomi@gifu-lib.jp

★新型コロナウイルス感染拡大に伴い、イベントを中止いたします。詳しくはこちらをご覧ください★

日 時:令和2年3月7日(土)午後2時~・3時~【受付終了】(一人45分程度)

場 所:分館 ミーティングルーム

相談員:日本政策金融公庫 岐阜支店 融資担当職員

定 員:2名(要申込・先着順)

相談料:無料

申込み:2月8日(土)より、中央図書館と分館の窓口、または電話、FAX、Eメールにて受付。
お申し込みの際は、氏名、住所(市町村まで)、電話番号、性別、年齢、具体的な業種、起業の状況と時期(予定)、現在事業を行っている方は状況をお伝えください。

問合せ:中央図書館
TEL/058-262-2924
FAX/058-262-8754
Eメール/下記のイベント参加お申込みフォームへ ↓


★新型コロナウイルス感染拡大防止のため、イベントを中止します。詳細はこちらをご覧ください★

第1回 「心をつかむ手描きPOP」 【開催中止】
日 時:令和2年3月4日(水) 午後1時~午後4時
講 師:高山 マサエさん(POP高山代表)

第2回 「印象が変わるインテリアデザイン」【開催中止】
日 時:令和2年3月6日(金) 午後1時~午後4時
講 師:住 百合子さん(AO STYLE代表)

第3回 「たった1枚の紙で人を惹きつける!~手に取られるフライヤーとは?~」【開催中止】
日 時:令和2年3月11日(水) 午後1時~午後4時
講 師:今尾 真也さん・臼井 南風さん((株)リトルクリエイティブセンター)

場 所:中央図書館 つながる読書のへや

定 員:各10名(要申込・先着順)

申込み:2月8日(土)午前9時から、 中央図書館の窓口および電話、FAX、Eメール、にて受付。
お申込みの際は、『図書館ビジネス支援セミナー参加希望』、名前、住所(市町村まで)、電話番号、年齢、参加希望の回をお伝えください。

※第3回は定員に達したため、参加申し込みの受付を終了しました。

受講料:無料

問合せ:中央図書館
TEL/058-262-2924
FAX/058-262-8754
Eメール/下記のイベント参加お申込みフォームへ ↓

★新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、開催を中止します。詳細はこちらをご覧ください★

日 時:令和2年3月1日(日)午前10時~正午

場 所:みんなの森 ぎふメディアコスモス 1階 あつまるスタジオ

解説と司会:堀 素子さん(ぎふライブラリークラブ)

申込み:中央図書館の窓口または電話、Eメールにて受付。     
    お申込みの際は、氏名、参加人数、代表者連絡先をお伝えください。

問合せ:中央図書館
TEL/058-262-2924
Eメール/下記のイベント参加お申込みフォームへ ↓


★新型コロナウイルス感染拡大防止のため、イベントを中止します。詳細はこちらをご覧ください★

日 時:令和2年2月29日(土)午後1時30分~3時 

場 所:分館 ファッションライブラリー

講 師:村上 眞知子さん(岐阜市立女子短期大学 名誉教授)

定 員:7組(12~15名程度) ※原則、親1人につき子ども1人

持ち物:ニードルパンチの図案(タテ25cm、ヨコ30cmの面に刺します。)

材料費:500~700円(材料調達価格による)

申込み:2月15日(土)より、分館の窓口または電話にて受付

問合せ:分館
TEL/058‐268-1061