2017年10月26日(木)に「本de子育てカフェ~児童編~」を開催しました。 「本de子育てカフェ」は子育てに奮闘中のみなさんのための図書館講座のシリーズです。9月には第1回「赤ちゃん編」(ブログ記事へとびます)を行いました。

 今回の「児童編」では、講師に小澤俊夫先生をお招きしました。 口承文芸の専門家である小澤先生は、「昔ばなし大学」を全国で開講し、昔話のあり方や子どもへの語り方を伝えるとともに、昔話の再話の指導も行っていらっしゃいます。お兄さんは世界的な指揮者の小澤征爾さん、次男はミュージシャンの小沢健二さん。昔ばなしの語りにも、音楽に通ずる要素がたくさんあります。 講座の開始前に館内をご覧になった小澤先生は、郷土資料コーナーで足をとめ、「古い薄い本の中に、地元の昔話が伝えられていたりするんだよ!ゆっくり見たいなぁ。」とお話してくださいました。

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 講座は具体的な昔話を例に挙げ、実際に語りをしていただきながら進みました。昔話の特徴や作品の解説から、子どもの成長とは何かという話題に踏み込んでいきます。 たとえば『灰かぶり』。「シンデレラ」のタイトルでもおなじみですが、グリム童話の灰かぶりは舞踏会へ3度行くということをご存知ですか。3度の繰り返しは昔話では定番。本来は耳で聞くものだからこその語り口です。灰かぶりが2度もお城から帰ってきてしまう理由を、小澤先生は「思春期の揺れ動く心を表している」と読み解きます。子どもは理由なく悪い自分と良い自分を振り子のように繰り返してしまうものなのだと言います。

 講座の最後は「生の声で子どもに話し、子どもの話を聞いてあげて。そのときは声に出して相づちをうってあげてほしい。子どもにかける声が、禁ずる・命ずる・叱る声だけではもったいない。」というお話で締められました。私の小澤先生の第一印象がまさに「とても丁寧に相づちをうって話を聞いてくださる方だな。話すととても安心するな。」というものだったので、この言葉にはとても納得しました。誰かと言葉をかわすとき、相手や自分の存在をより強く感じるような気がします。みなさんもぜひ子どもさんに素敵な声をたくさんかけてあげてください。

  今回の講座のテーマであった昔話と子どもの成長について、先生の著書の中でも触れられています。当館に所蔵がありますので、もっと詳しく知りたいという方や今回講座に参加できなかった方は手に取ってみてくださいね。

  今後の「本de子育てカフェ」は、来年2月に「中高生編」の開催を予定しています。詳細や申し込みについては順次お知らせページで案内します。ご期待ください。

「クリスマス★スぺシャルおはなし会 3~6歳向け」

日 時:12月17日(日) 午前11時から11時40分  午後2時から2時40分    
     合計2回 ※各回 同じプログラムです。

場 所:みんなの森 ぎふメディアコスモス1階 かんがえるスタジオ

対 象:3~6歳

定 員:各回80名(保護者を含む)
・当日受付(各回開演15分前からかんがえるスタジオ前で入場整理券を配布します。入場整理券がなくなり次第終了。)
・おとなだけの参加、団体での参加はご遠慮ください。

参加費:無料

問合せ:岐阜市立中央図書館 児童図書係 電話/058-262-2924

10月28日、目指せ直木賞作家!ぼくのわたしのショートショート発表会がありました。
ゲストは今年で三度目、朝井リョウ先生です。
たくさんの作品の中から選ばれた中高生の作品を批評され、会場中から相槌の音が聞こえました。朝井さんの話す言葉を一言一句聞き逃すまいとメモを取っていたりと、熱量半端なかったです。


※更新日時はYA(や)の日ということで、毎月 8 日です。

YA(ヤングアダルト)とは!?

12歳から18歳までの子どもでも大人でもない微妙な年頃を指す。 この図書館では、中高生向けの本を寄り集めています。






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「クリスマス★スぺシャルおはなし会 0~3歳向け」

日 時:平成29年12月6日(水) 午前10時から10時30分    午前11時から11時30分    午後1時から1時30分    
     合計3回 ※各回 同じプログラムです。

場 所:みんなの森 ぎふメディアコスモス1階 かんがえるスタジオ

対 象:0~3歳

定 員:各回80名(保護者を含む)

当日受付(各回開演15分前からかんがえるスタジオ前で入場整理券を配布します。入場整理券がなくなり次第終了。)
・おとなだけの参加、団体での参加はご遠慮ください。

参加費:無料

 10月28日(土)、「桐島、部活やめるってよ」や「何者」の作者として著名な朝井リョウさんをお招きして『目指せ直木賞作家!ぼくのわたしのショートショート発表会』を開催しました。応募作品から事前に朝井リョウさんが選ばれた8作品を、作者の中高生が自身の朗読で発表、朝井さんから1人ずつ講評をいただきます。発表してくれた8人は自分の作品を舞台で朗読するという慣れない経験に緊張したと思いますが、どの作品も個性的で、朗読を聞いているとその世界にぐっとひきこまれました。ショートショート1_s.jpg

 「作品の中に自分を出さないって難しいのに淡々とした文章が書けていて読み手に不安感を与えることに成功してるよね」
「文章に緩急があって言葉選びのバランス感覚に長けてる。」
「主人公がちょうどよいかわいらしさで応援したくなるね」
「人によってはスルーしてしまうようなひとことを拾い上げて小説にできるというのはすばらしい個性だと思う」

 朝井さんは、丁寧に彼らの話を聞き、作品の感想を述べてくださいます。
また、「~た。~た。と同じような文体が続かないように工夫している」と話した子には「わかるー!でも難しいよね」と共感したり、特徴的なキャラクターが登場した物語を書いた子には「場面を動かしてくれるキャラクターって重要だよね」とうなずいたりと、立場は違っても同じ「書き手」として彼らに共感したり言葉をかけたりしてくださっているんだなあと感じました。 朝井さんが同じ作家の石田衣良さんから言われた、"「ただ歩いている」というシーンを「歩いている」と書かずに描けるかどうかが作家にとって重要なことなんだ"、という言葉も未来の直木賞作家になるかもしれない彼らへ紹介してくださいました。


朝井さんの言葉を借りると、「書くことは勇気」なのだそうです。自分の経験していないことや,直接は知らないことを書くということは、「間違っているかもしれない」という恐れを伴います。そこを乗り越えてつづる言葉だからこそ、読む者の感情を揺さぶるのだなと感じました。

今年は人口知能をテーマにした作品など、現代社会を映したような作品が多く集まりました。近年、将来的には人工知能が取って代わる職業がたくさんあるのだとも言われていますが、しかし、「文章というのは最後は経験が埋めるもの」だと朝井さんはおっしゃいます。 たとえば果物のリンゴとリンゴ・スターという名前の人物を並列した文章を示したとき、AIは関連性のない言葉だと「×」をつけます。しかし、私たちはその先に何かのつながりがあることを想像することができるため、必ずしも「×」とはならないのです。
中高生を見守る暖かい空気の中、このように深く考え、ハッとさせられるような気づきもあった時間でした。 発表会終了後、8人の中高生は一人ずつ朝井さんの著作「風とともにゆとりぬ」にサインをいただき、それぞれ言葉を交わしながら手渡しで受け取りました。発表中は緊張感のあった彼らも大舞台での発表を終え、ほっとした様子で笑顔も見られました。

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 「未来の担い手」を育てたいという思いを込めたこのイベントも3年目を迎えました。昨年も選ばれて2回目の舞台だという子。昨年も応募したけれど選ばれず悔しい思いで観客として昨年のイベントに参加、その時のアンケートに「来年は必ず選ばれる作品を書いて見せます!」と決意表明をして帰ったのだと舞台上で打ち明けてくれた子。人前で話をするのは得意ではないけれども勇気を出して一歩踏み出し当日を迎えた子。応募したけれど選ばれず、質疑応答の時間に「美しい文章を書くには?」「どうやって物事を表現する言葉を選ぶんですか?」と質問、一生懸命何かを自分のものにしようとしていた子。3年続けてきたこのイベント、舞台に上がった子も上がることができなかった子も、それぞれに歴史をはぐくみ、思いを育ててこの日を迎えていました。図書館としても「毎年続けていくこと」の意味について考えさせられます。

 「言葉は人生のあらゆる場面で自分を助けてくれるもの。自分の「その時」のため、ゴールをどこに置くとしてもずっと書き続けてほしい」という朝井さんからのメッセージもありました。
そして、図書館も未来の担い手による生き生きとした言葉が行き交う空間であり続けたいという館長の最後のあいさつで幕は閉じられました。  ご来場の皆さま、ありがとうございました!

日 時:平成29年12月3日(日)10:00~12:00

場 所:みんなの森 ぎふメディアコスモス1F あつまるスタジオ

解説と司会:堀 素子さん(ぎふライブラリークラブ)

定員:30名(事前申込・先着順)

申込み:岐阜市立中央図書館カウンターまたは電話、Eメールにて受付

問合せ:岐阜市立中央図書館     
    電話/058-262-2924    Eメール/library1@city.gifu.gifu.jp

回転アニメ2_s.jpg日 時:11月25日(土)13時30分~15時00分 
場 所:みんなの森 ぎふメディアコスモス つながるスタジオ
講 師:坂本 牧葉氏(岐阜市立女子短期大学 生活デザイン学科 専任講師)
定 員:15名(小学校低学年以下の場合は、保護者同伴) 
持ち物:定規、カッター、はさみ、着色用に色鉛筆など
受講料:無料(ただし材費代として300円は別途負担)
申込み:平成29年11月7日(火)午前9時より中央図書館のカウンター または電話・E-mailにてお申し込みください。 E-mailの場合は講座名・氏名・年齢(学年)・TELをご明記ください。
問合せ:岐阜市立中央図書館  
    TEL:(058)262-2924  E-mail:library1@city.gifu.gifu.jp










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隠れ○○を探せ!part3

  • 2017年11月 2日

こんにちは。展示グローブやエントランスなどで行われる大きな展示だけではなく、図書館の書棚の間にさりげなく飾ってある展示にもぜひ注目していただきたく始めました【隠れ○○を探せ!】。今回も司書の力作をピックアップしてみました。

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part3-2_s.JPGメディコス in メディコス!!図書館にあるグローブをイメージした司書の手作りです。ちゃーんと書架でエプロンをつけた職員も働いていますよ。

どこにあるのか、館内を散策して探してみてくださいね。

岐阜市立図書館だより11月号を発行しました。 岐阜市立図書館の各館・室で配布中ですので、ぜひ手に取ってご覧ください。

岐阜市立図書館だより11月号
ダウンロード用PDFはこちら

児童版 岐阜市立図書館だより11月号
ダウンロード用PDFはこちら

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中高生向け ライブラリーレター11月号
ダウンロード用PDFはこちら

ファッションライブラリー通信11月号
ダウンロード用PDFはこちら

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日 時:平成29年11月26日(日)13:30~15:00

場 所:みんなの森 ぎふメディアコスモス 1階 かんがえるスタジオ

協 力:岐阜大学LGBT支援『にじねこ』

定 員:30名(先着順)

申込み:岐阜市立中央図書館カウンターまたは電話にて受付

問合せ:岐阜市立中央図書館  電話/058-262-2924