1112日(土)、「カンチョーと行こう!ぶらり ぎふまちライブラリー」を開催しました。

皆さん、「ぎふまちライブラリー」をご存じですか?知らなくても無理はありません。金華地区のお店とお寺が始めて、まだ一カ月の小さな図書館なのです。

このイベントは、「まちライブラリー」を館長とみんなで巡ってみよう!という企画で、参加者を募集したところ小さなお子さんから年配の方まで幅広い年代の方が集まって下さいました。小さな男の子以外は、ほとんどが女性の参加でした!

イベント当日、この日は快晴!絶好のお散歩日和です。メディアコスモスのドキドキテラスに集り、全員が自己紹介をしてお散歩に出発です!

館長が小さなフラッグを持って先導します。天気も良く、皆さん最初からテンション高めで、期待感が伝わってきます。


巡った場所は順に、songs(CDショップ)、AND LADY(洋菓子屋さん)、かし是(パン屋さん)、山本佐太郎商店(油屋・菓子)、善光寺、麩兵(お麩屋さん)、長崎屋本店(和菓子屋さん)、annon tea house(紅茶専門店)です。

館長ご一行はお店に着き、店主さんにごあいさつ。店主さんは、お店の紹介や、本棚にある本の紹介をしてくださいます。そして、お店のことをクイズにした、「クイズラリー」を解いていきます。お店を後にするときは、うれしいお土産まで付いてきます!子どもから大人までみんな笑顔がはじけています。

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店主さんのお話で印象に残ったことは、享保5年創業の長崎屋本店さんを訪れた際、夏目漱石の「虞美人草」に味噌松風が登場することです!さすが歴史のある長崎屋さんです。他にも驚いたことは、お店右側の明治時代の岐阜市地図に長崎屋さんのお店の絵が載っていたことです。今と外観が違いますが、「長崎屋 菓子商」とあります。

参加者の方も「ここのお店のクリスマス限定のシュト―レンがおいしい。」とお店情報を教えてくださいます。また、参加者の方同士が仲良くなっていたのが印象的でした。

2時間半のツアーはあっという間で、カンチョーからクイズラリーの参加印をらって終了しました。

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期日は未定ですが、また開催します。次回をお楽しみに!


中学生日記その2

  • 2016年11月20日

白:はいはいはーい。今回も青少年サポーターである中学生に書いてもらってます。
  覚悟してご覧下さい。どうぞ!!

R:こんにちは!青少年サポーターのララ(以下:R)です。
Pこんにちは!!ピクミンです。(以下:P)
R:とつぜんですが、Pさんにはきらいな先生いますか?
P:えっ、いきなりなんですか!?えっ、まぁ...いますねー。
R:私もいます。社会がきらいになったのはその先生のせいです。
P:ひどいですねー。私は先生のせいで国語が嫌いになったんですよ。同じですねー。
R:かなりひいきがひどい。優等生の美人にやさしい。
P:優等生の美人がいるんですか!?
R:それがいるんですよ~。美人で、勉強もできてスポーツもできる完ぺきな人が。
P:お~、うらやましい!!美人の条件ってなんですか?
R:う~ん、目が大きい、スタイルがいい、背が高い、顔が小さい...とか?
P:いいなー。ちなみにモテる男子の条件は?
R:周りにあんまいないからな~。クラスの女子は筋肉だとさ。
P:あ~なるほど。顔や性格はみないの?
R:顔はそりゃ見るけど...。イケメンっていない。性格は...やさしいのが理想だけど...いない。
P:まぁ、いつか現れるんじゃないのかな。ララの前にも。
R:そだね~。ピクミンもファイト!
P:うん!お互い頑張ろう!

※あとがきはYA担当レッドとホワイトです。
白:こんにちは!若さにやられてます!中学生元気ですね。もう、私はいろいろ失ったなあとしみじみしております。
赤:若人は素晴らしいですね~。
白:それにしても、美人で勉強もできてスポーツもできるって、南ちゃんですか?『タッチ』の南ちゃんですか?
赤:いや、私は『ドラえもん』の源静香ちゃんを推します。
白:しずかちゃんですか...。また、ベクトルがすごい方向に曲がりましたね...。中学生はどうやら、
  性格も見目も良い男子をご所望のようですが、先輩はどうでしたか。
赤:ワタクシ、学生時代は人間に興味がなかったからなぁ。邪魔にならない人がいいですね。その人より本を取っても、返信が遅くても
  (しない場合も)、助手席でいつも寝てても、何をしてもいいよいいよ!っていう人を所望します。(現実味あふれ出ててすいません)
白:相手への要求がすごいです。さすが、先輩。私は、愉快な人ですかね。イケメンは三日で飽きるらしいので。
  まぁ、完璧な子よりちょっと欠点あるほうがかわいいと思いますけどね~。(適当)
  中学生のブログは来週で終わりです。最後までどうぞお楽しみ下さい。

 11月4日(金)、本と映画をめぐる金曜トークショーを開催しました。
 街の中心にはいつも本があり、映画があり、本や映画を通じてたくさんのひとのつながりが生まれ、そこからまちの文化が発展してきました。このイベントは柳ケ瀬の商店街に昔からある映画館、書店、商店街のひとたちが、まちを長年見守り続けてきて感じていることや、文化の中心を担ってきた者として、これからのまちのために何ができるのかを考え、語り合うトークショーです。20161114132654-8c6009b06ad4d1d364687a9bc7938c79ab66987c.jpg

 ゲストは映画館を代表して、シネックスの磯谷貴彦さん。本屋を代表して、自由書房の大塚圭子さん。そして、柳ケ瀬の商店街を代表して、柳ケ瀬商店街の振興組合連合会理事長の林亨一さん、羽島市の映画資料館の館長である近藤良一さん。柳ケ瀬の商店街に昔からお店を構えた人や、昔からの柳ケ瀬をよく知り、岐阜のまちのよいことも、そうでないことも今日まで変わらず見守り続けてきた人たちです。

 まず最初に、「何度でも見たくなる大切な映画は?」という質問が、参加者とパネリスト全員にされました。それぞれ、思い思いに手元の紙に大切な一本を書いていきます。書き終わったら一斉に紙を上にあげ、発表しました。36名の参加者に4人のパネラーと館長。41名いれば41名それぞれの大切にしたいものや思い出があります。

そこから、パネリストの、思い出の映画トークが繰り広げられました。「泣きたいときに見る映画は?」「初めて見たHな映画は?」「お気に入りの男優、女優は?」など、それぞれの思いたっぷりに語られます。

20161114133024-24570b824bc0a540288463ba49f642c21ea8aca5.jpg昭和33年ごろの柳ケ瀬商店街はとてもにぎわっていて、人とすれ違うのが大変なほどだったそうです。羽島市の映画資料館の館長を務めておられる近藤さんが当時の柳ケ瀬商店街の映画館の歴史について、地図を見ながら解説してくださいました。当時は全部で12の映画館が柳ケ瀬商店街にはありました。今のように椅子席ではなく、たたみの席や立見席が多く、多くの人が映画を楽しんだ後は喫茶店で語り合う。当時の柳ケ瀬商店街ではよくみられる、当たり前の光景でした。

本屋さんも、人が集い、語り合う場所、という意味では同じです。板張りの教室のような書店にはLPレコードを売るコーナーもあり、たくさんの若者が集いました。自由書房の大塚さんの、「ここは文化の発信地。私たちは文化と教養を売っているという思いで仕事をしています」という言葉が心に残りました。今よりずっと本が売れた時代。当時大ヒットした「窓際のトットちゃん」は週に100冊以上が売れることもあったそうです。


子どもの頃父親に連れられて行った喫茶店ではじめてコーヒーを飲んだ思い出。大人の仲間入りをしたような、わくわくする昂揚感。喫茶店というと不良というイメージだった当時、テスト勉強を頑張った自分へのご褒美として、ドキドキしながら入って食べた喫茶店のパフェはなんであんなにおいしかったんだろう-。はじめて女の子を呼び出して、緊張しながらお店でひとり待っていたこと。パネリストの皆さんから語られる青春の一ページがとてもリアルで、話を聞いているうちに、当時のドキドキやワクワクをまるで追体験しているような、不思議な感覚に襲われました。

 
これから柳ケ瀬は、どうなっていくのでしょうか。「地方都市の昔からある小さな映画館はどこも風前のともしびで、文化でお腹は膨れないし、そんな中で文化を担えと言われるのは荷が重い」とシネックスの磯谷さんの言葉は切実です。一方、林さんは、「みんな、当時は語る場所がほしかった」とおっしゃいます。家でDVDを見たり、インターネットを通じてみるなど今は選択肢がたくさんあります。映画も、本も、一人でどこででも楽しむことができます。でも、そうではなくて、映画を見て、本を読んで生まれた、自分の中の深いところにある「何か」について誰かと語りたい、分かち合いたいという思いを、誰しも持っているのではないでしょうか。


映画館や書店だけでなく、それはきっとこの図書館も同じです。今回のイベントのアンケートでも、図書館に今後期待するイベントとして、「本や映画について、もう少し少人数で語り合う場を作ってほしい」「趣味を同じくする人ともっと何かを語ってみたい。」など、のご意見をたくさんいただきました。図書館でも本を借りるだけではなく、そこで誰かと出会いたい、語りたい、集いたい。文化に触れるため、足で出向き、その場を感じること、そこで感じたものを通じて誰かとつながることの尊さは、今も昔も変わらないのではと感じました。20161114133104-8ecf1b1224b9d88e82a6dd79a94021d335f31c87.jpg
 
人は誰でも多少いびつなところがあって、それがその人の人間性であり、おもしろさなのだと思います。画一化することで安心を生み出す場所が多い中で、柳ケ瀬にはそれぞれの持ついびつさを楽しむだけの寛容さがあり、だからこそきっと商店街を歩いていると、自分のでこぼこのおさまりどころを見つけられるようなここちよい安心感があるのではないでしょうか。とても楽しく、懐かしく、また、柳ケ瀬ならではの「付加価値」を模索する、前向きな話ができたように思います。今回は時間の関係で参加者の皆さんと語り合うことができなかったので、この講座の続編をこれから企画してみたいと思います。お楽しみに!

中学生日記その1

  • 2016年11月13日

白:YAの若人の者たちよ~!元気ですか?ホワイトです。そこそこ不調です。
さて、9月では、インターンシップ生にブログを押し...お願いしましたが、今回から青少年サポーターである、
若々しい中学生に拝み倒して書いてもらいました。中学生の本音トークが聞けるかもですよ。
  今回は好きなタイプについて盛り上がってるっぽいです。老いぼれの私には付いていけません...。それでは、どうぞ!!

S:こんにちは、青少年サポーターのさくらんぼです。
R:同じくれもんです。
S:今回は理想の男性について話したいと思います!まず、自分より背が高い人がいいです。
R:たしかにー!!そうですね、自分の身長+12cmぐらいかな。
S:次に、優しい人がいいです。でも、優しくても、大人しい人はいやだなー。
R:面白い人がいいです!
S:面白くないと、話が続かないしねー!
R:しゃべってて話がはずんだり、楽しかったりすると、いいよねー。
S:そうだよねー。ところで、嫌な男性のタイプってある?
R:自分からめっちゃ女子に話しかけてくる子はちょっと...。
S:そうだねー。休み時間とかに毎回話しかけてくるような人とかはちょっとね。
 私はセンター分けと、七:三分けは嫌です。ロン毛もやだな。
R:オタク系はちょっといやですよね。前髪長い人もね。
S:たしかにー。
 まぁ、お互い条件クリアできる良い人見つけよう!オー!!!
R:オー!!!

※あとがきはYA担当ブルーとホワイトです。
白:いかがでしたか。まぁ、若い...若いですよ、10代。末恐ろしさを感じます...。
  中学生のエネルギーってどうなってんでしょうか。
青:その辺から湧き出してるとか?いやー恐ろしいね。ほんとうに恐ろしいの一言です。
  10年ほど前は我々も中学生だったわけですが、相手に対して求めるものが斯くも具体的であることに驚きを隠せません。わからないわ
白:こちらが唖然とするほど、とても鮮明に理想の男性像あげてましたね。センター分けと七三はダメとか、
  よく見てるな~と思いました。分け目が大事なのか...。ところで、青さんはなに分けなんですか?七三?
青:8:2くらいじゃない?特に意識してないから誤差はあるだろうけど。ただこれだけは言わせていただきたい。
  真のイケメンにとって髪型は些細な問題であるのだと。
白:なるほど...。イケメンはどんな髪型でもイケメンてことですね。心に響くお言葉です。
  てなわけで、これからしばらく、パワー溢れる中学生のブログ載せていきますのでよろしくどうそ。

10月29日(土)、作家の朝井リョウさんを招いて、ぼくのわたしのショートショート発表会を開催しました。
朝井リョウさんは岐阜県出身の作家さんで、「桐島、部活やめるってよ」や、「何者」など、ドラマ化、映画化された作品を多数お持ちの話題の方でいらっしゃいます。このイベントは昨年に引き続き第2回目の開催で、今年は中学生から35作品、高校生から33作品、合計68作品のご応募をいただきました。朝井リョウさんは事前にそのすべてに目を通してくださり、29日の発表会に出場してもらう8作品がその中から選ばれました。当日は8作品の作者である中学生高校生が、自身の作品を舞台で朗読し、ひとりひとりに朝井リョウさんから講評をいただきます。

「自分が書いた小説を、作家やたくさんの人が見ている舞台で、自ら朗読する」という、特別な状況の中、中高生のみなさんはさぞ緊張しているのではないかと思っていましたが、みなさん堂々と、のびのびと舞台上で朗読し、朝井さんと会話される姿が頼もしかったです。事前に文章を何度も読んでいても、朗読を聞くとまた違った感情が沸き起こり、中高生の紡ぎだすみずみずしい言葉一つ一つに、はらはらしたり、ドキドキしたり、わくわくしたり-。あっという間の1時間半でした。

ショートショートという特性上、作品には5枚という制限が設けられており、その制限の中で物語を展開し、完結させるのは至難の業です。それでも選ばれた8作品はどれも書き出しの一言目からぐっと心をつかまれ、読者を楽しませようというしかけが、短いお話の中にたくさんあるものばかり。朝井さんからも「こういう風に書こう、と頭で考えてもできない描写がすっとできている」、「文章のセンスやタイミングが絶妙!」、「書き出し大賞!キャラクターの愛らしさが魅力的」と驚きのコメントが何度もありました。
また、朝井さんによると今年の特徴として、文章から「こういう子が書いたのかな」という想像ができない作品がとても多かったそうです。中学生高校生が書く話、というと、どうしても学校生活の話であったり、自分と同じような年代の人の出てくる物語になりがちだけれど、今回の応募作品には会社で働く人の目線で書かれたもの、SF、動物の目線のものなど、文章やストーリーから作者を想像できるものがなく、当日実際に会って初めて、「こんな子がこれを書いたのか!」と驚いたとおっしゃっていました。
 朝井さんは、どの発表者の作品も丁寧に読み込んでくださった上で、ひとりひとりに、「このアイディアはどうやって思いついたの?」「小説はこれまでにもよく書いていたの?」と尋ねたり「これからも書き続けてくださいね!」と力強く声をかけてくださいました。

「言葉や文章は人と人とをつなぐもので、会えない人とも、見えないもの、できないことともつながれる一番の武器になります。みなさんぜひ外の世界へアプローチする術として、磨いて使ってを繰り返し、大事にしてあげてください。」という朝井さんの言葉が心に残っています。このイベントが、今回応募してくれた、未来を担う中高生が自分の持つ「武器」を磨くための一助となれたのであれば、図書館としてもこんなにうれしいことはありません。

このイベントに限らず、これからも、中高生の皆さんが一歩踏み出すための「武器」を磨こうとしたとき、使おうとするとき、その手掛かりとなるようなものをたくさん提供できる図書館でありたいと思います。

20161111164935-4b916f2bb35213f437424d6de122b36ec924ced7.jpg日 時:平成28年12月10日(土)午後1時~午後3時

場 所:みんなの森 ぎふメディアコスモス 1階 みんなのホール

出演者:コーディネーター 糸賀 雅児 氏(慶応大学教授 図書館・情報学)
パネリスト:   猪谷 千香 氏(文筆家)
          嶋田 学  氏(瀬戸内市民図書館長)
          加藤 伸也 氏(武蔵野プレイス館長)
          吉成 信夫  (岐阜市立図書館長)

内 容:開催テーマ「滞在型図書館のこれから。複合から融合へ」
① 事例発表(瀬戸内市民図書館、武蔵野プレイス、岐阜市立図書館)
② パネルディスカッション

定 員:200名(先着順)

申込み:岐阜市立図書館カウンターまたは電話にて受付

問合せ:岐阜市立中央図書館 (岐阜市司町40-5)
電 話:058-262-2924

10月27日(木)、第3回 おとなの夜学を開催しました。昨年からスタートしたこのイベントは、私たちの暮らす岐阜のまちがこれまで育んできた文化や歴史を図書館から発信しよう、というものです。岐阜ならではの異色な人々が集まり、「岐阜にいながら知らなかった岐阜のこと」を、対談やパネルディスカッション形式で語ります。

 第3回となる今回のテーマは、岐阜の発酵をデザインする-鮎とたまりと発酵トーク-。ゲストは発酵デザイナーの小倉ヒラクさん、泉屋物産店5代目の泉善七さん、山川醸造株式会社3代目の山川晃生さん。小倉さんは微生物研究家とデザイナーの二足のわらじで活動をされているユニークな方です。

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 発酵食は人類が培ってきた食品の保存法であり、また地域独自の味覚を作り上げてきた地域食文化の核に位置づけられるものです。岐阜にも鮎の熟れ鮨、たまり醤油など地域独自の発酵食品を作ってきた、泉さんや山川さんのような達人がいます。トークセッション当日の昼に泉さんと山川さんのお店の見学に行っておられた小倉さんがその奥深さと岐阜らしさを独特の視点で引き出し、3人の専門家による、この地ならではの発酵トークが繰り広げられました。




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 九州や東海地方は特に、不思議な糀文化を持っているそうです。山川さんによると、大豆と小麦の割合が半々の濃口醤油に対して東海地方で作られるたまり醤油はそのほとんどが大豆からできています。大豆に含まれるたんぱく質は分解されうまみのもとになりますが、通常の醤油よりも大豆の多いたまり醤油は、うまみ成分が非常に高いのが特徴です。また、水の割合も通常の醤油よりも少なく、これがたまり独特のとろりとしたコクになるとのこと。

 泉さんは鮎料理の専門店を川原町屋で営まれ、昔ながらの郷土の味を残していくために鮎のリエットや鮎のピザなど創意工夫を重ねられ、新しいものをうみだしてこられました。熟れ鮨と魚醤について、その原点でもあるカンボジアやラオスへ視察に行ってきた際のお話も交えつつ、お話しくださいました。
熟れ鮨というと日本では滋賀の鮒鮨がスタンダードですが、それを鮎でやろうとされたのが泉さんです。鮒ずしはもともとふなのにおいが強く、熟れ鮨になるとその香りはもっと強烈ですが、鮎で熟れ鮨を作ると、確かに発酵しているときのにおいはあるけれど、それはあくまで無精臭で、そのかおりはとてもエレガントともいえるものだそうです。また、鮎にはとれた川の味がするように感じる面白さもあり、くさみがない発酵食品として、岐阜にたまりの文化が浸透していきました。

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地域の食文化を守っていくために、新しいものを生み出す工夫、そうして生み出されたものが新たな伝統、岐阜ならではの「うまみ」となっていく様子を目の当たりにしたように思います。小倉さんが当日はファシリテーターを務めてくださいましたが、山川さん、泉さんのお話を心から「おもしろい!聞きたい!」と感じながら話されているのがよくわかり、私たちも3人のお話をワクワクした気持ちで夢中になりながら聞くことができました。

トークの最後にはカンボジアのトゥクトレイと鮎の魚醤の味比べ、鮎の熟れクリームリエットや醤油のポップコーンの試食を参加者全員で楽しみ、興味深いお話だけでなく、職人が創意工夫の中で生み出したおいしい岐阜を味わうこともできました。



 アンケートでも「堅苦しくない、それでいてアカデミックな話が聞けて良かった。」「地元の料理を食べてみたいと強く思った」などの感想があり、好評のようでした。

次回のおとなの夜学は11月14日(月)。テーマは岐阜市不思議巡り-都市伝説と神話の現場から-。また一風変わった岐阜を知るチャンスになるかと思います。次回もたくさんの方のご参加をお待ちしています。

青:皆様ご無沙汰しております。先週に引き続き再度登場のブルーです。
中学生達のフレッシュさをお伝えする前に、一ヶ月かけてお伝えしてきた朝井リョウ祭り、
  そして第2回僕の私のショートショート発表会がめでたく終了したのでその振り返りしようかと。
白:え?来月は職場体験に来てくれた中学生や青少年サポーターにブログをお願いしましたーとか言ってませんでした?
青:言ったよ?確かに来月とは言ったが来月のどの週からとは言っていないわけで。
  その気になれば今月の最終週から始めても嘘にはならない。ということだよ。君の見切り発車だ。いいね?
白:......
青:というわけで話を戻そうか。さて先月29日に第2回僕の私のショートショート発表会が行われました。
  沢山の方々に参加していただき、担当者一同、大変嬉しく思っています。
白:200人くらい来てましたもんね。心なしか他のイベントより中高生の参加者が多かったような......
青:まあイベント内容によるところが大きいんだけど、中高生は習い事や部活動で休日も忙しいから、
  なかなかイベントに参加してもらうのは難しいんだよね。
  でもそこはさすがの朝井先生、中高生を集める天才かってくらい中高生の方々が観覧参加していただきました。
白:みんな真剣に発表を聞いてましたもんね。
青:中学生4名高校生4名の計8名が自作のショートショートを発表しました。
  個人的にすっごい緊張してるかなーとか思ってたんですが、みんな朗読も朝井先生とのトークも緊張せずに受け答えていたのには驚きました。
白:いやー私が中高生のときなんて人前で発表とか無理ですよ......最近の中高生はすごいですね。
青:朝井先生も中高生の緊張がほぐれるような聞き方や質問をされていたのも大きいと思うよ。
白:(この人朝井さんのこと凄いヨイショするな......)
青:とまあ今年も無事に発表会が終わり、一山越えたと安堵しているわけですよ。
白:何言ってるんですか。もう一山残ってますよね?
青:言うなよ。今言うなよ。
白:今回の発表作品をまとめた冊子は図書館で借りられるので要チェック!ですよ。
それではまた来週!

10月23日(日)、みんなが会ってみたい作家をお呼びしてお話を聞く「著者に会いたい」を開催しました。第2回目となるゲストは岐阜県出身の絵本作家、シゲリカツヒコさん。聞き手は図書館長の吉成です。

イベントは著作の「カミナリこぞうがふってきた」、「ごじょうしゃありがとうございます」をご本人に読み聞かせしていただくところからスタート。スクリーンには絵本が大きく映し出されます。読み聞かせは初めてとのことでしたがとても迫力があり、参加者のみなさんも絵本の世界を楽しんでいました。
読み聞かせの次はシゲリさんが絵本以外で描いた絵を見せていただきます。西遊記をモチーフにした絵やカッパの絵、日常生活の中に一部の人にしか見えない不思議な生物が紛れ込んでいる絵など、20枚ほどの絵を見せていただきました。ファンタジーや妖怪の要素が入っていながら緻密に描かれた絵には不思議なリアリティがあり、独特の世界観に引き込まれます。

その後はいよいよ館長も含めたトークに入ります。
シゲリさんは幼少期から県内の飛騨市や揖斐郡、各務原などを転々としましたが、高校は市内にある加納高校の美術科に通っていたそうです。小さいころは漫画家を目指していて、模写をして同級生に見せていたことや人体のシルエットを描いて中を全部機械で埋める遊びをしていたことをお話ししていただきました。
その後東京にある専門学校に通い、卒業後はフリーのイラストレーターとして活動。AERAなどの雑誌や、医学書でイラストを描くお仕事をしていたそうです。一方で妖怪など自分が好きなものを描いた個展なども開催していたそうですが、それがなかなか直接仕事に結びついてくることはなかったとおっしゃっていました。そんな中、ある絵本作家の方から挿絵を描いてほしいと声をかけられ、絵本なら自分が好きな不思議な世界を描くことを仕事にできるのではと思ったことが、絵本作家になったきっかけだそうです。
また、シゲリさんが好きな本を3冊紹介していただきました。その中に「終わらない夜」が入っていることや、シゲリさんの絵のタッチから館長は「かようびのよる」という本を思いだしたとのことで、シゲリさんもこの本は大好きだそうです。20161103115004-deea1c03d6903251af6ddcaabc672a51f764b5d4.jpg

また、岐阜市街に来たのは20年ぶりだというシゲリさんが、パルコがなくなっていてびっくりしたことや、学生時代はロイヤル劇場などの映画館に通っていたことをお話しすると、参加者の皆さんも大きく頷き、親近感を持った様子でした。

 シゲリさんはイラストレーターのみの仕事をしていた頃、やはりメインは文章などにあり、ご自身の絵が入った雑誌や本の売り上げや評価はさほど気にならなかったそうです。
しかし絵本作家としてストーリーもイラストもすべて自分で手掛けるようになると、どのくらい売れているのか、どのような評価を受けているのかを意識するようになったこと、そしてそこがとても面白く感じているとお話されました。また、シゲリさんは読者の方の感想によってどんなものを描くかという方向を決めているそうで、いろいろな意見を見た中で今は「馬鹿馬鹿しいものを真面目に描くこと」を意識し、絵本を作っていることをお話しされました。著作の「ガスこうじょうききいっぱつ」は、特にその傾向が表れていると館長も感じたそうです。

今回のイベントはシゲリさんがどうして作家になったのか、どのような思いで本を作っているのか、直接お話しを聞くことができた貴重な時間になりました。
参加者の皆さんからも「読み聞かせが楽しかった。」「著者ご本人にお会いできて、絵本以外のイラストもたくさん見られて嬉しかった。」との声をいただき、楽しんでいただけたようです。シゲリさんも、特に読み聞かせをしてみたことは今後の絵本作りにとても役に立つと思うとおっしゃっていました。
これからもみなさんがお会いしたい作家さんをお呼びして、色々な話をお聞きしていきたいと思います。次回をお楽しみに!

<シゲリさんおすすめ本>
・『西風号の遭難』 クリス・ヴァン・オールズバーグ/著 河出書房新社
・『父さんの小さかったとき』 塩野米松/著 松岡達英/絵 福音館書店
・『終わらない夜』 セーラ・L・トムソン/作 ロブ・ゴンサルヴェルス/絵 ほるぷ出版

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日 時:平成28年11月19日(土)午後1時30分から午後3時まで

場 所:クラフト室(ハートフルスクエアーG 2階 岐阜市橋本町1-10-23)

講 師:小川 直茂 氏(岐阜市立女子短期大学 生活デザイン学科 准教授)

定 員:20名

持ち物:なし

受講料:無料

申し込み方法:11月2日(水)午前9時より
岐阜市立図書館 分館 窓口または電話にて受付(先着順)
 

問い合わせ:岐阜市立図書館 分館 ファッションライブラリー
      岐阜市橋本町1-10-23 JR岐阜駅東高架下 ハートフルスクエアーG1階
      TEL.(058)268-1061