私たちの暮らす岐阜のまちがこれまで育んできた文化や歴史を図書館から発信しよう、という「おとなの夜学」。
岐阜ならではの異色な人々が集まり、「岐阜にいながら知らなかった岐阜のこと」を語ります。

 9月20日(水)に第2回おとなの夜学、「100年前の温泉開発に賭けた熱き漢の物語-金華山頂に湧き出た『金華鉱泉』の謎-」を開催しました。ゲストの宮部賢二さんは金華山の裏の裏まで愛し、熟知している金華山研究家。季刊誌「金華山だより」の発行人でもあります。 約100年前の明治末期、金華山の山頂に鉱泉が湧き出ていた...!その名も「金華鉱泉」。
あの山の頂上で温泉が出ていたなんて!?今月の夜学は、今ではちょっと信じられない夢のようなホントのお話。

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 明治時代、金華山山頂付近にあった古井戸からわき水が出ました。
そしてその水を沸かしてみたところ、なんと真っ黒に。温泉成分を含む水であることが分かったのです。
そこからの動きは大変素早いもので、その年の年末にはもう山の中にパイプがひかれ、金華浴場がオープンしました。その浴場の経営者だったのが、澤田文治郎という人です。御手洗池から山頂までパイプをひいて作られた金華浴場の運営は9年間ほど続きました。現在はその場所に護国神社の社殿が建っています。
 金華浴場の経営に携わったこの澤田文治郎というひとを、一言であらわすなら「めげない人」だったと宮部さんは言います。
明治2年に岐阜市港町に生まれ、名古屋の書店で丁稚奉公をしながら独学で閉店後にお店の本で勉強。のちにホテルや芝居小屋、養蚕の会社などさまざまな事業を手にかけていきます。そのたびに火災や経営難に陥るのですが決してめげることなく、新しい挑戦を常に探しているような人でした。

 宮部さんを金華山へとかきたてるものはいったい何なのでしょうか。
幼い時を岐阜市で過ごされた宮部さんにとって、岐阜市のためになにかできないだろうか、という思いが常にあるそうです。
幼い時を過ごした場所、岐阜のにぎわいを取り戻すために何か動かずにはいられない、そんな思いで、『金華山だより』の発行にこぎつけました。後半は、宮部さんが発行されてきた『ウラキンカザンダヨリ』から、いくつか宮部さんのリサーチの結果とともにエピソードをお話しくださいました。'松尾芭蕉が伊達藩を調査する忍者だった!?'など、すべてが本当のことかどうかはわかりませんが、昭和の時代の岐阜のにぎわい、面白さを垣間見ることができました。長良川交通公園にプールがあったという話題が出ると、かつてのパンダプールの写真を参加者の方も懐かしそうに見ておられました。

 これから岐阜はどうなっていくのでしょうか。
宮部さんは、『残すものは残していくことが大事だ』といいます。
インターネットでだれでもすぐに答えをさがせる時代です。でも、それは本当の答えではないことも往々にしてあり、自分で検証し、本当かどうかを判断し、情報を選び取っていくことをしなければなりません。特に今回お話しいただいたようなことはどれも、ウェブだけでは探し切れない資料ばかり。宮部さんの調査に対する情熱、それに突き動かされ何度も現地を訪ねる行動力に通じる言葉に、『保存すること』を大きな使命とする図書館の役割を改めて感じた時間となりました。

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 最後に、もし10億円あったら金華山山頂に戦国パークを建設したいという宮部さんの妄想(!?)夢物語を語っていただき、第2回のおとなの夜学は終了しました。 妄想と現実が絶妙にからみあったユーモアのある語りに、大変盛りあがった夜でした。

定員に達したため、募集を締め切りました。
キャンセル待ちは、おとなの夜学特設サイト:https://otonanoyagaku.net/へ。

〇日時・場所
平成30年11月1日(木)午後7時~8時30分
ぎふメディアコスモス2階 図書館 南東読書スペース

ゲスト:竹内 蘭さん(古代妄想家/瓢箪作家・瓢道位教士四段)
    横田 宏さん(岐阜市教育委員会社会教育課)

定員:50名(要申込・先着順)

中央図書館の窓口・電話または下記のサイトにて受付。
おとなの夜学特設サイト:https://otonanoyagaku.net/
TEL/058-262-2924

こんにちは。
ぼくのわたしのショートショート発表会(通称ぼくわた)担当者です。

開館記念イベントとして始まった当イベントもおかげさまで4回目となりました。毎年中高生たちの作品をいの一番に読むことができる、私にとって新型iPhoneの発表よりも楽しみにしているイベントです。今回応募いただいた作品数はなんと114作品。予想を大きく超えてきました。これまでで一番多かったのは第2回の68作品ですから過去最多を大きく更新しています。中高生の皆さんの関心が広がってきていると思うと本当にありがたいです。

さて今年もこの中から「ぼくのわたしのショートショート発表会」で発表してもらう作品を選考すべく、東京は神田神保町の集英社さんに行ってまいりました。あの鳥山明先生やさくらももこ先生も出入りしたであろう由緒正しいビルに入りますと、入り口近辺で「ジョジョの奇妙な冒険」の展示コーナーがどーんと。ジョジョ世代の私は足を止めてオラオラとみていきたかったのですが、約束の時間が迫っていましたので泣く泣くスルーしました。

今回朝井さんへの手土産にお持ちしたのは三輪の日本酒「達磨正宗熟成三年」。古酒の中では比較的飲みやすく、それでいてまろやかな味わい。岐阜らしい手土産をと思いお持ちしました。こんな重いものを手土産として朝井さんに押し付けてしまうことに少々の罪悪感を覚えましたが快く受け取ってくださいました。

さっそく朝井さんと担当編集者さんと私の3人で打ち合わせを始めます。3人で打ち合わせといっても私は「なるほど~、なるほど~」と呆けた顔で言っているだけなのですが、なにしろ114作品ですので選考にも時間がかかりました。今回8作品を選考しましたが本当はもっともっと紹介したい作品がたくさん。例えば「ぱんつくったことある?」という問いに対してどう答えるのが正解なのかということを延々考えるというだけの小説を書いてくれた女子中学生がいて、すごくどうでもいいことなのに最後まで気になって読んでしまいます。「鉱石を喉に詰まらせ」という作品は非常に文章が上質で、彼にしか書けない世界観を描いています。岐阜や愛知だけではなく東京や神奈川、群馬といった遠方からも応募がありました。正統派のショートショートらしい淡々とした作品や人間の内面を暗喩的に表現した作品、ホラーや青春もの、SFなど、バラエティに富んだ作品群でした。特に十代ならではの題材や表現がある作品は目を引きましたね。今回打ち合わせに3時間もかかってしまったのですが、朝井さんも編集者さんも終始笑顔で話しておられました。みなさんの作品を肴に楽しく話をさせていただきました。もちろん古酒は飲んでませんよ。念のため。

そんな中から朝井さんが選定した8作品はこちら。(五十音順)
「感情カメレオン」
「コンテスト」
「自分にとっての楽園」
「日曜日の消し方」
「正夢彼女」
「虫」
「唯一無味」
「床下」

とてもレベルの高い作品たちです。「コンテスト」とは果たして何のコンテストなのか。「床下」にはいったい何が!?知りたい方は是非10月27日(土)開催「第4回ぼくのわたしのショートショート発表会」にお申し込みください。待ってます!→観覧申し込みはこちら

また、イベントでは今回選ばれなかった作品も含めて114作品を収録した作品集も配布しますので、その他の作品が気になる方もぜひお越しください。はたして「ぱんつくったことある?」という質問に対する正しい答えはあるのでしょうか。

岐阜市立図書館だより10月号を発行しました。
岐阜市立図書館の各館・室で配布中ですので、ぜひ手に取ってご覧ください。

岐阜市立図書館だより10月号
ダウンロード用PDFはこちら

児童版 岐阜市立図書館だより10月号
ダウンロード用PDFはこちら

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中高生向け ライブラリーレター10月号
ダウンロード用PDFはこちら

ファッションライブラリー通信10月号
ダウンロード用PDFはこちら

おたよりYA10月号_s.jpg FL通信10月10月_s.jpg

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日 時:平成30年10月27日(土)午後2時~
    (午後1時30分開場)
※イベント開始までに入場されない場合は、
 キャンセルする場合があります。

場 所:みんなの森 ぎふメディアコスモス 1階 
    みんなのホール

出演者:朝井 リョウさん(小説家)、
    作品を発表する中高生

定 員:200名(要申込・先着順)

対 象:小学生から大人

問合せ:中央図書館
電話/058-262-2924
Eメール/moushikomi@gifu-lib.jp 
特設ページ/https://g-mediacosmos.jp/lib//post.html



定員に達したため、募集を締め切りました。
キャンセル待ちは、おとなの夜学特設サイト:https://otonanoyagaku.net/へ。

〇日時・場所
平成30年10月5日(金)午後7時~8時30分  
ぎふメディアコスモス 2階 図書館 南東読書スペース

ゲスト:よごれん(サイト「TEAM酷道」を主宰)
    前畑 洋平さん(NPO法人J-heritage代表)

定員:50名(要申込・先着順)

中央図書館の窓口・電話または下記のサイトにて受付。

おとなの夜学特設サイト:https://otonanoyagaku.net/
TEL/058-262-2924

10月のおはなし会の予定です。ぜひ遊びに来てください。

旗

中央図書館 
土曜日、日曜日、祝日 14:00~14:30 にゃんこカート にゃん吉のおはなし会
平日 10:30~10:50 よみきかせタイム
※下記の定例のおはなし会があるときは、にゃんこカート にゃん吉のおはなし会、    
 
よみきかせタイムはおやすみです。
3日(水) 10:30~、11:00~ 0歳~3歳向け
17日(水) 10:30~、11:00~ 0歳~3歳向け
6日(土) 10:30~ 3歳~6歳向け
21日(日) 10:30~ 3歳~6歳向け
13日(土) 14:00~ 小学生向け
28日(日) 14:00~ 小学生向け
20日(土) 10:30~、11:00~ わらべうた
分館 
27日(土) 11:00~ 0歳~4歳向け
27日(土) 14:00~ 5歳~小学生向け
長良図書室 
13日(土) 10:30~ 0歳~小学生向け
東部図書室 
3日(水) 10:30~ 0歳~4歳向け
西部図書室 
6日(土) 10:30~ 4歳~小学生向け
19日(金) 10:30~ 0歳~3歳向け
長森図書室 
5日(金) 11:00~ 0歳~3歳向け
17日(水) 11:00~ 0歳~3歳向け
柳津図書室 
13日(土) 11:00~ 4歳~小学生向け
17日(水) 11:00~ 0歳~4歳向け

私たちの暮らす岐阜のまちがこれまで育んできた文化や歴史を図書館から発信しよう、という、「おとなの夜学」。
おとなの夜学が今年も帰ってきました。岐阜ならではの異色な人々が集まり、「岐阜にいながら知らなかった岐阜のこと」を語ります。 2015年に第1期が始まってから変わらずたくさんの方が注目する、人気イベントで、今回で第4期目になりました。

8月22日(水)に開催された記念すべき今期第1回目のテーマは、
「タモリさんとブラブラ歩く-信長が夢見た'平和の都'を巡るバーチャルまちあるき-」。
昨年12月にNHKで放送されたブラタモリ・岐阜編は、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

今回の夜学はブラタモリ岐阜を再考する、ということで番組中の裏話なども伺いました。
ゲストはブラタモリで案内人を務められたおふたり、岐阜大学地域科学部学部長の富樫幸一さんと、岐阜市教育委員会社会教育課の高橋方紀さんです。富樫さんは金華から柳ケ瀬、加納までまちあるきガイドをされていた経験から地形や歴史地図を用いての解説を、そして高橋さんは長年信長居館跡の発掘にも関わってこられた経験を踏まえて織田信長公の岐阜の足跡を解説してくださいました。

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 織田信長、というと「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」ということばからもわかるように、残忍で残酷で、すぐ人を斬る恐ろしい武将、という歴史的なイメージを持たれているように思います。その織田信長が、「平和」を望んでいたのでしょうか。
 しかし、「おもてなし」という切り口で見ると信長がいかに客人を大切にもてなし、楽しませようとしたかという全く違った姿が
浮かび上がります。たとえば信長が建てた岐阜城とその周囲の庭園は大変華やかできらびやかで、軍事的な要素を持たず、客を招いてもてなすための迎賓館の役割を担っていたように見受けられる、と富樫先生はおっしゃいます。
 山麓の屋敷で食事を振る舞い、歌や踊りでもてなし、山上の城では金華山から城下町を臨む展望でもてなし、長良川では鵜飼でもてなす。そこにはそのおもてなしの数々で客人を驚かせ、満足させることを楽しんでいた信長の姿がありました。
人の喜ぶ顔を見ることを楽しむ、信長はとても人間的で、冷酷な恐ろしい人という歴史的な先行イメージとは全く違う人物像がうかがえます。

 また、ブラタモリの放送でタモリさんも注目していた、岐阜城の「チャート」。
金華山はおもに赤色や灰色をしたチャートと呼ばれる岩石でつくられています。チャートは、大昔海にいた放散虫が海底に蓄積しできた地層です。それが何億年・何百万年かけてプレート運動によって現在の位置に移動し、隆起し、侵食され現在の金華山の形になったのです。信長はこのチャートを城の石垣に使用し、岐阜城を築城しました。チャート層の岩石は非常に硬く、平野にそそり立つ山として残ったため、その山頂に築かれた岐阜城は威圧感のある、難攻不落の城のように感じます。そのような城を作ることによって「戦わずして勝つ平和な城」を築いたのだと番組でも解説されていました。自然の岩肌さえも自分の力を見せつける道具に変えてしまう、そんな力が織田信長にはありました。

 信長はとても見栄っ張りで、訪ねてくる客人に対して「どやっ」とばかりに力のある自分を見せつけたかったのではないか。そのようにゲストのお二人はおっしゃいました。そしてどのようにすれば世間に対して自分の力を一番効果的に見せることができるのか、を知っている、プロデューサーとしての力があった人物でもありました。 暴力ではない形で民を安全に守りながら、力のある自分をみせつけ世界を変えていきたいという革命家信長の想い、新たな姿を知った気がした第1回目のおとなの夜学でした。

日 時:平成30年9月29日(土)~10月16日(火)

場 所:分館 ファッションライブラリー

展示者:岐阜市立女子短期大学 生活デザイン学科 ファッション専修

入場料:無料

問い合わせ:分館
TEL/058‐268-1061

日 時:平成30年10月6日(土)午後1時30分~3時

場 所:分館 ファッションライブラリー

講 師:中谷 友机子さん(岐阜市立女子短期大学 生活デザイン学科 准教授)

定 員:15名(要申込)

持ち物:洋裁道具(はさみ、針、ものさし、えんぴつなど)

受講料:無料(材料費として600円を別途負担) 

申込み:往復はがきに①講座名、②住所、③氏名、④年齢、⑤電話番号を記入して分館へ送付。往復はがきは1人1枚で申込み。9月26日(水)必着。応募多数の場合は抽選。

問合せ:分館
TEL/058-268-1061