日 時:平成31年4月29日(月・祝)
午前10時~11時30分(開場:9時45分)
場 所:みんなの森 ぎふメディアコスモス 1階
あつまるスタジオ
講 師:武山 康弘さん
(行政書士・自分史活用アドバイザー)
定 員:12名
申込み:中央図書館の窓口または電話・Eメールにて受付。
問合せ:中央図書館
TEL/058-262-2924
Eメール/moushikomi@gifu-lib.jp
3月16日、トークライブ『公共空間はどう変わる?~本と本屋と図書館の逆襲~』が開催されました。
ジャーナリスト・作家として公共図書館や地方自治などを取材する猪谷千香さん、ビールなどお酒が飲める本屋B&Bを経営されている内沼晋太郎さん、そして先鋭的な図書館を運営する図書館長の代表として県立長野図書館長を務める平賀研也さんをゲストに、多様な人が集うこれからの公共空間をどうつくっていくのか、その可能性と未来を探ります。
前半はゲストの3名と岐阜市立図書館からそれぞれの取り組みについて報告です。 猪谷さんは様々な図書館を訪れてきた経験から、図書館だから、出会うはずがなかった人と人が出会って化学反応を起こすことがある、本を読み、モノを調べるだけの機能ではない図書館の可能性についてお話しくださいました。 また、ニューヨークの図書館やブックカフェを訪れた際にコーヒーを飲みながらおしゃべりを楽しみくつろぐ様子に衝撃を受けたこと、日本の図書館には「やってはいけないことが多すぎるのでは」という危機感についても言及されました。
内沼さんは、書店の経営やプロデュースをする傍ら、韓国や東南アジアの国々の書店や図書館を見てこられた経験から、出版業界の未来について語ってくださいました。出版をするということは、その国の言語人口に関わってくるので、日本のように小さな国でそこに住む人にむけての出版となると大きな困難が伴い、その結果業界が衰退していってしまう現状があるのだそうです。東南アジアの小さな国々の、われわれよりも先にその苦しい部分を体験している中での取り組みや彼らのアイディアから学ぶことはとても重要だとお話しくださいました。
平賀さんは、図書館がサービスを市民に一方的に提供するのではなく、一緒につくっていく仕組み作りの大切さについて、経験に基づいて語ってくださいました。情報が世の中にあふれ、スマホやパソコンを使えば大抵の情報は手に入れることができます。でも、リアルでローカルな関係性がなければ『モノ』を作り出すことはできない。そしてそれができるのが人の集う『公共空間』なのだと力強く語られました。だからこそ、「図書館てなんだ!?」を再定義するときが来ている、図書館は自分たちが考えたことが実現できる、可能性のある場所なんだという言葉が印象的でした。
岐阜市立図書館からは、岐阜市立図書館が掲げる「子どもの声は未来の声」という言葉について。図書館には「いろんな人が来るおもしろさ」があります。そのため、「迷惑のライン」を図書館と利用者で一緒に考えていこうと取り組んできたことなどについて館長から報告しました。
後半は4名がざっくばらんに語り合うクロストークです。
内沼さんによれば、「書店」というのは場所のこと、一方「本屋」は人、そこで仕事をしている人、本に関わることをしている人、本のおもしろさを伝える人、のこと。これはボランティアで読み聞かせをする人や図書館で本と人とをつなぐ司書も含まれます。『書店』というビジネスの土壌ではひとりの人のために何かをする、ということが難しいけれども、『本屋』ならそれができるかもしれません。
読者のための図書館から、表現者のための図書館へ、という言葉もありました。ただ本を借りて読んだり、調べ物をしたりするだけでなく、そこで得たものを生かして自分の言葉で表現することを生み出す場に図書館はなっていける、と熱く語られるゲストのかたがたの言葉に参加者も大きくうなずいておられました。
また、多くの図書館で導入されている、読書通帳について。図書館の評価は、来館者数や貸出冊数に左右されがちです。来館者数や貸出冊数がおおければ、それは「いい図書館」なのでしょうか。本をたくさん読む人が「偉い」のでしょうか。たくさん読みたい人は読めばいいし、それはすごいことではあるけれど、そろそろ功利主義的な評価とは異なる価値的な評価軸で見ていかなければいけない、子どもの「読みたい」という意欲を掻き立てる方法はほかにもあるのではないか、と議論が交わされました。
トークライブが終わっても多くの図書館関係者や書店関係者、たくさんの参加者が残ってお茶やお菓子を楽しみながら話に花が咲きました。『図書館』という場所についての新たな価値観が示され、未来を感じる一日となりました。
岐阜市立中央図書館では、日々この図書館に来てくださるひとりひとりの利用者のみなさんに、本を通じて言葉や想いを交わす居心地のいい居場所、そんな場所にこの図書館がなりたい。その願いをかなえる道具のひとつとして、今回「みんなとつながるバッグ」を作りました。
※バッグ作りへの思いや制作については、こちらの記事をご覧ください。
完成したバッグを、中央図書館2Fのレファレンスカウンターにて、3月21日(木・祝)から1個千円で販売いたします。(限定500個)
みんなのバッグ、ぜひ手に取って見てください。
4月のおはなし会の予定です。ぜひ遊びに来てください。
中央図書館 /////////////////////////////////// | ||
月・火・水・金 | 10:30~10:50 | よみきかせタイム |
※下記の定例のおはなし会があるときは、よみきかせタイムはおやすみです。 | ||
3日(水) | 10:30~、11:00~ | 0歳~3歳向け |
17日(水) | 10:30~、11:00~ | 0歳~3歳向け |
13日(土) | 10:30~ | 3歳~6歳向け |
28日(日) | 10:30~ | 3歳~6歳向け |
14日(土) | 14:00~ | 小学生向け |
6日(土) | 10:30~、11:00~ | わらべうた |
7日(日)、20日(土) 21日(日)、27日(土) |
14:00~ | にゃんこカート にゃん吉のおはなし会 |
分館 ////////////////////////////////////// | ||
27日(土) | 11:00~ | 0歳~4歳向け |
27日(土) | 14:00~ | 5歳~小学生向け |
長良図書室 /////////////////////////////////// | ||
13日(土) | 10:30~ | 0歳~小学生向け |
東部図書室 /////////////////////////////////// | ||
3日(水) | 10:30~ | 0歳~4歳向け |
西部図書室 /////////////////////////////////// | ||
第1土曜日のおはなし会はおやすみです |
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19日(金) | 10:30~ | 0歳~3歳向け |
長森図書室 /////////////////////////////////// | ||
5日(金) | 11:00~ | 0歳~3歳向け |
17日(水) | 11:00~ | 0歳~3歳向け |
柳津図書室 /////////////////////////////////// | ||
13日(土) | 11:00~ | 4歳~小学生向け |
17日(水) | 11:00~ | 0歳~4歳向け |
昨年度から新しく始まったイベント「作家と語ろうin岐阜」。
普段なかなか岐阜でお会いできない作家を招いて、本のこと、本棚のこと、作家になるにあたって影響を受けたものなどを話していただくイベントです。今回は大学在学中に『日蝕』で芥川賞を受賞し、最新作『ある男』が読売文学賞を受賞したほか、現在本屋大賞にもノミネートされている小説家平野啓一郎さんをお招きして、「わたしのライブラリー-綴る・読む・集める-」と題して、吉成館長が聞き手となって、お話いただきました。
最初に子どもの頃の読書について、吉成館長から平野さんに尋ねました。
平野さんは愛知県で生まれ、幼い時に父親を亡くされた後、母親の実家がある北九州市に移り、そこで高校時代まで過ごされました。どちらかというと本を読むのが嫌いだった少年時代でしたが、小学6年生くらいから学級文庫のベーブルースやエジソンなどのアメリカの偉人の伝記や図鑑、江戸川乱歩の「少年探偵シリーズ」などを読み始めます。この「アメリカの偉人の伝記」というキーワードに平野さんと吉成館長の間で通じるものがあり、会場も盛り上がりました。
本を読むのは嫌いだったけど、作文は得意だった平野さん。作文を書くのに話を「盛る」こともあり、それで一大事になりかけたエピソードも披露してくれるなど、吉成館長の質問をきっかけに子どもの頃の平野さんが徐々に明らかになるにつれ、会場も沸きました。ちなみに、母親が資格取得の勉強のために図書館に通っていて、その間に図書館の本を読んでいたのが、少年時代の平野さんと図書館との繋がりだったそうです。
「小さい頃になりたかったものは?」という吉成館長の質問に対し、平野さんは小学1年生の頃はプロレスラーに憧れ、その後は野球やサッカーに興味を持ち、そして中学時代にはバンドを組んだので、ミュージシャンになりたいと思っていたそうです。また、三島由紀夫との出会いについて話が及ぶと、学校の先生が三島由紀夫を紹介したことがきっかけで、三島由紀夫の作品を読み始めていきます。ちょうどその頃は通学に1時間を要し、読む時間には困っていなかったとのこと。三島由紀夫の『金閣寺』は寝食を忘れて読み耽った1冊で、その後エッセーなどで紹介する三島由紀夫が好きな作家の本も読み進めていきます。岩波文庫の本を読む際に巻末の紹介本を消していくのが楽しかった、という平野さん。このあたりで、現在の平野さんを構成する要素が徐々に加わっていきます。
小説家を目指すようになったきっかけについて吉成館長が質問すると、平野さんは中学生になって日記用ノートを買い、いろいろ書き留める日々の中で、部活帰りで遅くなったある日、駅でレールを眺めていた時に月明かりが照らされていた光景を書き留めたこと、17歳の頃には書きたい衝動にかられて70~80枚の小説を書き、お姉さんと国語の先生、友人に見せたことなどを明かしてくれました。その後、周りが大学の受験勉強を始め、それに合わせるように受験勉強を始めた平野さん。京都大学法学部に進学した平野さんは、北九州では目にしなかった本を大学時代に目にすることで、小説家になりたい気持ちが芽生え始めます。当時の世相を交えながら吉成館長がその頃の平野さんについてうかがうと、インターネットが今ほど普及しておらず、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などが起き、世間では世紀末思想や神秘主義なども流行っていました。大学生活そのものは楽しかったものの、どこかモヤモヤする気持ちもあり、そうした気持ちを解消する術がなかったそうです。
「自分が何をしたいのか、何をしていったらよいのか」という、今の若者が抱く悩みや気持ちに共感すると言う平野さん。
SNSが当たり前にある現在、周囲とさまざまな方法でコミュニケーションを行い、その力を求められながら、「自分らしく生きなさい、個性を伸ばしなさい」と言われる昨今、「どの自分が本当の自分なのか」が曖昧であることを忌避する風潮があります。それに対し自分を相対化し、どの自分も本当の自分であるということを受け入れても良いのではないか、また職業選択の際に「1つに決めることが求められる職業で、自分が何をしたいのか?」という重い課題が10代・20代の若者に課せられる状況、などを踏まえ、2009年に『ドーン』を描くあたりから平野さんは「分人主義」という概念を主張されるようになりました。90年代頃から見られ始めた「自分探し」のような風潮、図書館における多様性と絡めながら、吉成館長もこの考え方に同調しました。
本棚の話にも及ぶと、現在の平野さんの本棚には膨大な本があり、しかも毎日たくさんの本が送られてくるため、所持する本の冊数はわからないそうです。仕事部屋のほかに3か所ほど倉庫を借りているほか、ご実家にも保管しており、さらにもう1ヶ所部屋を借りているそうです。本の整理が追い付かず、部屋の中でボーっとしている時に空いているスペースを見つけて本を置いてみることもするとか。膨大な本の中から探すのが難しいので、ついamazonで買ってしまうらしいです。
その後の参加者との質問の時間では、IT化が日本より進んでいる隣国中国の杭州図書館への出張で体感してきたことを踏まえて吉成館長が触れた電子書籍の是非や、田舎と東京で住んでいる時では大人からいろいろなきっかけを与えられることに違いがあるのか、作品を生み出すエネルギーの源は何か、小説を書くことをやめたいと思ったことはないか、など参加者からの幅広い質問に答えてくれた平野さん。
自身の今後の予定なども話してくださり、最後に図書館で所蔵している本で、平野さんがお薦めする本を紹介いただきました。1冊目は三島由紀夫『仮面の告白』。初版本を完全復刻したもので、古い文体のままの本です。もう1冊は遠藤正敬『戸籍と無戸籍』。最新作『ある男』を描くときに参考にされた本です。貸出可能なので、気になる方は是非手に取ってみてください。
参加された方々は20~80代と非常に幅広く、あらゆる世代に平野さんの作品が支持されていることがうかがえたイベントでした。質問された方も平野さんより若い方が多かったにもかかわらず、そうした若い方の感性に響くような回答をし、他の参加者からもそのやりとりに好感を抱いたというアンケート結果が印象的でした。 本屋大賞の発表も含め、今後の平野さんの動向に図書館も注目していきます!
日 時: 平成31年4月13日(土)午前10時~11時(開場:9時45分)
場 所: 中央図書館 南東読書スペース
テーマ:①『舟を編む』 三浦 しをん 開催決定!
②『かがみの孤城』 辻村 深月 まだまだ募集中!
③有川 浩さんの作品 開催決定!
申込み:中央図書館の窓口または電話・Eメールにて受付。
氏名、参加を希望するテーマ作品、連絡先をお伝えください。
その他:参加申込みが少ない作品は、その作品についての話し合いは中止。
問合せ:中央図書館
TEL/058-262-2924
Eメール/moushikomi@gifu-lib.jp
定員に達したため、募集を締め切りました。
ご応募ありがとうございました。
なお、キャンセル待ちの受付はありません。
日 時:平成31年4月14日(日)午後1時30分~4時(開場:午後1時)
場 所:みんなの森 ぎふメディアコスモス 1階 ドキドキテラス
司 会:浅井 彰子さん(フリーアナウンサー)
ゲスト:柳沢 直さん(岐阜県立森林文化アカデミー 教授)
制作指導:Mimi Dumalaogさん(名古屋大学 大学院院生)
対 象:小学生以上の親子
※UVライトを使用するため、妊婦のご参加はご遠慮ください。
定 員:20組
材料費:1組500円
持ち物:汚れてもよい服装またはエプロン
申込み:3月15日(金)より、中央図書館の窓口または電話にて受付
問合せ:中央図書館
TEL/058-262-2924
日 時: 平成31年3月31日(日)午後2時~3時30分
場 所: 中央図書館 つながる読書のへや
対 象:小学5年生~中学生
定 員:10名
申込み:中央図書館の窓口または電話・Eメールにて受付
問合せ:中央図書館
TEL/058-262-2924
Eメール/moushikomi@gifu-lib.jp
2月27日(水) メディアコスモス1階みんなのホールで、平成31年度図書館ボランティアに応募いただいた新規ボランティアの説明会と、今図書館で活動いただいているボランティアの研修会を行いました。
3月16日にも同じ説明会と研修会があってネタバレになってしまうので、詳しい内容はまた今度UPしますね。
今回だけの内容は研修会の後半、14:15からのおたのしみ講演会です。 ボランティア研修の一部ですが、せっかくなので「たくさんの方に見てもらいたい!」と思い 「図書館で本の話を聞きませんか?」と、ボランティア以外の方にも公開しました。
今回は図書用品と製本のタナカの田中稔氏から、「本」について「ボランティア」について、自由にお話しいただきました。
物を作る人は日常で物を見る時、私たちとは見るところが違いますね。
「製本屋のオッサンたちは時刻表を開いて背の糊付け具合に0.5ミリのズレがあるのは分かるけど、中身は老眼でよく見えてない!」とユーモアたっぷりに語ってくださいました。
ボランティアと図書館が守っていく最も大切な存在は「子ども」。
子どもを図書館に連れて行く習慣が、大人になった子どもが、さらに自分の子どもを連れてくるという繰り返しで図書館も街もにぎやかになっていくなど、ご自身のお子さんの図書館デビューにはりきった親バカエピソードも交え、図書館の未来をお話してくださって本の中身だけではなく、外身も気になってくる賑やかなお話が聞けました。
製本とボランティアの話は2月27日だけですが、
3月16日(土) 14:15から、「EditGIFU」という岐阜の本を作ったギフノート編集室の高野直子氏をお招きして、情報を編集し、本を作る過程や裏話などをお聞きします。